ハンス・ツェンダー

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ハンス・ツェンダーHans Zender, 1936年11月22日 - )は、ドイツ指揮者作曲家

略歴[編集]

ヴィースバーデンの生まれで、フランクフルトの音楽大学ピアノを学んで後、フライブルク音楽大学ヴォルフガング・フォルトナーに作曲を学ぶ。当地のオペラ・ハウスコレペティートルの後、ボン市立劇場キール劇場ハンブルク国立歌劇場などの音楽総監督を歴任。過去にNHK交響楽団東京都交響楽団に客演したり、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団などで尹伊桑などの初演などを多く手がけ、バイロイト音楽祭にもホルスト・シュタインと交代でワーグナーの『パルジファル』を指揮。

後に自作をモルティエ時代のザルツブルク音楽祭で指揮したが、現代音楽祭をもはじめて創始したザールブリュッケン放送交響楽団のシェフを勤めた後、フリーの指揮者の傍ら作曲活動を活発化した。現在、ミヒャエル・ギーレンと共にバーデンバーデン・フライブルクSWR交響楽団の首席客演指揮者。フライブルクに住むが、最近のシーズンでは読譜の際の視力の悪化で主席客演指揮者を辞退している。

指揮[編集]

シューベルトシューマンマーラードビュッシーなどを良く指揮している。ツェンダーの評価を確実なものにしたのはシェルシフェルドマンの作品解釈であり、特にシェルシ作品の高レヴェルな指揮はスイス人指揮者兼作曲家のユルク・ヴィッテンバッハの解釈と双璧である。

作曲[編集]

作曲家としては、代表作に『無字の経』がある。東洋、特に日本の伝統文化に深い愛着を示し、宗教的には十字架観音像を一緒に自宅に祭るほど多神教的である。その書法はメシアンの単純明快なモザイク様式の考え方をいっそう徹底させ、新しい和声学をダルムシュタットで発表している。思想的にはローマで出会ったベルント・アロイス・ツィンマーマンの影響も見られるが、それとは全くタイプが違うラッヘンマンリゲティなどにも深い理解がある。最近では、シューベルト作『冬の旅』を編曲している。この編曲にもノイズの持続に比率を持ち込むなど、「現代的編曲」であることを強調している。シューマンの「幻想曲」のオーケストラ編曲も、この路線で行われた。

教育[編集]

近年は審査員活動の傍ら、多くの作曲の弟子を主にドイツ語圏に送り出している。