ブラックバイト
ブラックバイトとは、日本に存在するアルバイトのうち違法性のあるもの、つまり「ブラック企業のアルバイト版」である。
概要
ブラック企業になぞらえ、2013年(平成25年)に、中京大学国際教養学部の大内裕和教授が提唱した。これは、学生・生徒の労働法規に無知なのを捉えて残業代そのものの不払いや割増賃金不払い、休憩時間を与えない、不合理な罰金の請求など労働基準法違反して[1]、学生や生徒に違法な長時間労働をさせたり、契約内容と違った業務をさせたり、厳しいノルマを課したり、高校や大学の試験期間であっても、休ませてくれないなど、扱いが酷いようなアルバイトのことである。
このようなブラックバイトが増加している背景には、企業は従来ならば正社員または契約社員に任せていた業務を、賃金を削減する目的から、派遣社員やパートタイム労働者の割合を多くしているといった、経営方針が存在する。
また、アルバイトとして働いている高校生や大学生にとっても、近年の経済状況の悪化やひとり親世帯・低所得者世帯の増加、学費の高騰などから、学生に対して実家から送られてくる仕送りの額の減少に加えて、また近年のフリーターの増加などといった、社会現象により他のアルバイトを見つけることが困難である、などといった厳しい現実から、ブラックバイトであったとしても、容易に辞めることができない。
このようなブラックバイトの存在は、社会問題となっており、また各方面からの批判も数多く存在しており、これを無くす事を目的とした、首都圏学生ユニオンやブラックバイトユニオン[2]という、学生が加入する労働組合が結成される、などといった動きが見られる。
提唱者大内裕和教授は15年5月29日(金)放映のNHK視点・論点「広がる"ブラックバイト"」で詳細に記述している。
書籍
- NPO法人アジア太平洋資料センター『ブラックバイトに負けない!―クイズで学ぶしごとのルール』(2014年)[3]
- 大内裕和、今野晴貴『ブラックバイト』(2015年04月、堀之内出版)ISBN 978-4-906708-57-4 C0036[4]
- あさいもとゆき/かみやナエこ/斉藤ふみ/たみ/長月まお/やまもとしゅうじ/山本幸男『マンガ ほんとに怖いブラックバイト 大学に通うためにバイトしてるのに、バイトのせいで大学に通えない件』(2014年12月5日、宝島社)ISBN 978-4-8002-3436-0[5]
脚注
- ^ 2014年8月2日中日新聞朝刊29面
- ^ ブラックバイトユニオン http://blackarbeit-union.com/
- ^ オーディオ・ビジュアル│PARC NPO法人アジア太平洋資料センター
- ^ ブラックバイト (大内裕和・他)●版元ドットコム
- ^ マンガ ほんとに怖いブラックバイト│宝島社の公式WEBサイト 宝島チャンネル
関連項目
- ブラック企業
- サービス残業
- 割増賃金
- 労働条件通知書
- 労働基準監督署
- ブラックバイトユニオン
- ブラック企業対策プロジェクト
- ブラック企業被害対策弁護団
- 労働相談センター (NPO法人)
- 日本労働組合総連合会
- 全国労働組合総連合
- 全国労働組合連絡協議会 (1989-)
- 自爆営業