ジャン=ジャック・ベネックス

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ジャン=ジャック・ベネックス
Jean-Jacques Beineix
ジャン=ジャック・ベネックス Jean-Jacques Beineix
生年月日 (1946-10-08) 1946年10月8日
没年月日 (2022-01-13) 2022年1月13日(75歳没)
出生地 フランスの旗 フランスパリ
死没地 フランスの旗 フランスパリ
国籍 フランスの旗 フランス
職業 映画監督脚本家
活動期間 1977-2022
主な作品
ディーバ
ベティ・ブルー
 
受賞
セザール賞
新人作品賞
1981年ディーバ
その他の賞
ボストン映画批評家協会賞
外国語映画賞

1986年ベティ・ブルー
備考
第29回東京国際映画祭 審査委員長(2016年)
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ジャン=ジャック・ベネックス(Jean-Jacques Beineix, 1946年10月8日 - 2022年1月13日 )は、フランス映画監督脚本家パリ出身。

略歴[編集]

2006年11月

1964年から1967年までの間、ジャン・ベッケルテレビドラマ『Les Saintes Chéries』のアシスタントを務め、キャリアをスタートさせる。その後、1970年にはクロード・ベリ1971年クロード・ジディのアシスタントを務める。

1977年に短編『ミッシェル氏の犬』を制作し、映画監督としてデビュー。本作はトルヴィユ映画祭でグランプリを獲得する。

1981年、初の長編作品『ディーバ』を監督。翌年のセザール賞で新人作品賞、撮影賞、音楽賞、録音賞の4部門を受賞し、鮮烈なデビューを飾る。ベネックスは同年代にデビューしたリュック・ベッソンレオス・カラックスとともに「恐るべき子供たち」(ジャン・コクトー同名小説と映画からの命名)「BBC」[1] と呼ばれ、ヌーヴェル・ヴァーグ以後のフランス映画界に「新しい波」をもたらした。日本でも「ニュー・フレンチ・アクション・シネマ」として紹介され、現在でも製作30周年の2011年にDVDが再発売されるなど、カルト的な人気を誇っている。

1982年には自身の自由な芸術表現を守るため、制作プロダクション「カルゴ・フィルム」を設立。以来、ベネックスはカルゴ・フィルムで制作される全作品の製作総指揮者を務める。カルゴ・フィルムは長編フィクション映画、ドキュメンタリー(劇場用、テレビ用)の制作会社で、取り扱われるテーマは科学から芸術、女性の権利など社会的テーマまで及ぶ幅広い範囲に及び、これらの作品の製作を通してフランス国立宇宙研究センターCNES)や、フランス国立科学研究センターCNRS)などの機関とのコラボレーションが生まれた。

1983年ジェラール・ドパルデューナスターシャ・キンスキーを迎えてデイビッド・グーディスの小説『The Moon in the Gutter』を映画化した『溝の中の月』は、第36回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映された。この作品は、前作以上に徹底された耽美的な映像世界と難解と評されたストーリー展開に批評家やファンの間であまり高い評価を得られなかった。

1986年にはベアトリス・ダルジャン=ユーグ・アングラードを主演に『ベティ・ブルー』を監督。刹那的に激しく愛し合う男女を大胆に描いた本作は話題を呼び、世界中で公開されるとともに、アカデミー外国語映画賞にノミネートされるなど高く評価され、現在ではベネックスの代表作として知られている。また、この作品は「カルゴ・フィルム」が初めて製作した長編映画である。

その後、1989年に『ロザリンとライオン』、1992年イヴ・モンタンの遺作となった『IP5/愛を探す旅人たち』、2001年には再びジャン=ユーグ・アングラードを主演に迎えた『青い夢の女』といった作品を監督している。

長く闘病生活を送っていたが、2022年1月14日、同月13日にパリの自宅にて死去したと家族が公表した。75歳没[2][3]

主な監督作品[編集]

長編作品[編集]

短編作品[編集]

ドキュメンタリー[編集]

  • ルーマニアの子供達 Les Enfants de Roumanie (1992)
  • おたく Otaku : fils de l'empire virtuel (1993)
  • シネコンのないクッリシー広場 Place Clichy sans complexe (1994)
  • 潜水服と蝶 Assigné à résidence (1997)
  • ロフトパラドックス Loft Paradoxe (2002)

主な制作作品[編集]

  • 2枚目の絵の謎 L'énigme du deuxième tableau ミュリエル・エデルシュタイン監督(2007 フランス国内放映)
  • ビリー・ザ・キッドへのレクイエム Requiem for Billy the Kid アンヌ・フェインシルベール監督(2007年フランス国内上映)
  • アレ ヤラ! Allez Yallah! ジャン=ピエール・トルン監督(2006 フランス国内上映)
  • コスミックコネクション CosmicConnexionアンヌ・ジャフル&マリー・キュイス監督(2006 フランス国内放映)

脚注[編集]

  1. ^ 中条省平(『フランス映画史の誘惑』集英社新書 2003年pp.223-236)。
  2. ^ “Jean-Jacques Beineix, le réalisateur de "37°2 le matin", est décédé”. France Bleu. (2022年1月14日). https://www.francebleu.fr/infos/medias-people/le-realisateur-jean-jacques-beinex-est-mort-1642153668 2022年1月14日閲覧。 
  3. ^ “Jean-Jacques Beineix, le réalisateur de « 37°2 le matin », est mort”. Le Monde. (2022年1月14日). https://www.lemonde.fr/disparitions/article/2022/01/14/jean-jacques-beineix-le-realisateur-de-37-2-le-matin-est-mort_6109517_3382.html 2022年1月15日閲覧。 

外部リンク[編集]