埼玉西武ライオンズ・レディース

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埼玉西武ライオンズ・レディース
創設 2020年
今シーズン
現在進行のスポーツイベント2024年の埼玉西武ライオンズ・レディース
所属リーグ
ヴィーナスリーグ
歴代チーム名
埼玉西武ライオンズ・レディース(2020年 - )
本拠地
尚美学園大学グラウンド
埼玉県川越市(2020年 - )
獲得タイトル
成績(タイトル以外)
球団組織
監督 新谷博
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埼玉西武ライオンズ・レディース(さいたませいぶライオンズ・レデイース)は、埼玉西武ライオンズが公認する女子硬式野球クラブチームである[1]

日本野球機構(NPB)の加盟球団が公認する初めての女子硬式野球クラブチームで、一般財団法人全日本女子野球連盟ヴィーナスリーグに加盟。埼玉県川越市尚美学園大学グラウンドを本拠地に、2020年4月1日から活動を開始した。

概要

埼玉県所沢市メットライフドームを本拠地として使用している埼玉西武ライオンズの支援と公認によって誕生したチームで、2020年1月16日に発足を発表。同球団のOB(元投手)で、現役からの引退後に女子野球日本代表の投手コーチを歴任した新谷博(尚美学園大学女子硬式野球部監督)が、初代の監督に就任した[2]

NPB球団のチーム名を冠した初めての女子野球チームで、選手や首脳陣は、埼玉西武ライオンズと同じデザインのユニフォームや帽子を着用。同球団から野球用具の提供や「ライオンズアカデミー」専属コーチ(同球団OB)の派遣(臨時コーチ扱い)を受ける[3]ほか、メットライフドームと同じ敷地にある球団所有のトレーニングセンターを練習に使用することが認められている。ただし、西武球団から金銭面での支援を受けないクラブチームとして運営するため、所属選手にはチームとは別の仕事に就くことを求めている[2]

なお、4部制で構成されているヴィーナスリーグには、2020年シーズンから2部に参加。尚美学園大学は当チームの発足時点で1部に所属しているため、初代監督の新谷は、発足後も同大学の監督を兼務する[3]。ただし、実際には日本国内で年頭から新型コロナウイルスへの感染が拡大している影響でリーグ戦が中止されたため、リーグ戦の代替大会にのみ参加。リーグへの本格的な参入は、2021年シーズン以降に持ち越された[4]

2020年7月に、埼玉県加須市と連携協定を締結[5]。同年10月に開催された全日本女子硬式クラブ野球選手権大会で、初出場ながら優勝した[6]

2021年1月から、ベースボールスクールを開校。複数の元・プロ野球選手が専属のコーチに加わったほか、ヴィーナスリーグに加盟している大学(尚美学園大学など)の卒業生を選手として迎え入れている。

発足までの経緯

日本国内における女子野球の競技人口は、高校生を中心に増加の一途をたどっている。2010年からは、日本女子プロ野球機構(JWBL)の下で、日本女子野球連盟によるプロリーグの運営休止(1952年からのノンプロ化)以来59年振りに女子プロ野球のリーグ戦を再開。プロ・アマ混成チームである女子野球日本代表は、新谷などの指導を背景にIBAF女子野球ワールドカップ→WBSC 女子ワールドカップで第3回大会(2008年)から6連覇(2018年の第8回大会時点)を達成するなど、世界トップクラスの実力を擁している[2]

NPBでは2013年から、女子の学童軟式野球チームを対象に、全日本軟式野球連盟と共同で「NPBガールズトーナメント」を年に1回開催。関東女子硬式野球連盟が主催するヴィーナスリーグには、NPBに加盟する読売ジャイアンツや、同球団と関係の深い報知新聞社が後援社に名を連ねている[3]。その一方で、JWBLでは2019年のシーズン終了後に、契約形態の変更などをめぐって全所属選手(71人)の半数以上(36人)が退団。大学や社会人のレベルでも、高校を卒業した女子選手を受け入れられるチームが日本国内に不足している。

女子のアマチュア野球を統括する全日本女子野球連盟では、以上の状況を踏まえて、社会人レベルの女子アマチュア硬式野球への協力を西武球団に要請[2]。同球団でもかねてから女子野球への貢献策を検討していたため、「トップレベルの女子選手が活躍できる環境の整備に協力していくことは、女子野球の発展のみならず、(男子を含めた)野球人口の減少の歯止めに寄与できるのではないか」という考えの下に支援を決定した[1]。NPBのセントラル・リーグに加盟する阪神タイガースも、このような動きを背景に、2021年度から「阪神タイガース Women」という名称で女子硬式野球のクラブチームを立ち上げている[7]

ちなみに、初年度(2020年度)の所属選手(21名)には、2019年までJWBL加盟のチームに所属した後にトライアウトで合格した選手3名が含まれている。

チームの陣容

現在(2022年度)

当チームが公表している2022年度スタッフ・選手名簿を基に記載。

監督

背番号 名前 プロ野球選手としての経歴 備考
50 新谷博 西武ライオンズおよび
北海道日本ハムファイターズ投手
初代監督
尚美学園大学女子硬式野球部の監督を兼任

専属コーチ

2021年度から新設

背番号 名前 プロ野球選手としての経歴 備考
53 幸田正広 ヤクルトスワローズ内野手
55 田口紗帆 JWBLの埼玉アストライア内野手

所属選手

  • 氏名が太字の選手は、新谷と共に発足発表へ参加。
  • ◎の選手は、セレクションを経て初年度(2020年度)から参加。
投手
背番号 名前 備考
0 山田優理 尚美学園大学から移籍
15 長尾朱夏 ハナマウイから移籍
2022年度入団
16 小林美玲 2022年度入団
17 清水美佑
18 里綾実 JWBLの愛知ディオーネから移籍
捕手
背番号 名前 備考
21 英菜々子
内野手
背番号 名前 備考
1 數田彩乃
6 出口彩香 ハナマウイから移籍
7 山崎まり 埼玉アストライアから移籍
9 豊田京花 2020年度まで尚美学園大学でプレー
大学からの卒業を機に移籍
10 加藤萌音
13 大沼咲貴
24 村上奈名 2022年度入団
25 青柳桃子
24 豊巻翔子 2022年度入団
33 岩見香枝 愛知ディオーネから移籍
35 川中もも 2020年度まで平成国際大学でプレー
大学からの卒業を機に移籍
36 六角彩子 侍から移籍
38 田中美羽◎
42 堀遥奈 2020年度まで平成国際大学でプレー
大学からの卒業を機に移籍
64 中川実栞 2022年度入団
99 小林夕衣 2020年度まで尚美学園大学でプレー
大学からの卒業を機に移籍
外野手
背番号 名前 備考
2 楢崎涼 入団当時のポジションは捕手
3 久保田桃子
8 志村亜貴子 女子野球日本代表主将
アサヒトラストから移籍
12 黒崎はるか
19 千葉愛希 2022年度入団
88 清水優花 2020年度まで尚美学園大学でプレー
大学からの卒業を機に移籍

過去の所属選手

  • 吉田麻優内野手◎(右投右打、2020年度のみ)
  • 小野あゆみ投手◎(右投右打、2020年度~2021年度)
  • 早﨑優菜投手(右投右打、2021年度のみ)
  • 森田裕美内野手◎(右投右打、2020年度~2021年度)
  • 山下来夢内野手◎(右投左打、2020年度~2021年度)
  • 今愛沙内野手(右投右打、2021年度のみ)
  • 中村美羽外野手◎(右投左打、2020年度~2021年度)

関連項目

脚注

  1. ^ a b 12球団初!プロ野球チーム名を冠にした埼玉西武ライオンズ公認の女子野球チーム「埼玉西武ライオンズ・レディース」が4月に誕生!”. 埼玉西武ライオンズ (2020年1月16日). 2020年1月18日閲覧。
  2. ^ a b c d 埼玉西武ライオンズ・レディース誕生 4.1活動予定 女子野球クラブ初のNPB冠名”. スポーツニッポン (2020年1月17日). 2020年1月19日閲覧。
  3. ^ a b c 【女子野球】新谷監督「野球をしている子、これからの子の夢に」ライオンズ・レディース誕生”. スポーツ報知 (2020年1月17日). 2020年1月20日閲覧。
  4. ^ 【女子野球】ヴィーナスリーグの今季開催が中止、代替大会を開催へ”. スポーツ報知 (2020年6月29日). 2020年6月29日閲覧。
  5. ^ 西武レディース 埼玉県加須市と連携協定締結式 新谷監督「新しい流れを」”. スポーツニッポン (2020年7月17日). 2020年12月3日閲覧。
  6. ^ 埼玉西武ライオンズ・レディースが初出場初優勝 女子硬式クラブの頂点に”. FullCount (2020年10月31日). 2020年12月3日閲覧。
  7. ^ a b 「女の子の憧れのチームに」創設から6か月で関西制覇、阪神Womenの“野望””. Full-Count(フルカウント) ― 野球ニュース・速報・コラム ―. 株式会社Creative2 (2021年8月1日). 2021年8月13日閲覧。

外部リンク