ダイヤモンド・カッター
ダイヤモンド・カッター(Diamond Cutter)は、プロレス技の一種である。
概要
技をかける相手の正面に背中を向けて立ち、相手の頭を肩に乗せ、頭を持ったまま前方に大きくジャンプし自らは仰向けに倒れ、うつ伏せに倒れる相手の顔をリングマット、あるいは肩に叩きつける技である。投げ技に分類される場合と、打撃技(打ち付け技)に分類される場合とがある。
WWE、WCWで活躍したダイヤモンド・ダラス・ペイジがフィニッシュ・ホールドとして使用していた。技術をあまり必要としない技にもかかわらず見た目が良い技なので、多くのレスラーがこれを応用した技を開発している。
元々ジョニー・エースが使用していたエース・クラッシャー(改良型)を、エースと親交のあったペイジが教えてもらい、ダイヤモンド・カッターの名でフィニッシュとして使用し、有名になった。
派生技等
同型技
- エース・クラッシャー(改良型)
- ジョニー・エースのフィニッシュ・ホールドで、前述のとおりダイヤモンド・カッターの考案者。前期型エース・クラッシャーとは形が違う。また様々なバリエーションがある。詳細は「エース・クラッシャー」を参照
- ババ・カッター
- ダッドリー・ボーイズ(チーム3D)の兄、ババ・レイ・ダッドリー(ブラザー・レイ)のフィニッシュ・ホールド。
- コジマ・カッター(コジコジ・カッター)
- 小島聡の使うダイヤモンド・カッターの名称。
- バートン・カッター
- マイク・バートンの使うダイヤモンド・カッターの名称。バートンはエースのタッグ・パートナーだった時期があり、直接エース・クラッシャー(改良型)を伝授されている。
派生技
- TKO
- 相手をファイヤーマンズキャリーに抱え上げ、相手の脚を振ってダイヤモンド・カッターに移行する。考案者はWCWやWWFで活躍したマーク・メロ(ジョニー・B・バッド)で、技名は "Total Knock Out" の略称である。日本では太陽ケアがハワイアン・スマッシャーの名で使用しているたが、厳密にはハワイアン・スマッシャーはエース・クラッシャーからの派生技である(太陽ケアの「TKO(太陽ケア・オリジナル)」とは別の技)。その見栄えの良さから多くのレスラーにコピーされており、泉田純至は不入ドムの名称で使用している。
- RKO
- WWEで活躍するランディ・オートンのフィニッシュ・ホールド。ジャンピング式のダイヤモンド・カッター。相手の頭を持つ時片手しか使わないのが特徴で、トリプルHなどから「なるべく高く跳んだ方が見栄えが良い」とアドバイスされている。試合終盤に電光石火で浴びせたり、相手をダウンさせた後オートン特有の両手を大きく広げるアピールをしながら相手の死角にまわりこむように待機し、相手が起き上がってオートンと向き合った瞬間に技を浴びせるという2つのパターンが基本となっている。技名の由来は上記のTKOとオートンの本名であるランディ・キース・オートン(Randy Keith Orton)の頭文字を掛けたものという説が有力で、使用を始める前にはダイヤモンド・ダラス・ペイジに許可をもらったとコメントしている。空中技へのカウンターとして使用される際はスーパーRKOと呼ばれる。
- ツイスト・オブ・フェイト
- マット・ハーディーとジェフ・ハーディーのハーディー・ボーイズが使用しているフィニッシュ・ホールド。相手の頭を脇にはさむDDTの体勢から、自分の体をひねりつつ頭を挟んでいなかった方の手で相手の頭を持ち替えてダイヤモンド・カッターに移行する技。スタナー式のツイスト・オブ・フェイトや、最初にリバースDDTの形で捕え、後頭部を打ち付けるエクストリーム・ツイスト・オブ・フェイトという更なる派生技も存在する。
- ダッドリー・デス・ドロップ(3D)
- ダッドリー・ボーイズ(チーム3D)が使用しているフィニッシュ・ホールド。ロープに振った相手を1人がフラップジャックの要領で上空に放り上げて足を掴み、もう1人が相手頭部を空中でキャッチしダイヤモンド・カッターの基本形に移行し、相手をマットに叩きつける合体技。頭文字を取って3Dと略される場合が多い。ダッドリー・ボーイズは応用技としてテーブルに叩きつける場合が多い。天コジ(天山広吉&小島聡)の天コジ・カッターや、ムーブメントのムーブメント・カッターも同型の技。
返し方
ダイヤモンド・カッターはかける相手に背中や腕を晒すことになる技なので、反撃は多種多様である。
- 力任せに腕のロックを外して脱出する。
- 落とされる(投げられる)前に、相手を前に突き飛ばして脱出する(脱出後、無防備となった相手の背後から技をかける。また、強く突き飛ばした場合は、相手はコーナーやロープに跳ね返って戻ってくるため、反撃のバリエーションはさらに増える)。
- 落とされる瞬間相手を前に突き飛ばして、脱出あるいはダメージの軽減を図る。
- 落とされる瞬間逆に相手を持ち上げて前方に投げ飛ばし、背中からマットに叩きつける(リング外に投げて落としてしまうケースも)。