ベーコン
ベーコン(Bacon)とは、豚肉を塩漬けして燻製にしたもの。本来は豚の半丸枝肉を塩漬けし燻煙したサイドベーコンだが、日本ではバラ肉の部位を用いたものを特にベーコンと言い、他の部位はロースベーコン、ショルダーベーコンなどと言う。なおモモ肉の部位はハムにし、ベーコンには加工しない。
名称
英語の bacon は、ゲルマン語から古フランス語経由で借用した語で、本来は背中の肉(ロース)を意味しており、おそらく back と語源的に関係がある[1]。本来のベーコンは背中や脇腹の肉を使用するもので、ヨーロッパでは実際にそうしているが、北アメリカでばら肉から作られるようになり、その習慣が日本にも伝わった。
製法
- 豚のバラ肉を血絞りする。
- 肉重量の3~6%の食塩と、砂糖・香辛料などの調味料を加え漬け置きする(塩せき)。
- 塩抜きをする。
- 燻煙する。
- ※工業的に安価に作る場合、燻煙に合わせて、燻液を使うこともある。
種類
日本では普通ベーコンはバラ肉を用いるが、ロース肉で作ったものをロースベーコン(カナディアンベーコン)、肩肉で作ったものをショルダーベーコンと言う。
利用
弱火でじっくりと焼くことで油が溶け出し、カリカリに揚がった状態になる。これはフライド・ベーコンと呼ばれ、ベーコンエッグやシチューなどにも使う。
そのほかにも具材兼調味料として
など、多面的に利用できる食材である。
その他
- 使用する肉は冷凍ではなく、新鮮なものを使った方が上等とされる。
- 量産される比較的安価な製品には、増量剤、保存料、防腐剤などのいずれか、あるいは複数が加えられているものが少なくない。
- 日本では鯨肉の畝須の部位を、鯨のベーコンと呼ぶ。昭和30~50年代初頭までは、豚肉のベーコン同様に一般的に食されていた。
- アメリカ合衆国では、脂肪分の多いバラ肉を用いるベーコンは1980年代以降の健康ブームで一時期敬遠され売り上げを落としたが、その後風味づけのための利用が見直され、また油脂による汚れを出さない調理法などの研究が進んだことから、ファーストフード店やレストランなどを起点に2000年代頃からブームが起きた[2]。
- アメリカ合衆国のユタ州では、2014年にベーコンを使って放火を試みるという事件が起きた[3]。
出典
- ^ Robert K. Barnhart, ed (1988). Chambers Dictionary of Etymology. Chambers. p. 79
- ^ logq_fa (2014年10月8日). “アイスや香水にまでなった「ベーコン」はなぜブームを起こしたのか?”. GIGAZINE. OSA. 2014年10月8日閲覧。
- ^ ニクい元カレの家をベーコン肉で放火した女が逮捕 excite.ニュース 2014年9月19日