レベリオン・R13
カテゴリー |
ルマン・プロトタイプ1 (LMP1) | ||||||||||
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コンストラクター | オレカ | ||||||||||
先代 | レベリオン・R-One | ||||||||||
主要諸元 | |||||||||||
シャシー | カーボンファイバー コンポジット モノコック | ||||||||||
サスペンション(前) | ダブルウィッシュボーン式サスペンション, プッシュロッド operated over ダンパー | ||||||||||
サスペンション(後) | ダブルウィッシュボーン式サスペンション, プッシュロッド operated over ダンパー | ||||||||||
全長 | 4,645 mm (183 in) | ||||||||||
全幅 | 1,895 mm (75 in) | ||||||||||
全高 | 1,045 mm (41 in) | ||||||||||
トレッド |
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ホイールベース | 2,905 mm (114 in) | ||||||||||
エンジン | ギブソン GL458[1] 4.5L V8 NA ミッドシップ, 縦置き | ||||||||||
トランスミッション |
エクストラック 6速 シーケンシャル エクストラック Viscous mechanical locking differential | ||||||||||
出力 | 670 bhp (679 PS; 500 kW) | ||||||||||
重量 | 833kg (1836.5 lb) | ||||||||||
燃料 | トタル | ||||||||||
タイヤ | ミシュラン | ||||||||||
主要成績 | |||||||||||
チーム |
レべリオン R13 レベリオン・レーシング アルピーヌ A480 アルピーヌ・エルフ・マットムート | ||||||||||
初戦 | 2018年 スパ・6時間 | ||||||||||
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レべリオン・R13は、スイスを拠点とするチーム、レべリオン・レーシングとフランスのコンストラクター、オレカが製造したル・マン・プロトタイプである。[2]オレカ・07をベースに、LMP1クラスに参戦する為に製作されたバリエーションモデル。その後2021,22年に、ル・マン・ハイパーカー(LMH)クラスに特例で参戦可能となった際、同シーズンに参戦するアルピーヌによってアルピーヌ・A480に名称が変更された。[3]こちらについても記述する。
レース戦績
2018-19年シーズン
R13は2018-19年のFIA 世界耐久選手権(WEC)でデビューした。シーズン中、2018年のシルバーストン6時間レースで優勝とファステストラップを達成し[4]、2018年の富士とル・マン24時間レースの両方で表彰台を獲得し、シーズンで合計6回の表彰台を獲得した。レべリオンは134ポイントでLMP1クラスの2位で終了し、R13はノンハイブリッド車の中ではトップとなった。
2019-20年シーズン
2019-20年シーズンは、レべリオンはフルシーズン参戦を1台に減らした。メネゼス、ナト、セナがドライブする1号車で、ヨーロッパの一部のレースに2台目となる3号車が参戦する。[5]3号車は、2019年のシルバーストン4時間レースで3位、2020年のル・マン24時間レースで4位となったが、これらの結果はチャンピオンシップにはカウントされず、1号車のみがポイントの対象となった。
今シーズン、WECはハイブリッド車であるトヨタ・TS050 HYBRIDと、ノンハイブリッド車であるR13と、ジネッタ・G60-LT-P1のパフォーマンスを同等にすることを目的として、チャンピオンシップでの結果に応じて車のパフォーマンスを低下させるサクセス・ハンディキャップを導入した。このシステムにより、R13はTS050との競争力が高まり、1号車は上海とオースティンで2勝を挙げた。上海ではレベリオンはWEC史上、総合でポールポジションを獲得した最初のプライベーターチームとなった。これは、シーズン中にR13が獲得した4連続のポールポジションの始まりであり、残りはバーレーン、オースティン、スパだった。またオースティン、スパ、ル・マンでシーズン中に3回のファステストラップを記録。トヨタがル・マンでLMP1のチームタイトルを獲得した後、レべリオンはバーレーンでの最終戦をキャンセル。その結果、145ポイントで2位に終わり、参戦したシーズン7ラウンド全てで表彰台を獲得した。
アルピーヌ・A480
WEC 2019-20年シーズンはLMP2クラスに出場した、シグナテック・アルピーヌが、新たなステップアップで翌年から始まるル・マン・ハイパーカー(LMH)クラスに、2021,22年に限りノンハイブリッドLMP1マシンが参戦できる特例を使って、アルピーヌのバッジネームを付けたレベリオン・R13で参戦という報道があり、[6]その後アルピーヌによって発表された。[7] 2021年1月21日、2021年WECのエントリーリストが発表され、アンドレ・ネグラオがドライバーの1人として発表され、マシン名はアルピーヌ・A480に名前が変更された。[8]残りの2人は1月26日に発表され、ニコラ・ラピエールとマシュー・バキシビエールが加わった。[9]ラピエールは2017年のWECにてトヨタから参戦して以来の最高峰クラス復帰、ネグラオとバキシビエールは初めての最高峰クラス参戦となった。
初期のLMHルールは2020年LMP1マシンよりも低いパフォーマンスを目標としており[10]、サルト・サーキットのラップが約10秒遅くなるよう、以下の大幅な変更を加える必要があった。
- シーズンを通してすべてのサーキットで、単一のエアロキット(ル・マンに焦点を当てた「ローダウンフォースキット」)を使用する。
- クラスの参戦する車の同等性を確保する為、新たにハイパーカークラスのバランスオブパフォーマンス(BoP)の設定。
さらに、ホモロゲーションを満たすために燃料タンクを変更する必要は無かったが、シャーシ内の燃料容量は元々LMP2ルールの75Lに設計されていた[11]。しかしLMHマシンの規定燃料タンクは90Lだった。A480のBoP燃料制限はサルト・サーキットを12周走行できるよう設定されていたが、この許容燃料を小さいタンクに物理的に収めることはできず、オレカもホモロゲーションと互換性のある回避策を見つけることができなかった[12]。結果トヨタと比較してピットストップが多く必要となった。
2021年
2021年シーズンの出場チームのシーズン前テストであるスパでのプロローグに先立って示されたBoPの結果、アルピーヌ・A480の車量は930kgに増加し、ピーク出力は603bhp(450kW)に減少した。[13]この変更はLMP1カーのパフォーマンスを、ハイパーカー規定に従って製造された、トヨタ・GR010 HYBRIDのレベルまで下げることを目的としていた。
アルピーヌは、6レース全てで表彰台を獲得し、ポルティマオ8時間でポールポジションとファステストラップを記録、128ポイントを獲得し、LMHクラス2位に終わった。
2022年
2022年2月16日、アルピーヌはラピエール、ネグラオ、バキシビエールの前年と同じドライバーラインナップを発表した[14]。
世界耐久選手権のリザルト
太字の結果はポールポジションを示している。イタリック体の結果は、ファステストラップを示す。
年 | チーム | クラス | ドライバー | No. | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | Points | Pos |
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2018–19 | レベリオン・レーシング | LMP1 | SPA | LMN | SIL | FUJ | SHA | SEB | SPA | LMN | 1341 | 2nd | ||
ニール・ジャニ | 1 | DSQ | 4 | 2 | 3 | 4 | Ret | 5 | 4 | |||||
ブルーノ・セナ | DSQ | 4 | WD | 3 | 4 | Ret | 5 | 4 | ||||||
アンドレ・ロッテラー | DSQ | 4 | 2 | 3 | 4 | 5 | 4 | |||||||
マティアス・ベシェ | Ret | |||||||||||||
トーマス・ローラン | 3 | 3 | 3 | 1 | Ret | 5 | 7 | 2 | 5 | |||||
グスタヴォ・メネゼス | 3 | 3 | 1 | Ret | 5 | 7 | 2 | 5 | ||||||
マティアス・ベシェ | 3 | 3 | 1 | Ret | 5 | |||||||||
ナタナエル・ベルトン | 7 | 2 | 5 | |||||||||||
2019–20 | レベリオン・レーシング | LMP1 | SIL | FUJ | SHA | BHR | COA | SPA | LMN | BHR | 1452 | 2nd | ||
グスタヴォ・メネゼス | 1 | 9 | 3 | 1 | 3 | 1 | 3 | 2 | ||||||
ノーマン・ナト | 9 | 3 | 1 | 3 | 1 | 3 | 2 | |||||||
ブルーノ・セナ | 9 | 3 | 1 | 3 | 1 | 3 | 2 | |||||||
ナタナエル・ベルトン | 3 | 3 | 4 | |||||||||||
ピポ・デラーニ | 3 | |||||||||||||
ロイック・デュバル | 3 | |||||||||||||
ルイ・デレトラズ | 4 | |||||||||||||
ロマン・デュマ | 4 | |||||||||||||
2021 | アルピーヌ・エルフ・マットムート (アルピーヌ・A480) |
ハイパーカー | SPA | POR | MNZ | LMN | BHR | BHR | 128 | 2nd | ||||
ニコラ・ラピエール | 36 | 2 | 3 | 2 | 3 | 3 | 3 | |||||||
アンドレ・ネグラオ | 2 | 3 | 2 | 3 | 3 | 3 | ||||||||
マシュー・バキシビエール | 2 | 3 | 2 | 3 | 3 | 3 |
1 各メーカーの最高位のみがポイントを獲得する。
2 フルシーズンエントリーを行う1号車の結果のみが順位にカウントされる。
*は進行中のシーズン
参照
脚注
- ^ “Gibson signe un contrat avec REBELLION Racing et ORECA pour la Super Saison 2018/2019”. franceracing.fr (2018年2月15日). 2018年2月27日閲覧。.
- ^ “ORECA Confirm Rebellion R13 Moniker For New LMP1 Contender – dailysportscar.com”. www.dailysportscar.com. 2020年8月26日閲覧。
- ^ “アルピーヌ、WECハイパーカークラスに参戦するノンハイブリッドLMP1マシン『A480』を公開”. autosport web. 2021年3月17日閲覧。
- ^ 本来の優勝はトヨタ・ガズー・レーシングの8号車だったが、スキッドブロックの違反により失格となったため、3号車が繰り上がりで優勝となった。
- ^ Gary Watkins (2019年7月17日). “Rebellion set to slim down to single WEC entry for 2019/20”. motorsport.com. 2021年4月24日閲覧。
- ^ John Dagys (2020年9月10日). “Report: Signatech Alpine to LMP1 for 2021”. sportscar365.com. 2021年1月21日閲覧。
- ^ “ALPINE ENDURANCE TEAM CONFIRMS LMP1 ENTRY FOR 2021 FIA WEC SEASON”. FIA. (2020年9月14日) 2021年1月21日閲覧。
- ^ “2021 FIA WEC Entry List Revealed”. FIA WEC. (2021年1月21日) 2021年1月21日閲覧。
- ^ “Alpine Elf Matmut announces 2021 driver line-up”. FIA WEC (2021年1月26日). 2021年1月26日閲覧。
- ^ “WEC: Alpine LMP1 gets hefty weight increase for Spa opener” (英語). www.motorsport.com. 2022年3月10日閲覧。
- ^ “Alpine expects fuel mileage disadvantage for full WEC season” (英語). www.motorsport.com. 2022年3月11日閲覧。
- ^ “Alpine wants WEC BoP changes to ease fuel mileage concerns” (英語). www.motorsport.com. 2022年3月11日閲覧。
- ^ John Dagys (2021年4月23日). “Starting BoP Established for Hypercar, GTE Classes”. sportscar365.com. 2021年4月24日閲覧。
- ^ “アルピーヌ、2022年も体制継続。LMP1ノンハイブリッド車両でWECハイパーカー・クラスに参戦”. autosport web. 2022年2月19日閲覧。