ケイ・スタマーズ

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Kay Stammers 1938

キャサリン "ケイ"・エスター・スタマーズKatharine "Kay" Esther Stammers, 1914年4月3日 - 2005年12月23日)は、イングランドハートフォードシャー州セント・オールバンズ出身の女子テニス選手。1939年ウィンブルドン選手権女子シングルス準優勝者。ダブルスでは1935年1936年のウィンブルドン選手権女子ダブルス2連覇に加えて、1935年全仏選手権女子ダブルス優勝もある。全米選手権でも1935年に混合ダブルス準優勝を記録した。現役時代は「映画スターのような容姿とスタイル」で高い人気を持っていた。左利きの選手で、流麗なスタイルのフォアハンド・ストロークを得意にした。

ケイ・スタマーズはセントアルバンズの自宅にあった芝生コートで、家族と一緒にテニスを学び、1931年に17歳でウィンブルドン選手権に出場し始めた。たちまち、スタマーズは「映画スターのような容姿とスタイル」でマスコミの人気者になり、多数の新聞から賞賛を集めるようになった。1934年全米選手権で女子シングルスのベスト8に入った後、スタマーズは1935年全仏選手権マーガレット・スクリブン1933年1934年の同選手権女子シングルス優勝者)とペアを組み、決勝でヒルデ・スパーリングドイツ)&イダ・アダモフ(フランス)組を 6-4, 6-0 で破って初優勝した。それから、1935年1936年のウィンブルドン選手権女子ダブルスで、スタマーズはフレダ・ジェームズとペアを組んで2連覇を達成する。1935年全米選手権では、スタマーズは混合ダブルスでロデリク・メンツェルチェコスロバキア)とペアを組んだが、決勝でエンリケ・マイアースペイン)&サラ・ポールフリーアメリカ)組に 3-6, 6-3, 4-6 で敗れて準優勝になった。この頃には、スタマーズはマスメディアの寵児として、コートで着用した服装も新聞に詳細な描写が書かれるようになった。全盛期の彼女はアメリカのテニス・トーナメントに出場しながら、ハリウッドのスタジオ・オーディションを受け、若き日のジョン・F・ケネディとデートしたという逸話も残っている。

1939年ウィンブルドン選手権で、スタマーズはついに女子シングルス決勝進出を果たす。しかし、決勝ではアメリカアリス・マーブルに 2-6, 0-6 で完敗し、シングルス初優勝はならなかった。(優勝したマーブルは、この年に女子シングルス・女子ダブルス・混合ダブルスの3冠を獲得する「ハットトリック」を達成した。)この年に第2次世界大戦が勃発し、ウィンブルドン選手権も1940年から1945年まで開催中止を余儀なくされる。終戦後のウィンブルドン選手権で、スタマーズは1946年1947年に2年連続で女子シングルスのベスト8と、女子ダブルス準決勝に勝ち進んだ。

スタマーズはウィンブルドン選手権女子シングルスで準優勝した1939年に、マイケル・メンツィーズ(Michael Menzies)と結婚した。後に夫が投資銀行の「ヒル・サミュエル」社長に任じられたため、夫婦でアメリカニューヨークへ引っ越したが、1975年にメンツィーズと離婚し、アメリカのテニス・サーキットで知り合ったトーマス・ブリット(Thomas Bullitt)と再婚した。ブリット夫妻はケンタッキー州ルイビルに住み、ケイ・ブリットは2005年12月23日にルイビルで91歳の生涯を終えた。彼女の墓はルイビル市内にある。

主な成績

  • 全仏選手権 女子ダブルス:1勝(1935年)
  • ウィンブルドン選手権 女子シングルス:準優勝1度(1939年)/女子ダブルス:2勝(1935年・1936年)
  • 全米選手権 混合ダブルス:準優勝1度(1935年)/女子シングルス・ベスト4(1935年・1936年・1939年)

参考文献

  • Martin Hedges, “The Concise Dictionary of Tennis” (コンサイス・テニス辞書) Mayflower Books Inc., New York (1978) ISBN 0-8317-1765-3
  • Bud Collins, “Total Tennis: The Ultimate Tennis Encyclopedia” Sport Classic Books, Toronto (2003 Ed.) ISBN 0-9731443-4-3 [4大大会シングルス成績]

外部リンク