ジョージ・ムラーツ
ジョージ・ムラーツ | |
---|---|
生誕 | 1944年9月9日(79歳) |
出身地 | チェコピーセック |
担当楽器 | ベース |
ジョージ・ムラーツ(ジョージ・ムラツ)(本名:Jiri Mraz, 通称名:George Mraz, 1944年9月9日 - )は、チェコ人ジャズベーシスト。現在活躍するジャズベーシストの中でもすぐれた技巧を誇り、特にクラシック音楽を学んだ音感の良さと、アルコ弾き(弓弾き)の技術は非常に高く評価されている。
略歴
現チェコ共和国、ボヘミア地方南部のピーセックに生れる。一時期サックスも学んだがプラハ音楽院にてクラシックとベースを学ぶ。在学中よりチェコの一流ジャズグループであるチェコスロバキア・オールスター・バンドで活躍。卒業後の1966年西ドイツミュンヘンへ移住し、ジャズミュージシャンとして活躍。その時期にアメリカのミュージシャンと共演し、若きジャズベーシストの名はアメリカのミュージシャンの間で話題になる。1968年バークレー音楽院特待生として渡米。その後、ニューヨークで活躍し、25歳の若さにして才能を見込まれ、オスカー・ピーターソン・トリオのレギュラーメンバーとなる。その後もエラ・フィッツジェラルド等と共演。当時、あまりにも忙しく泣く泣くビル・エヴァンス・トリオへの誘いを断ったというエピソードがある。その後も数々のミュージシャンと共演し、1978年からはトミー・フラナガンのレギュラーベーシストとして活躍。トミー・フラナガンとは「Eclypso」「Thelonica」「Ballads&Blue」などの作品を残している。1992年、トミー・フラナガンの元を離れてからもフリーのベーシストとして活躍中。親日家で70年代より頻繁に来日し、来日回数は50回を超える。
母国では英雄的存在とされ、2004年の60歳の誕生日はヴァーツラフ・クラウス大統領主催でプラハ城にて記念コンサートが開催され、その模様を収めたCDが発売、また、2009年の65歳の誕生日には共和国大統領栄誉賞として勲章を授与されたほど。
エピソード
- 本名はJiri Mrazであり、初期のレコーディングなどにはJiri Mrazの名でクレジットされているが、英語の発音では表現が違い、母国の発音で読むJiriが音としてジョージにちかいため通称名をGeorgeに変更している。そのため、Jiri MrazもGeorge Mrazも同一人物であり、またJiri名義はニューヨークでの音楽活動初期時代の貴重な音源とも言える。
- また、酒豪(近年でも自らのエネルギー源と語る程)として知られ1970年代の頻繁に来日していた時は、バンドのリハーサルの前日に浴びるほど酒を飲み、翌日のリハーサルで二日酔いながらもサド・メルオーケストラの難解な譜面を音程も外さず完璧に弾ききったと言う逸話がある。
他にも、NYでギグ中に酒を飲みまくって、ステージに立つのもままならない状態で演奏をし(この時は誰かに背中を支えてもらっていたらしい)、自分のソロとなると、高音域で超絶技巧ソロをいとも容易くやってのけたと言うケニー・ワシントンの発言がある。
- 箸を使うのが上手であり、来日時の食事では箸をよく使う。(和食好きでもある)
ディスコグラフィー
- Porgy And Bess(George Mraz, Roland Hanna)
- Catching Up(1992年)
- My Foolish Heart
- Bottom Lines
- JAZZ(1996年)
※4作とも、Rich Perry(ts)を含むカルテット、もしくは Richie Beirach(p) Billy Hart(ds)によるトリオの録音*
- George Mraz & Friends(2003年)
※Catchin'UpとGoing Homeからのコンピレーションアルバム
- Moravian Germs(2007年)
※チェコ人で同じくアメリカで活躍する女優・歌手・バイオリニスト・演劇家のIva Bittovaとチェコのミュージシャンとともに録音されたチェコのtraditionalを再アレンジした新作CD
参加アルバム
ゲストミュージシャンとして極めて多忙なベーシストであり、無数のレコーディングに参加しているため、下記には代表的なもののごく一部を示す。
Tommy Flanagan (トミー・フラナガン)
Oscar Peterson(オスカー・ピーターソン)
- Another Day - LP、CD
(Sir) Roland Hanna (ローランド・ハナ)
- 1×1(Roland Hanna, George Mraz)- LP
- Glove - LP、CD
- Milano, Paris, New York :Finding John Lewis - CD
Rochie Beirach (リッチー・バイラーク)
- Elegy For Bill Evans - LP、CD
- Snow Leopard - LP、CD
McCoy Tyner (マッコイ・タイナー)
- Plays John Coltrane - CD
Don Friedman (ドン・フリードマン)
- Later Circle - LP、CD
- Waltz For Debby - CD
- My Favorite Things - CD
- Circle Waltz 21C - CD
Stan Getz (スタン・ゲッツ)
- Bossa And Ballads - CD
The New York Quartet (ニューヨーク・カルテット)
- Blues For Sarka - LP、CD
- Oasis - LP
Hank Jones (ハンク・ジョーンズ)
- For My Father - CD