メディアワークス文庫
メディアワークス文庫(メディアワークスぶんこ)は、アスキー・メディアワークスより2009年(平成21年)12月16日に創刊された文庫レーベル[1]。
概要
アスキー・メディアワークスおよび角川グループパブリッシングでは、これまでライトノベルをメインとしてきた同社の娯楽文庫レーベル「電撃文庫」より転換を図り、一般文芸に門戸を広げる。対象となる読者層は、一般文芸読者や、ライトノベルを卒業する人が中心となる。同時に、電撃小説大賞では、第16回より同賞の一部門として「メディアワークス文庫賞」を新設している[2]。発売日は毎月25日。 本文文字の大きさは電撃文庫に比べると大きくなっている。また、一般的な文庫とは違い、カラーの口絵が1枚挿入されている。(例外として『シアター!』『INNOCENT DESPERADO』は2枚入っている。)
キャッチコピーは、ずっと面白い小説を読み続けたい大人たちへ――
創刊ラインナップ
2009年(平成21年)12月16日、電撃文庫や電撃の単行本で活躍していた作家6人の作品と、新設された電撃小説大賞「メディアワークス文庫賞」受賞作2作品の計8作品で創刊された。
- 有川浩 - シアター!
- 入間人間 - 探偵・花咲太郎は閃かない
- 壁井ユカコ - カスタム・チャイルド ~罪と罰~
- 杉井光 - すべての愛がゆるされる島
- 古橋秀之 - 龍盤七朝 ケルベロス
- 渡瀬草一郎 - 陰陽ノ京 月風譚 黒方の鬼
- 有間カオル - 太陽のあくび - 第16回電撃小説大賞 メディアワークス文庫賞受賞作
- 野崎まど - 〔映〕アムリタ - 第16回電撃小説大賞 メディアワークス文庫賞受賞作
刊行リスト
同タイトル(または類似タイトル)で複数巻が刊行されるシリーズ作品については、刊行状況の項目に既刊数を示す(非シリーズ作品については何も表記しない)。完結している場合は、「全○巻完結」と示す。
著者 | タイトル | 刊行年月 | 刊行状況 | イラスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
あ行 | |||||
秋目人 | 騙王 | 2011年7月 | だん | ||
浅生楽 | 桃の侍、金剛のパトリオット | 2011年4月~2012年2月 | 全3巻完結 | 鳥羽和博 | |
浅葉なつ | 空をサカナが泳ぐ頃 | 2011年2月 | - | 第17回メディアワークス文庫賞 | |
浅葉なつ | 山がわたしを呼んでいる! | 2011年8月 | 方密 | ||
浅葉なつ | サクラの音がきこえる ~あるピアニストが遺した、パルティータ第二番ニ短調シャコンヌ~ | 2012年5月 | ミホシ | ||
雨宮諒 | 花の佳音 | 2012年4月 | - | ||
綾崎隼 | 蒼空時雨 | 2010年1月 | ワカマツカオリ | 第16回選考委員奨励賞 | |
綾崎隼 | 初恋彗星 | 2010年5月 | ワカマツカオリ | ||
綾崎隼 | 永遠虹路 | 2010年7月 | ワカマツカオリ | ||
綾崎隼 | 吐息雪色 | 2010年11月 | ワカマツカオリ | ||
綾崎隼 | ノーブルチルドレンシリーズ | 2011年6月~ | 既刊3巻 | ワカマツカオリ | |
綾崎隼 | INNOCENT DESPERADO | 2011年2月 | 秋赤音 | 秋赤音とのコラボレーション企画 | |
有川浩 | シアター! | 2009年12月〜 | 既刊2巻 | 大矢正和 | |
有川浩 | 有川浩脚本集 もう一つのシアター! | 2011年5月 | - | 劇脚本 | |
有間カオル | 太陽のあくび | 2009年12月 | - | 第16回MW文庫賞 | |
有間カオル | 死神と桜ドライブ | 2010年3月 | 田上俊介 | ||
有間カオル | めげないくんとスパイシー女上司 | 2010年8月 | おかざき真里 | ||
有間カオル | サムシング・フォー ~4人の花嫁、4つの謎~ | 2011年6月 | 上条衿・吉田ヨシツギ | ||
岩間昴道 | ソラの星 | 2012年1月 | 35 | ||
出海まこと | ロクモンセンキ | 2011年6月 | - | ||
入間人間 | “探偵・花咲太郎”シリーズ | 2009年12月〜 | 既刊2巻 | 左 | |
入間人間 | 六百六十円の事情 | 2010年5月 | 宇木敦哉 | デザイン:里見英樹 | |
入間人間 | バカが全裸でやってくる | 2010年8月~ | 既刊2巻 | デザイン:里見英樹 | |
入間人間 | 僕の小規模な奇跡 | 2011年5月 | 宇木敦哉・入間父 | デザイン:里見英樹 電撃の単行本の文庫化 | |
入間人間 | 昨日は彼女も恋してた | 2011年11月 | 左 | ||
入間人間 | 明日も彼女は恋をする | 2011年12月 | 左 | ||
入間人間 | 時間のおとしもの | 2012年1月 | 庭 | 短編集 | |
宇野朴人 | スメラギガタリ ~新皇復活篇~ | 2011年3月~ | - | きくらげ | |
エドワード・スミス | 侵略家庭教師星人ユーマ | 2012年2月 | トリ | 第18回メディアワークス文庫賞 | |
越前魔太郎 | 魔界探偵冥王星O ペインのP | 2010年6月 | KeG | 講談社ノベルス・電撃文庫との連動企画 | |
越前魔太郎 | 魔界探偵冥王星O トイボックスのT | 2010年8月 | 鉄雄 | 同上 | |
大坂翠 | 悪魔と小悪魔 | 2011年9月 | 平沢下戸 | ||
大坂翠 | 円周率殺人事件 | 2012年4月 | たかなししん | ||
か行 | |||||
海嶋怜 | たんぽぽのまもり人 | 2010年4月 | - | ||
柏葉空十郎 | ひとりぼっちの王様とサイドスローのお姫様 | 2010年2月〜 | 既刊2巻 | - | |
かたやま和華 | 不思議絵師 蓮十 | 2012年1月 | さやか | ||
壁井ユカコ | カスタム・チャイルド ~罪と罰~ | 2009年12月 | - | ||
北野勇作 | メイド・ロード・リロード | 2010年4月 | - | ||
北野勇作 | かめ探偵K | 2011年5月 | 華尾ス太郎 | ||
朽葉屋周太郎 | おちゃらけ王 | 2011年2月 | 久保いさこ | 第17回メディアワークス文庫賞 | |
朽葉屋周太郎 | 絶望センチメンタル | 2011年12月 | HERO | ||
朽葉屋周太郎 | 奇祭狂想曲 | 2012年3月 | 久保いさこ | ||
黒狐尾花 | 逢魔ヶ時あやいと倶楽部召喚少女の守護人形 | 2011年10月 | 甘塩コメコ | ||
紅玉いづき | ガーデン・ロスト | 2010年1月 | 上条衿 | ||
甲田学人 | 夜魔~怪~ | 2010年1月 | - | 電撃文庫との連作 | |
神野淳一 | アウター×トップ | 2012年5月 | 加藤アカツキ | ||
今野敏 | ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに | 2010年7月 | 天神英貴 | 上下巻同時刊行 | |
近藤信義 | ドッグオペラ | 2010年12月 | - | ||
さ行 | |||||
時雨沢恵一 | お茶が運ばれてくるまでに~A Book At Cafe~ | 2010年1月 | 黒星紅白 | ||
時雨沢恵一 | 夜が運ばれてくるまでに | 2010年12月 | 黒星紅白 | ||
時雨沢恵一 | 答えが運ばれてくるまでに~A Book Without Answers~ | 2011年12月 | 黒星紅白 | ||
静月遠火 | ボクらのキセキ | 2010年2月 | 古夏からす | ||
静月遠火 | 真夏の日の夢 | 2011年2月 | ミホシ | ||
柴村仁 | プシュケの涙 | 2010年2月 | 也 | 電撃文庫で発売された作品の新装版 | |
柴村仁 | ハイドラの告白 | 2010年3月 | 也 | 「プシュケの涙」の続編 | |
柴村仁 | セイジャの式日 | 2010年4月 | 也 | 「ハイドラの告白」続編で完結編 | |
柴村仁 | 4Girls | 2011年1月 | 也 | 電撃コラボレーション収録の2編に書き下ろしを加えたもの | |
杉井光 | すべての愛がゆるされる島 | 2009年12月 | - | ||
た行 | |||||
高畑京一郎 | キッドナップ・ブルース | 無期延期 | - | ||
鷹村庵 | ダーク・サイド 闇と光とクリスマス | 2010年3月 | むらたたいち | ||
高村透 | 逃げろ。 | 2011年12月 | スカイエマ | ||
高村透 | 金星で待っている | 2012年5月 | 川井マコト | ||
他嶋晋也 | 夢見る彼女の奇妙な愛情 | 2011年1月 | - | ||
田名部宗司 | シャロン 死者は神を語らない | 2012年3月 | 睦月ムンク | ||
寺本耕也 | 超能力者のいた夏 | 2010年6月 | - | ||
寺本耕也 | 沢木道楽堂怪奇録 はじまりのひとり | 2011年11月 | しずまよしのり | ||
土橋真二郎 | 殺戮ゲームの館 | 2010年3月 | - | 上下巻同時刊行 | |
土橋真二郎 | 生贄のジレンマ | 2010年9・10・12月 | - | 上中下巻 | |
な行 | |||||
永田ガラ | 観 ―KAN― | 2010年2月 | 鳥羽和博 | ||
永田ガラ | 舞王 ―MAIOU― | 2010年5月 | 鳥羽和博 | ||
永田ガラ | 夫恋―FUREN― | 2010年8月 | 鳥羽和博 | ||
永田ガラ | 信長の茶室 | 2011年3月 | - | 「歴史魂」掲載の小説 | |
永田ガラ | 秀吉の交渉人 ~キリシタン大名 小西行長~ | 2011年8月 | - | ||
仲町六絵 | 霧こそ闇の | 2011年5月 | ena | 第17回MW文庫賞 | |
仲町六絵 | 夜明けを知らずに ―天誅組余話― | 2012年5月 | 橋鶴亀 | ||
成田名璃子 | 月だけが、私のしていることを見おろしていた。 | 2012年2月 | 雨 | 第18回メディアワークス文庫賞 | |
西村悠 | 僕と彼女のギャルゲーな戦い | 2010年11月 | 夏生 | ||
西村悠 | 妄想ジョナさん。 | 2011年9月 | ふゆの春秋 | ||
野﨑まど | [映] アムリタ | 2009年12月 | 森井しづき | 第16回MW文庫賞 | |
野﨑まど | 舞面真面とお面の女 | 2010年4月 | - | ||
野﨑まど | 死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~ | 2010年10月 | hakus | ||
野﨑まど | 小説家の作り方 | 2011年3月 | - | ||
野﨑まど | パーフェクトフレンド | 2011年8月 | kashmir | ||
は行 | |||||
葉山透 | 0能者ミナト | 2010年2月~ | 既刊3巻 | kyo | |
範乃秋晴 | マリシャスクレーム -MALICIOUS CLAIM- | 2010年6月〜 | 既刊2巻 | - | |
範乃秋晴 | 鴨川貴族邸宅の茶飯事 恋する乙女、先斗町通二条上ル | 2012年6月予定 | - | ||
日比生典成 | めたもる。 | 2010年11月 | 尾谷おさむ | ||
菱田愛日 | 空の彼方 | 2010年1月〜10月 | 全3巻完結 | 菜花 | 第16回選考委員奨励賞 |
福本喬介 | 僕たちはドクターじゃない | 2012年5月 | しらび | ||
布施文章 | 思い出したくもない人生最悪の96時間 | 2010年9月 | - | ||
古橋秀之 | 龍盤七朝 ケルベロス | 2009年12月〜 | 既刊1巻 | 藤城陽 | |
峰月徹 | 君に続く線路 | 2010年2月 | - | ||
峰月徹 | 俺のコンビニ | 2010年8月~ | 既刊2巻 | - | |
峰月徹 | カエルの子は | 2011年11月 | 優 | ||
本田壱成 | ネバー×エンド×ロール ~巡る未来の記憶~ | 2012年6月予定 | - | ||
ま〜わ行 | |||||
マサト真希 | 江姫 -乱国の華- | 2011年4月~ | 3巻完結 | - | 「歴史魂」掲載の小説 |
牧野修 | 大正二十九年の乙女たち | 2011年4月 | - | ||
三上延 | ビブリア古書堂の事件手帖 | 2011年3月~ | 既刊2巻 | 越島はぐ | |
水鏡希人 | 憧憬の先にあるもの | 2010年6月 | 田上俊介 | ||
水沢あきと | 不思議系上司の攻略法 | 2010年11月~ | 既刊3巻 | 双 | |
水藤朋彦 | 砂上の剣 〜イーハの少年剣士〜 | 2011年7月 | KEG | ||
美奈川護 | 特急便ガール! | 2011年2月~ | 既刊2巻 | タナカミホ | |
美奈川護 | ドラフィル 竜ヶ坂商店街オーケストラの英雄 | 2012年3月 | 富岡二郎 | ||
八重野統摩 | 還りの会で言ってやる | 2012年6月予定 | - | ||
安彦薫 | 鉄バカ日誌 | 2010年7月~ | 既刊2巻 | - | |
山口幸三郎 | 探偵・日暮旅人シリーズ | 2010年9月~2011年10月 | 全4巻完結 | 煙楽 | |
山科千晶 | エンジェル・ウィスパー | 2010年9月 | - | 上下巻同時刊行 電撃の単行本作品の文庫化 | |
山田隆道 | 神童チェリー | 2011年11月 | 霜月えいと | ||
鷺宮だいじん | 合コンに行ったらとんでもないことがおこりました | 2011年10月 | えむかみ | ||
渡瀬草一郎 | 陰陽ノ京 月風譚 | 2009年12月〜 | 既刊2巻 | 酒乃渉 | |
渡瀬草一郎 | 源氏 物の怪語り | 2012年1月 | 酒乃渉 |
メディアワークス文庫賞
電撃小説大賞の一部門として2009年(第16回)にメディアワークス文庫賞が新設された。応募する部門が分かれているわけではなく、その他の賞とともにすべての応募作の中から選出される。電撃小説大賞は短編小説も募集しているため、短編小説がメディアワークス文庫賞を受賞する場合もある。
メディアワークス文庫賞を含む電撃小説大賞全体については「電撃小説大賞」のページを参照のこと。
年 | 受賞者 | タイトル | 刊行年月 | 備考 |
---|---|---|---|---|
2009年(第16回) | 野崎まど | [映] アムリタ | 2009年12月 | |
有間カオル | 太陽のあくび | 2009年12月 | ||
2010年(第17回) | 浅葉なつ | 空をサカナが泳ぐ頃 | 2011年2月 | |
朽葉屋周太郎 | おちゃらけ王 | 2011年2月 | ||
仲町六絵 | 典医の女房 【短編】[3] | 2011年5月 | 加筆の上『霧こそ闇の』として刊行 | |
2011年(第18回) | エドワード・スミス | 侵略教師星人ユーマ | 2012年2月 | |
成田名璃子 | 月だけが、私のしていることを見おろしていた。 | 2012年2月 |
脚注
- ^ 電撃文庫で育った大人たちに贈る「メディアワークス文庫」2009年冬に始動! (電撃オンライン、2008年11月6日付)
- ^ 新文庫レーベル「メディアワークス文庫」が2009年冬創刊! 電撃大賞に新部門も (電撃オンライン、2008年11月7日付)
- ^ 短編「典医の女房」はメディアワークス文庫公式サイトで公開されている。メディアワークス文庫 | 典医の女房 仲町六絵