ピアノソナタ第14番 (シューベルト)

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フランツ・シューベルトピアノソナタ第14番イ短調D7841823年作曲。初版は1839年ディアベリ社から出されている。

前作の13番と同様に3楽章構成で、同主調である。ソナタ組曲の調性の選定はモーツァルトのイ短調ソナタ(第8番K.310)に倣っている。

完成作品であるが、調性が不安定で短調ゆえに陰鬱。作曲者中期ピアノソナタの中では13番・15番のレリークソナタ16番に比べて演奏機会は少ない。

曲の構成

ソナタ形式序奏はなく、A-E-Dis-Eの二分音符による落ち着いた主題。演奏記号の通り正確なテンポで演奏されるので、ピアノ曲としては理解されにくい。
再現部以降ではイ長調転調し晴れやかに締めくくっている。
付点リズムのC-F-A-Dという平行調ニ短調をおりまぜた主題。
3連符のカノン風の第1主題と特徴的な音形の第2主題がソナタ形式をなす。第1楽章と異なり最後までイ短調のまま終わる。

特徴的な第2主題は左手による広い和声を持ち悠長な印象を与える。後年のショパン作品(スケルツォ第1番)の中間部と同様の伴奏になっている。

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