南西ドイツ放送交響楽団

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南西ドイツ放送交響楽団(ドイツ語:SWR Sinfonieorchester Baden-Baden und Freiburg、英語:Southwest German Radio Symphony Orchestra; SWR Baden-Baden and Freiburg Symphony Orchestra; SWR Symphony Orchestra)は、ドイツバーデン=バーデンおよびフライブルク・イム・ブライスガウに本拠を置く南西ドイツ放送所属のオーケストラである。

1946年2月1日、新設された南西ドイツ放送(厳密には現在の同名の放送局とは異なる、略称SWF)所属のオーケストラとして設立された。当時、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者であったハンス・ロスバウトを迎え、現代音楽を演奏することを重要な目的とした演奏活動を行う。特に、1950年より出演しているドナウエッシンゲン音楽祭において重要な役割を果たし、この音楽祭での世界初演曲は今日までに400曲以上にも上る。1950年代にはストラヴィンスキーが幾度かにわたり自作を指揮、またブーレーズがロスバウトの代役で指揮台に上り、指揮者としての本格的なキャリアをスタートさせたのもこの時期である。

ロスバウトの後にも現代音楽を得意とする指揮者を首席指揮者に迎えており、現代音楽の演奏で大変有名という珍しいオーケストラの伝統は現在でも続いている。

正式名称に2つの地名が入っているが、1996年に新しいフライブルクのコンサートホールが完成し、主要な演奏会をそのホールで行うようになったため、名称にフライブルクを付け加えられるようになったものである。ちなみに現在では、定期演奏会と特別演奏会が催されているのはフライブルクのみである(南西ドイツ放送主催の定期演奏会がシュトゥットガルト放送交響楽団との持ち回りでマンハイムでも行われている)。

現在は シルヴァン・カンブルランを首席指揮者、前任のミヒャエル・ギーレン、そしてハンス・ツェンダーを首席客演指揮者に迎え、現代音楽のみならず幅広いレパートリーをカバーした活動を行っている。また録音の分野でも、ヘンスラー・クラシックが母体の南西ドイツ放送と2000年5月に設立した新レーベルFaszination Musikから、カンブルランのベルリオーズメシアン、ツェンダーの作品集、「ディアギレフロシア・バレエ団の音楽」シリーズ、ギーレンのバルトーク作品集、ブラームスマーラーの交響曲全集、ツェンダーのシューベルト交響曲全集など、数多くのCDをリリースしている。以前にもインターコード・レーベルからギーレンのベートーヴェン交響曲全集など、数多くの録音が発売させていたが、マーラー、ブルックナーなど一部の録音は、現在ヘンスラーFaszination Musikから発売されている物と同じ音源である。

2008年/2009年のシーズンには客演指揮者として大野和士佐渡裕の2人の日本人指揮者が初登場するのも注目されている。

首席指揮者

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