図形譜
図形譜(ずけいふ)とは、五線譜ではなく、自由な図形などを用い書かれた楽譜。モートン・フェルドマンの発案による。 現代音楽の作曲現場でしばしば使われる。図形楽譜とも呼ばれる。
概要
五線譜では表現しきれない新しい音楽を創造する手段として、あるいは既成の概念を打ち壊す作業の一環として現代音楽作曲家が競って図形譜による作曲を試みた。ジョン・ケージなどによる偶然性が関与する「不確定性の音楽」あるいは、伝統的な西洋音楽の価値観を覆す偶然性を音楽に用いる手段ともされた。
図形や、文字、絵画なども使用され、ときには旧来の音符や五線譜も使われる。線が複雑に交錯したり、ときには時の経過も左から右と限ったわけでなく、あるいは天地左右もなく自由自在に書かれる。
このため、演奏家の解釈により2度と同じものにはならない場合が多く、即興性が高くなる。また楽器の使用も指定されないものもある。
デスワルツが、前衛の時代の図形譜のパロディを試み、インターネット上で話題になることもあった。
図形譜を用い作曲した作曲家
以下のような作曲家がいる。
- 武満徹(1930年 - 1996年)- 『ピアニストのためのコロナ(Corona for Pianist(s)』(1962年)が知られる。
- ジョン・ケージ(John Cage)(1912年 - 1992年)
- オノ・ヨーコ(Yoko Ono)(1933年-)
- シルヴァーノ・ブッソッティ(Sylvano Bussotti)(1931年-)
- エルヴィン・シュルホフ(Ervin Schulhoff)(1894年 - 1942年)
- ディーター・シュネーベル(Dieter Schnebel)(1930年-)
- ニコス・スカルコッタス(Nikos Skalkottas)(1904年 - 1949年)
- エイトル・ヴィラ=ロボス