亀本洋

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亀本 洋(かめもと ひろし、1957年12月15日[1]- )は、日本の法学者京都大学教授。専門は法哲学

人物

主要な研究テーマは、ジョン・ロールズの格差原理に関する研究、及びロールズを批判するデザート論者の見解、現代正義論の一勢力としてのデザート論者の諸見解についての研究である[2]。法哲学の教科書として公刊した『法哲学』(成文堂,2011年)は、全体を通じて古典注釈判例原文読解の方法を駆使しつつ、経済学への理解をもとに経済フォーラム論を展開(第6章・第7章)しており、白鴎大学教授の阿部信行によって「重厚かつユニークな法哲学(教科)書」と評される[3]

略歴

  • 1957年 - 山口県厚狭郡山陽町に生まれる
  • 1981年 - 京都大学法学部卒業
金沢大学法学部助教授早稲田大学法学部助教授、同教授を経て

著作

単著

共著

編著

共訳

論文

  • 「『公正としての正義・再説』における格差原理の正当化」(樋口陽一森英樹高見勝利辻村みよ子編『国家と自由―憲法学の可能性』55-77頁,日本評論社,2004年)
  • 「格差原理は互恵性の観念を含むのか」(田中成明編『現代法の展望―自己決定の諸相』333-367頁,有斐閣,2004年)
  • 「レトリックとしての「法と経済学」―R・P・マーロイ『法と市場経済』の紹介(3)」(『法学論叢』156巻2号65-76頁,京都大学法学会,2004年)
  • 「格差原理にかなった分配ルールはどのようにして作成されるのか」(『法学論叢』156巻5・6号271-281頁,京都大学法学会,2005年)
  • 「格差原理とはどのような原理か」(『思想975号』(2005年7月号)147-168頁,岩波書店,2005年)
  • 「法制定の重み」(林信夫佐藤岩夫編『法の生成と民法の体系―無償行為論・法過程論・民法体系論 広中俊雄先生傘寿記念論集』575-609頁,創文社,2006年)
  • 「一般条項について―広中俊雄教授の民法解釈方法論覚書(その2)―」(『法学論叢』160巻3・4号114-133頁,京都大学法学会,2007年)
  • 「法哲学教育の標準化」(日本法哲学会編『法哲学と法学教育―ロースクール時代の中で―法哲学年報2006』115-127頁,有斐閣,2007年)
  • 「R・ノージックの最小国家論に関する注釈―独立人への賠償はどのようにしてなされるのか―」(高等研報告書『国際比較からみた日本社会における自己決定と合意形成(研究代表者:田中成明)』103-136頁,国際高等研究所,2007年)
  • 「ロナルド・コースのリアリズム経済学―コース理論の検討のための覚書」(『法学論叢』164巻1~6号134-146頁,京都大学法学会,2008年)
  • 「法、法学と経済学―コースの理論を手がかりにして」(日本法哲学会編『法と経済―制度と思考法をめぐる対話―法哲学年報2008』79-95頁,有斐閣,2009年)
  • 「ホーフェルド図式の意味と意義」(『法学論叢』166巻6号68-93頁,京都大学法学会、2010年)
  • 「スンマとシステム――法学的思考と経済学的思考の比較――」(高等研報告書『スンマとシステム―知のあり方』9-35頁,国際高等研究所,2011年)
  • 「格差原理に対するデザート論者からの批判」(『法学論叢』170巻4・5・6号167-211頁,京都大学法学会,2012年)
  • "Responsibility of the Planner,"(森際康友瀧川裕英編"Judicial Minimalism-For and Against", Franz Steiner Verlag, 2012年)
  • 「ロールズ『正義論』におけるOP曲線の意味」(樋口陽一・森英樹・高見勝利・辻村みよ子・長谷部恭男編『国家と自由・再論』95-113頁,日本評論社,2012年)
  • "How Should Legal Philosophers Make Use of Economic Thinking: Implications of R. H. Coase's Economic Theory"(ウルフリット・ノイマン他編"Law, Science, Technology"65-70頁, Franz Steiner Verlag, 2013年)
  • 「現代正義論における正義の概念」(高等研報告書『法と倫理のコラボレーション(研究代表者:服部高宏)』51-64頁,国際高等研究所,2013年)
  • 「ハーサニ対ロールズ論争の争点」((平野仁彦・亀本洋・川濵昇)『現代法の変容』469-503頁,有斐閣,2013年)
  • 「裁判と科学の交錯」(亀本洋編『法と科学の交錯』,岩波書店,2014年)
  • 「明文に反するように見える法解釈ーー民事再生法における銀行による手形取立金の銀行債権への充当の可否をめぐる裁判例を素材に」(『千葉大学法学論集』1729巻1・2号9-83頁,2014年)
  • 「道徳的偶然の是正―スピゲルバーグ、ロールズ、サドゥルスキの平等論とデザート論―」(『法学論叢』172巻4・5・6号160-219頁,京都大学法学会,2013年)
  • 「ファインバーグのデザート論」(『法の理論32』,成文堂,2013年)
  • 「R・ドゥオーキンの「資源の平等」論を真剣に読む」(『法学論叢』176巻2・3号62-172頁,京都大学法学会,2014年)
  • 「運平等主義の問題点ーーサミュエル・シェフラーの見解の紹介」(『法学論叢』176巻5・6号102-143頁,京都大学法学会,2015年)
  • 「R・ドゥオーキンの「厚生の平等」論を真剣に読む(一)」(『法学論叢』177巻2号1-20頁,京都大学法学会,2015年)
  • 「R・ドゥオーキンの「厚生の平等」論を真剣に読む(二)」(『法学論叢』177巻3号1-20頁,京都大学法学会,2015年)
  • 「R・ドゥオーキンの「厚生の平等」論を真剣に読む(三)」(『法学論叢』177巻4号1-32頁,京都大学法学会,2015年)
  • 「R・ドゥオーキンの「厚生の平等」論を真剣に読む(四)・完」(『法学論叢』177巻5号1-30頁,京都大学法学会,2015年)

学会発表・講演等

  • 「格差原理をめぐる諸問題:格差原理は格差縮小の要求を含むのか」(京都大学法学会春季学術講演会,2003年4月24日,京都大学)
  • 「法哲学教育の標準化」(日本法哲学会学術大会・統一テーマ報告,2006年11月26日,青山学院大学
  • 「プランナーの責任」(第9回神戸レクチャー京都セミナー,2008年6月9日,京都大学)
  • 「法、法学と経済学」(日本法哲学会学術大会・統一テーマ報告,2008年11月23日,学習院大学)
  • "How Sould Legal Philosophyers Make Use of Economic Thinking: Implications of R. H. Coase's Economic Theory"(the 25th World Congress of the International Association for Philosophy of Law and Social Philosophy,2011年8月17日)
  • 「法を事実に当てはめるのか、事実を法に当てはめるのか」(日本法哲学会学術大会・統一テーマ報告,2013年11月17日,駒澤大学)

その他

  • 「ヨンパルト先生から学んだこと」(『法の理論28』223-238頁,成文堂,2009年)
  • 大庭健編集代表『現代倫理学事典』(弘文堂,2012年)の項目執筆:担当項目「生ける法」「裁判/司法」「妥当性/実効性」「リーガリズム」「ブラックストーン」「ダンカン・ケネディ」「ジョン・フィニス」「スカンジナビア・リアリズム」
  • 「法哲学という学問ー阿部信行氏による書評への返答」(『法の理論32』,成文堂,2013年)

学内での活動[4]

  • 人権委員会委員(2008年11月1日〜2011年3月31日)
  • 外国人留学生奨学金等選考委員会委員(2009年4月1日〜2013年3月31日)
  • 国際法政文献資料センター長(2015年4月1日〜2017年3月31日)

学外での活動[5]

  • 日本法哲学会理事(1995年11月より)

脚注

外部リンク