バルチラ

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バルチラWärtsilä Oyj Abp、ワルチラとも。よりフィンランド語に近い表記ではヴァルツィラ。)は、フィンランドの企業。本社はヘルシンキにある。レシプロ内燃力発電プラント、レシプロ舶用機関、舶用機械の設計、開発、製造とその顧客サービスを営み、設計、開発した製品の製造ライセンスを世界各国のメーカーに供与しロイヤルティーを得ている。2011年末現在で、世界70ヶ国以上で17,913名を雇用している。

沿革

  • 1834年:フィンランドクオピオ州トホマヤルヴィで製材所として設立された。製材所は実業家N. L. Arppeが所有した。
  • 1851年:製材所に隣接して鉄工所が建てられた。
  • 1907年:この製材所と鉄工所を営む会社名がWärtsilä AbからAb Wärtsilä Oyに変更された。
  • 1931年:この年会社は破産の瀬戸際に立たされ、多くの雇用者を解雇した。しかし翌年には株主に配当を払うことができるまで業績が回復した。
  • 1997年:スイススルザーのディーゼルエンジン開発製造部門を買収し、バルチラNSDを設立。大型船舶用「バルチラ-スルザー RTA96-C」エンジンを販売した。

舶用エンジン

舶用低速2ストロークディーゼルエンジンの分野では、ライセンス生産品も含めたエンジン生産量の出力ベースの世界シェアは、業界首位のMAN Diesel & Turboに大きく水をあけられ2位に甘んじている。

舶用中速4ストロークディーゼルエンジンの分野では、ライセンス生産品も含めたエンジン生産量の出力ベースの世界シェアは、業界首位を走っている。

日本における活動

日本法人はバルチラジャパン株式会社で、兵庫県神戸市中央区東京都中央区富山県富山市に事業所を置く。

バルチラ・スルザーのブランドを冠する舶用ディーゼルエンジンの製造ライセンスを供与された日本企業は、IHIの子会社のディーゼル・ユナイテッド三菱重工業日立造船の3社である。

製品

大型船舶用直列14気筒2ストロークユニフロー掃気ディーゼルエンジン

バルチラの船舶推進部門は革新的な電気式推進器のアジマススラスターアジポッドの原型を開発した。同部門はアセア・ブラウン・ボベリの傘下に入り、アジポッドは現在、ABBグループから販売されている。

外部リンク