コンテンツにスキップ

ブルーム (競走馬)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブルーム
欧字表記 Broome[1]
香港表記 波爾明[2][3]
品種 サラブレッド
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2016年2月8日[1]
Australia[1]
Sweepstake[1]
母の父 Acclamation英語版[1]
生国 アイルランドの旗 アイルランド
生産者 Epona Bloodstock Ltd
& Petaluma Bloodstock[1]
馬主 デリック・スミス
ジョン・マグナー夫人
マイケル・テイバー
松島正昭[1]
調教師 エイダン・オブライエン
アイルランドの旗 アイルランド
競走成績
生涯成績 39戦9勝[1]
獲得賞金 £2,137,500 [1]
WBRR L118 / 2021年[4]
勝ち鞍
G1 サンクルー大賞 2021年
G2 ムーアズブリッジS 2021年
G2 ハードウィックS 2022年
G2 ドバイゴールドC 2023年
G3 バリーサックスS 2019年
G3 愛ダービーTRS 2019年
G3 アレッジドS 2021年
Listed デヴォイS 2021年
テンプレートを表示

ブルームBroome2016年2月8日 - )はアイルランド競走馬[1]

クールモアグループと株式会社キーファーズ代表取締役社長である松島正昭との共同所有馬である。クールモアはグループ総帥のジョン・マグナーの妻であるスーザン・マグナー、ブックメーカー「アーサープリンス」元オーナーのマイケル・テイバー、同じくブックメーカー「ラドブロークス英語版」トレーディングディレクターのデリック・スミスによる共同所有の形を取っており、報道上では「クールモアとキーファーズの共同所有」とされるが正式な馬主の名義は「Derrick Smith, Mrs John Magnier, Michael Tabor & Masaaki Matsushima」の4者となる。

主な勝ち鞍は2021年サンクルー大賞、アレッジドステークス、ムーアズブリッジステークス2019年のバリーサックスステークス、愛ダービートライアルステークス2022年ハードウィックステークス2023年ドバイゴールドカップ

戦績

[編集]

2歳(2018年)

[編集]

クールモアに購買され、エイダン・オブライエン厩舎からデビュー。8月のゴールウェイ競馬場での未勝利戦で勝利し、2戦目で勝ち上がる。その後はレパーズタウン競馬場チャンピオンズジュヴェナイルステークス英語版2着、パリロンシャン競馬場ジャン・リュック・ラガルデール賞2着など、惜しいレースを続け2歳シーズンを終える。

3歳(2019年)

[編集]

始動戦となったバリーサックスステークス英語版ライアン・ムーアを背に、これまでのマイル戦から10ハロンへの距離延長で僚馬ソヴリンに8馬身差をつける大楽勝[5]。続くアイリッシュダービートライアルステークスでは道中手を抜く仕草を見せながらも、ドナカ・オブライエンが促すとたちまち反応し、2着のブレナムパレス、3着のソヴリンの僚馬2頭を従え快勝する[6][7]

この勝利でダービーステークスではクールモアの主戦であるムーアが騎乗する同じオブライエン厩舎のサードラゴネットに次ぐ2番人気に推されたが、これも同厩のアンソニーヴァンダイクが勝利、ブルームはサードラゴネット英語版ジャパン、マドムーンとの接戦の末に4着に敗れた[8]。更にアイリッシュダービーではスタートで出遅れてラビットと目されていたソヴリンに大逃げ勝ちを許し、6着に終わった[9]

その後、松島が共同所有者となったこともあり武豊を鞍上に凱旋門賞へ向かう予定だったが、体調が整わず回避、結果的に秋は全休となった[10]

4歳(2020年)

[編集]

明け4歳となった2020年コロネーションカップでアンソニーヴァンダイクとともに始動したが、ガイヤースの前に4着に敗れた[11]。秋に長距離G2ブリティッシュ・チャンピオンズ・ロングディスタンスカップに挑むも、13着と惨敗した。

5歳(2021年)

[編集]

始動戦のリステッド競走のデヴォイステークスを勝利。続くアレッジドステークスも勝利で2連勝とした[12]

さらにムーアズブリッジステークスで前年のメルボルンカップ勝ち馬トワイライトペイメント英語版を2馬身差で下して3連勝でG2初制覇[13][14]。その勢いで挑んだ愛G1タタソールズゴールドカップでは、早めに先頭に立って押し切りを図るも、ヘルヴィックドリームとの叩き合いになり最後で競り負けて2着に敗れた[15]。続くハードウィックステークスワンダフルトゥナイトをマークするも捉え切れず連敗した[16]

仏G1サンクルー大賞では外枠から果敢にハナを切りそのまま後続を引き連れて直線に向かい、最後は3番手から迫ってきたエベイラに1馬身差をつけ快勝。悲願のG1初制覇を果たした[17]

その後はキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスに出走。ゲートに失敗し気合にを付けてハナに立つも5頭立ての4着に敗れた[18]

秋の始動戦フォワ賞ディープボンドの2着。凱旋門賞は鞍上武豊で果敢に逃げるも11着に敗れた。

その後、アメリカ遠征を行いブリーダーズカップターフに参戦し、9番人気で出走。中団の後ろから先に抜け出して粘り込みを図るもユビアーの末脚に屈して惜しくも2着に敗れた[19]。さらに日本に遠征してジャパンカップに出走するも11着。香港ヴァーズ参戦の予定もあったが他馬に蹴られて骨折したため休養に入った。

6歳(2022年)

[編集]

故障明け初戦はタタソールズゴールドカップで始動して5着。続くハードウィックステークスでは大外枠からゲートを決め、他馬が内に寄せるなか横目に離れて坂を下り、コース最低地点のスウィンリーボトムが近づくと内に切り込みながらハナに行き、リードを保ちながら単騎で逃げて最後は2着に3馬身1/4差で鮮やかに逃げ切った[20]

その後、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスは5番人気4着、ソードダンサーステークスでは1番人気4着、アイリッシュチャンピオンステークス6番人気7着、凱旋門賞20番人気8着となった後[21]、11月のブリーダーズカップ・ターフは6着に終わる。武豊とのコンビで挑んだ暮れの香港ヴァーズは後方追走から向正面で早目に仕掛けるも直線で伸びきれず8着に沈んだ。

7歳(2023年)

[編集]

2月18日に行われたアミールトロフィー(L)で5着ののち、3月25日のG2ドバイゴールドカップでは中団で脚を溜め、直線で鋭く脚を伸ばすと先に抜け出したシスカニーとの競り合いをクビ差で制し、久々の勝利を収めた[22]。その後、5月19日のG2ヨークシャーカップでは1番人気に推されたが3着に敗退。6月22日のゴールドカップは10着、8月1日のグッドウッドカップは7着、8月25日のG2ロンズデールカップでは5着と精彩を欠いた。9月のドンカスターカップでは逃げ粘って3着と好走するも[23]、10月のG2ブリティッシュ・チャンピオンズ・ロングディスタンスカップは6着に沈んだ。3年連続の参戦となった11月4日のブリーダーズカップ・ターフで11着と殿負けを喫したのを最後に現役を引退。引退後はトルコで種牡馬入りする[24]

血統表

[編集]
ブルーム血統 (血統表の出典)
父系 サドラーズウェルズ系

Australia
2011 栗毛
父の父
Galileo
1998 鹿毛
Sadler's Wells Northern Dancer
Fairy Bridge
Urban Sea Miswaki
Allegretta
父の母
Ouija Board
2001 鹿毛
Cape Cross Green Desert
Park Appeal
Selection Board Welsh Pageant
Ouija

Sweepstake
Acclamation Royal Applause *ワージブ
Flying Melody
Princess Athena Ahonoora
Shopping Wise
母の母
Dust Flicker
Suave Dancer Green Dancer
Suavite
Galaxie Dust Blushing Groom
High Galaxie
母系(F-No.) Mustard系(FN:1-c)
5代内の近親交配 Ahonoora 5×4


脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l Broome | Race Record & Form. Racing Post. 2022年6月19日閲覧
  2. ^ 波爾明”. 香港賽馬會. 2024年7月24日閲覧。
  3. ^ BROOME”. 香港賽馬會. 2024年7月24日閲覧。
  4. ^ 国際競馬統括機関連盟 (IFHA) The LONGINES World's Best Racehorse Rankings”. 2022年1月26日閲覧。
  5. ^ 愛G3バリーサックスS、ブルームが8馬身差の圧勝でダービー有力候補に JRA-VAN Ver.World、2019年4月9日、2020年9月15日閲覧
  6. ^ Broome Stars in Derrinstown Clean Sweep for O'Brien BloodHorse(Tony O'Hehir/Racing Post and Robbie Wilders/Racing Post)2019年5月12日、2020年9月15日閲覧
  7. ^ 愛G3ダービートライアル、またもA.オブライエン厩舎のブルームが快勝 JRA-VAN Ver.World、2019年5月13日、2020年9月15日閲覧
  8. ^ 英ダービーはゴール前で大激戦、アンソニーヴァンダイクが半馬身差で戴冠”. JRA-VAN (2019年6月2日). 2019年6月4日閲覧。
  9. ^ 伏兵ソヴリンが大逃げ、愛ダービーで僚馬アンソニーヴァンダイクの快挙封じる JRA-VAN Ver.World、2019年6月30日、2020年9月15日閲覧
  10. ^ ブルーム 体調整わず凱旋門賞取り止め 武豊「大変残念」”. スポーツニッポン. 2019年12月5日閲覧。
  11. ^ 【英・コロネーションC】英平地G1開幕戦はガイヤースが逃げ切り、2着はダービー馬アンソニーヴァンダイク netkeiba.com、2020年6月6日、2020年9月15日閲覧
  12. ^ ブルームが愛G3を制覇”. 2021年5月16日閲覧。
  13. ^ キーファーズ共同所有 ブルームが愛G2を初制覇”. 2021年5月16日閲覧。
  14. ^ キーファーズ共同所有のブルーム、愛G2ムーアズブリッジSも制して3連勝”. JRA-VAN ver.World. 2022年6月19日閲覧。
  15. ^ ブルームのG1初制覇ならず、タタソールズGCはヘルヴィックドリームが競り勝ち”. JRA-VAN ver.World. 2022年6月19日閲覧。
  16. ^ キングジョージ前哨戦の英G2ハードウィックS、牝馬のワンダフルトゥナイトが完勝”. JRA-VAN ver.World. 2022年6月19日閲覧。
  17. ^ 松島氏が共同所有のブルーム、サンクルー大賞で待望のG1初制覇”. JRA-VAN ver.World. 2022年6月19日閲覧。
  18. ^ アダイヤーがキングジョージを完勝! 英ダービー馬として20年ぶりの同一年制覇”. JRA-VAN ver.World. 2022年6月19日閲覧。
  19. ^ BCターフはユビアーが豪快に差し切り、タルナワは反応できず思わぬ大敗”. JRA-VAN ver.World. 2022年6月19日閲覧。
  20. ^ ブルームが英G2ハードウィックSで昨年2着の雪辱、オブライエン師は重賞900勝を達成”. JRA-VAN ver.World. 2022年6月19日閲覧。
  21. ^ https://db.netkeiba.com/horse/2016190003/
  22. ^ 【ドバイゴールドC】ブルームがG1ホースの貫禄示すレコード勝ちJRA-VAN Ver world、2023年3月26日配信・閲覧
  23. ^ 7歳馬トゥルーシャンが健在アピール、英G2ドンカスターC制すJRA-VAN Ver world、2023年9月16日配信・閲覧
  24. ^ Broome Retired to Stud in Turkeybloodhorse.com、2023年12月17日配信・閲覧

外部リンク

[編集]