南アルプス号 (高速バス)
南アルプス号(みなみアルプスごう)とは、かつて東京都と長野県伊那市とを結んでいた昼行高速バス路線である。 この項目では2013年9月14日より運行している、中央本線茅野駅~林道バス営業所(仙流荘)を結ぶ路線バスについても記述する。
概要(高速バス)
JRバス関東では、支店ごとの独立採算性を重視しており、伊那支店(当時)においても東京発の高速バス路線の一部を担当していたため、営業便による東京支店までの乗務員送り込みという目的も兼ねて開設された路線で、開業当初はJRバス関東のみの会員制バスであった。JRバス関東としては、東京駅 - 松本バスターミナル間の「松本号」(1992年廃止)以来、久しぶりの「中央道方面かつJRバス関東エリアで完結する」高速バス路線であった。定期化後も沿線自治体からの増便の要望はあったが、乗車率がさほど高くなかったため、JRバス単独運行の期間は増便されず、沿線2社(伊那バス、京王電鉄バス)の参入により1日4往復に増便されたが、2007年には1日3往復に減便された。2009年7月31日の運行をもって廃止[1] [2]。
京王電鉄バスが参入している中央自動車道経由の高速バス路線であったが、JRバス関東主導の路線のため「中央高速バス」には含まれず(「中央高速バス」という呼び名は京王の登録商標のため、京王が幹事会社となる路線以外では使用できない)、「ハイウェイバスドットコム」での予約もできなかったが、JRバス各社が運営する「高速バスネット」での予約が可能で、「ネット割」も適用されていた。
伊那里、仙流荘、道の駅南アルプスむら、高遠さくらホテル、松島、伊北インター前に高速バス利用者専用の無料駐車場を用意していた。
概要(路線バス)
2013年9月14日より中央本線茅野駅から、南アルプス北沢峠の長野県側玄関口となる林道バス営業所(仙流荘)を直行で結ぶ路線バスの開業が、伊那市や伊那観光協会のサイトで発表された。
1日1往復の運行で、往路は新宿8:00発のスーパーあずさ5号に連絡し、茅野駅~林道バス営業所(仙流荘)を1時間30分で結ぶ。新宿から北沢峠までの所要時間は5時間40分。 復路は林道バス営業所を17:20に出発し、同様に茅野駅でスーパーあずさ32号に連絡する。北沢峠から新宿までの所要時間は5時間6分。途中バス停は一切ない直行バスとなる。
運賃は大人片道1700円。 林道バス営業所から南アルプス林道バスを北沢峠まで利用すると、日帰りでも2時間強の滞在が可能となる。
期間限定運行で2013年9月14、15、16、21、22、23日と9月28日~10月27日のみの運行となる。 また林道バス営業所(仙流荘)到着時には近隣施設(入野谷、仙流荘)の入浴、食事割引券が配布される。 記載されている連絡先などからジェイアールバス関東中央道支店が担当する模様。
運行会社
- ジェイアールバス関東(中央道統括支店)※運行当時
- 伊那バス(本社営業所)
- 京王電鉄バス
歴史
- 2001年4月1日 - 毎日運転の高速バス路線として開業。1日2往復。
- 新宿駅新南口 - (境川PAで休憩) - 守屋登山口 - 伊那藤沢 - 健老橋 - JRバス高遠駅 - 高遠さくらホテル - 道の駅南アルプスむら - 伊那美和 - 仙流荘(2号を除く)/戸台口(2号のみ) - 伊那里
- JRバスの単独運行であった頃は、下り便に限り守屋登山口~伊那里間では、途中の一般路線バスのバス停で降車を扱っていた。
- 運行開始当初は、「ドリームふくふく号」を中国JRバスへ移管したことで余剰となっていた3列シートのボルボ・アステローペを使用していた。伊那支店から東京支店に管理委託という扱いになっていたので、足立ナンバーのまま(同車は2008年3月現在松本ナンバーとなっている)。
- 新宿駅新南口 - (境川PAで休憩) - 守屋登山口 - 伊那藤沢 - 健老橋 - JRバス高遠駅 - 高遠さくらホテル - 道の駅南アルプスむら - 伊那美和 - 仙流荘(2号を除く)/戸台口(2号のみ) - 伊那里
- 2002年12月20日 - 時刻改正。バス停追加(中央道三鷹、中央道府中、中央道日野、荒町)。
- 2002年にボルボ車は他線へ転用となったため、やはり余剰車の中から、元「ドリーム号」に使用していた3列シートのエアロクィーンMを使用していた。この車両は正式に伊那支店所属となっており、松本ナンバーであったが、1台は東京支店常駐となっており、通常運用では伊那支店には入庫しなかった。
- 2004年7月16日 - バス停追加(中央道深大寺)。
- 2005年6月1日 - 伊那バス・京王電鉄バスが参入の上1日4往復に増便、以下の経路に変更となる。
- 2006年4月1日 - この日の乗車分よりみどりの窓口での発売を終了。
- 2006年6月1日 - 経路変更により、以下の経路に変更となる。
- 新宿駅新南口 - 中央道三鷹 - 中央道深大寺 - 中央道府中 - 中央道日野 - 中央道八王子 - (双葉SAで休憩) - 伊北インター - 松島(ジャスコ箕輪店前) - 塩ノ井(伊那バス・塩ノ井バス停) - 南殿(伊那バス・JA南箕輪前) - 伊那双葉(ニシザワショッパーズ双葉店前) - 中央区三丁目 - 信州伊那自動車教習所前(JRバス・伊那バス下川手バス停) - 美篶 - 年町 - JRバス高遠駅 - 高遠さくらホテル - 道の駅南アルプスむら※ - 伊那美和※ - 戸台口※ - 仙流荘※ - 伊那里※
- 伊那里まで入る(※印)のは、3往復中1往復(期間運行)。他は高遠さくらホテル止まり。尚、伊那里まで入る便は京王が担当になっている。
- 松島は、南アルプス号専用のバス停で、一般路線のバスは経由しない。但し、箕輪町地域振興バスのみのちゃんバスはジャスコ箕輪店内に停車する。
- 新宿駅新南口 - 中央道三鷹 - 中央道深大寺 - 中央道府中 - 中央道日野 - 中央道八王子 - (双葉SAで休憩) - 伊北インター - 松島(ジャスコ箕輪店前) - 塩ノ井(伊那バス・塩ノ井バス停) - 南殿(伊那バス・JA南箕輪前) - 伊那双葉(ニシザワショッパーズ双葉店前) - 中央区三丁目 - 信州伊那自動車教習所前(JRバス・伊那バス下川手バス停) - 美篶 - 年町 - JRバス高遠駅 - 高遠さくらホテル - 道の駅南アルプスむら※ - 伊那美和※ - 戸台口※ - 仙流荘※ - 伊那里※
- 2007年3月16日 - 1往復減便(JRバス関東担当便)、1日3往復となる。
- 2009年7月31日 - この日の運行をもって廃止。
- 2013年9月14日 - 別路線の茅野駅~林道バス営業所(仙流荘)の路線バスとして運行開始。
その他
脚注
- ^ “南アルプス号(新宿駅~高遠・伊那里)路線廃止について 7/31(JRバス関東公式リリース)”. 2009年6月23日閲覧。
- ^ “高速バス 高遠・新宿線「南アルプス号」廃止のお知らせ(伊那バス公式リリース)”. 2009年6月23日閲覧。
- ^ 京王電鉄バスプレスリリース「新宿・高遠 連絡きっぷ を発売開始!」(2009年9月10日)
関連項目
同様に乗務員送り込みを目的として開設された路線
- 上州名湯めぐり号…長野原支店担当。
- 房総なのはな号…館山支店担当。
- もみじ号…西那須野支店が担当していたが、2013年9月現在は「那須・塩原号」として佐野支店が担当。
- マロニエ新宿号…宇都宮支店担当が担当していたが、現在は佐野支店が担当。