ピアノソナタ第16番 (シューベルト)

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フランツ・シューベルトピアノソナタ第16番イ短調D845は、ピアノソナタ作者としての中間期の作。作曲家としてはわずか12年程度の創作人生しかない中での数少ない完成されたピアノソナタの一つで、1825年5月に作曲され、翌1826年にピアノソナタとしては初めて出版された。これまでのソナタにおける3楽章制とは一転して4楽章構成であり、シューベルトはこのソナタ以降一貫して4楽章制を取り続けることになる。

ルドルフ・ヨハネス・フォン・エスターライヒに献呈された。

曲の構成[編集]

  • 第1楽章 Moderato イ短調 2/2拍子
ソナタ形式。両手の斉唱で開始し、このユニゾンは楽章全体を覆っている。演奏自体は比較的平易であるが左手E音のシンコペーションが時に不気味な演出をする。展開部で16分音符による急速な部分が出現するが手短に済ませている。
全体的に緩やかなユニゾンが多く、管弦楽編曲の草稿ではないかと考えられる部分が多い。また主題を半音下げて再現するのは最終作のピアノソナタ最終楽章と同様の手法である。
変奏曲形式。途中に遠隔調変イ長調音階進行による変奏を入れていてロマン派作家の特徴を出している。
スケルツォ。転調の末にイ長調になるが、調性が極めて不安定である。トリオヘ長調
  • 第4楽章 Allegro vivace イ短調 4/2拍子
ロンド形式。これまでの楽章同様、調性転調が多く不安定。最後に第1楽章の動機が現れ加速して終わる。時に「シューベルトの音楽は片目で笑い片目で泣いている」と評されるとおり長短調が混在している。

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