クラブディップ

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クラブディップ
Crab dip
フラットブレッドに添えたクラブディップ。
別名 メリーランド・クラブディップ
種類 ディップソース
発祥地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
地域 メリーランド州
提供時温度 温製、冷製
主な材料 カニ、クリームチーズ
その他お好みで マヨネーズ
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クラブディップ（英: crab dip、メリーランド・クラブディップとも[1][2]）はクリーミーな具入りディップソース。クリームチーズ[3]とカニ（英語版）の肩肉から作るのが一般的[4]。マヨネーズなどを主体にしたタイプもある。用いるカニの種類やその調理法はさまざまで、副材料も多様である。材料を和えるだけの冷製レシピもあるが[5]、多くはオーブンで焼いて暖かいうちに食べる[6][7]。食事の前菜として食べられる[8][9]。ディップとするときはクラッカーや各種のパンに添えることが多い。アメリカでは料理店で提供されるほか市販品もあり、一部のスポーツ競技場でも食べることができる。

材料[編集]

クラブディップはカニの生肉、冷凍肉、缶詰のいずれからも作られる[4][6][10]。部位は一定しておらず、ジャンボ・ランプ（遊泳脚の肩肉）[7][8]、ランプ（肩肉）[4]、バックフィン（胴肉片）[6]、クロー（脚肉）[11]のいずれも使われる[† 1]。カニの種類もさまざまで、特にブルークラブ（英語版）[2][13][† 2]、ダンジネス・クラブ[9]、アラスカ産タラバガニ[11]が多い。

クリームチーズの代わり、もしくは追加でマヨネーズや別種のチーズ（ペッパージャック、ブリー、チェダーなど）を使うレシピもある[11][15][16][17][18]。カニ以外のシーフードを加えることもあり、カニカマなどの魚肉練り製品[16][19]、ロブスター[20]、エビ（英語版）[21]などが用いられる。ほかの具材にはキノコ類、アーティチョーク、タマネギ、ネギ、エシャロット、ピーマン、生クリームなどが挙げられる[10][11][15]。パン粉を振って焼き、焦がしてカリッとさせる作り方があり[2]、パン粉とパルメザンチーズを合わせる場合もある[7]。オールドベイ・シーズニング（英語版）（メリーランド生まれのスパイスミックス製品[22]）を風味づけに使ったり、ホットソースや唐辛子で辛くしたタイプも作られている[23][24]。

食べ方[編集]

アメリカ合衆国では一部のレストランで食べることができる[25]。大量生産の市販品もある[26]。

ディップとする場合は、クラッカー、フラットブレッド、ピタ、一般的なパン、クロスティーニ、プレッツェル、一口大に切った野菜のような食品に添える[1][8][11]。サワードウのパンをくりぬいて中に詰める食べ方もある[18]。作り置きのクラブディップを冷凍しておいて食べるときに再加熱することができる[11]。

チェサピーク湾に面したメリーランド州では名産のカニが食文化の中で大きな地位を占めており[27]、ハンバーガーやホットドッグなどさまざまな料理にクラブディップを用いる。クラブディップを乗せたプレッツェルは酒場の定番メニューである[28]。

  • Crab dip being baked in a toaster oven
    オーブントースターでクラブディップを焼いている。
  • Crab dip served with vegetables
    野菜と共に盛り付けたところ。
  • Crab dip accompanied by chips served in a restaurant
    ニューヨークのカジュアルレストランで出されたクラブディップとオールドベイ・チップス。

スポーツ競技場での販売[編集]

2013年、メリーランド州ボルチモアにあるオリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズ球場において、ソースが絡みやすいワッフル型フライドポテト[28]にクラブディップを乗せた「チェサピーク・フライ」が発売された[29][30]。ワシントン・ナショナルズの本拠地であるナショナルズ・パークでは、ワシントンD.C.の郷土食ハーフスモーク（英語版）（ホットドッグの一種）に隣接州の名物であるメリーランド・クラブディップとヴァージニア・ハムを組み合わせた「ザ・DMV」という食品を販売したことがある[31]。メリーランド州カレッジパークに位置するメリーランド大学構内のメリーランド・スタジアム（英語版）では、クラブディップとメルトチーズを乗せて焼いた1.5ポンド（700グラム）のソフト・プレッツェルが四人前として販売された[32]。

関連項目[編集]

ポータル 食
ポータル 食

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ カニ肉の部位の翻訳は[12]によった。
  2. ^ 仮リンクに和名「アオガニ」を当てたのは[14]によった。

出典[編集]

  1. ^ a b Gleiter, Sue (2014年1月27日). “Super Bowl snackin': Try this Maryland Crab Dip recipe with homemade pretzels”. 2014年8月31日閲覧。
  2. ^ a b c Morgan, Diane (2008年). “Warm Maryland Crab Dip with Lemon Panko Topping”. 2014年8月31日閲覧。
  3. ^ “Crab dip recipe”. foodtolove. 2016年1月26日閲覧。
  4. ^ a b c Van Buren, Alex (2014年4月1日). “This Changes Everything: 4-Ingredient, Party-Starting Crab Dip”. Yahoo Food. 2014年8月31日閲覧。
  5. ^ “Chilled Crab Dip Recipe by The Daily Meal Contributors”. The Daily Meal (2021年5月29日). 2021年12月15日閲覧。
  6. ^ a b c Conway, Linda Glick (1993). Party Receipts from the Charleston Junior League. Algonquin Books. pp. 52–53. ISBN 0-945575-84-X. https://books.google.com/books?id=yxEyBPFXVf8C&pg=PA52 
  7. ^ a b c Glusco, Jodi Leese (2012年4月24日). “Best Crab Dip”. WRAL. 2014年8月31日閲覧。
  8. ^ a b c McCann, Ann Greer (2014年6月20日). “Crab, and a curry dip: appetizer bliss”. 2014年8月31日閲覧。
  9. ^ a b Maldonado, José Ralat (2010年6月30日). “100 Favorite Dishes: Dungeness Crab Dip at Hibiscus”. 2014年8月31日閲覧。
  10. ^ a b Martinson, Suzanne (2001年2月4日). “Hot Crab Dip”. 2014年8月31日閲覧。
  11. ^ a b c d e f Casey, Kathy (2013年11月12日). “Warm Crab, Mushroom and Brie Dip”. 2014年9月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年8月31日閲覧。
  12. ^ “Crabmeat 101”. Cook's Illustrated. 2021年12月12日閲覧。
  13. ^ Wilbur, T. (2006). Top Secret Restaurant Recipes 2: More Amazing Clones of Famous Dishes from America's Favorite Restaurant Chains. Plume. pp. 195–196. ISBN 978-0-452-28800-3. https://books.google.com/books?id=7mkWSL6H4rwC&pg=PA195 
  14. ^ 村岡健作、田口道夫 (1992). “相模湾で漁獲されたアオガニ Callinectes saρidus RATHBUN について”. Researches on Crustcea (21): 169-172. 
  15. ^ a b Drick, Perry (2009). Grits To Guacamole. Robert Perry. p. 26. https://books.google.com/books?id=KBaTdF1gatIC&pg=PA26 
  16. ^ a b Fischer, Laurie. Dip Recipes. p. 17. https://books.google.com/books?id=mZAkAwAAQBAJ&pg=PA17 
  17. ^ Long, S. (2003). Extreme Lo-carb Cuisine: 250 Fabulous Recipes with Virtually No Carbohydrates. Adams Media. p. 20. ISBN 978-1-59337-007-7. https://books.google.com/books?id=1LvPxvFleRoC&pg=PA20 
  18. ^ a b “Cook's Corner: Tasty, hot crab dip baked in sourdough”. Los Angeles Daily News. (1998年7月29日) 
  19. ^ Greenman, B. (2011). America's Hometown Recipe Book: 712 Favorite Recipes from Main Street U.S.A.. Hachette Books. p. 66. ISBN 978-1-57912-864-7. https://books.google.com/books?id=nF62ZXUmrOIC&pg=PA66 
  20. ^ “Marlow's Crab & Lobster Dip” (2013年7月10日). 2014年9月1日閲覧。
  21. ^ Jones, Jeanne (2007年1月3日). “Hot or cold Deviled Crab Dip gets low-fat makeover”. Deseret News 
  22. ^ “The Untold Truth Of Old Bay Seasoning”. mashed. 2021年12月12日閲覧。
  23. ^ Randle, Larry (2014). Dip Lover's Cookbook. MaxHouse. https://books.google.com/books?id=hOaKAgAAQBAJ&pg=PT509 2014年8月31日閲覧。 
  24. ^ Teats, Darrell (2008年8月19日). “Darrell Teats' Recipe for Hot and Spicy Crab Dip!”. KNOE Channel 8 News. 2014年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年8月31日閲覧。
  25. ^ Williams IV, John-John (2011年9月16日). “Classic crab dip destined to be a tailgating winner”. 2014年8月31日閲覧。
  26. ^ Jeffries, Fran (2013年2月12日). “Crab dip sold at Costco recalled”. 2014年8月31日閲覧。
  27. ^ 石井光 (2018年4月12日). “アメリカン・ライバル？　アナポリスとボルチモア観光”. U.S. FrontLine. 2021年12月15日閲覧。
  28. ^ a b “Baltimore ballpark’s famous crab dip good ‘on everything’: Feast”. The Star (2013年4月25日). 2021年12月15日閲覧。
  29. ^ “A farewell to Oriole Park at Camden Yards' crab dip waffle fries”. Camden Chat (2013年10月2日). 2021年12月15日閲覧。
  30. ^ “Ballpark food guide: Best, weirdest choices from all 30 stadiums”. Sports Illustrated (2017年6月30日). 2021年12月15日閲覧。
  31. ^ Steinberg, Dan (2014年8月6日). “Nats Park 'DMV' hot dog combines a half-smoke with Maryland crab dip and Virginia ham”. 2014年8月31日閲覧。
  32. ^ Steinberg, Dan (2014年8月27日). “Maryland will sell 1.5-pound crab-inspired 'Chessie' pretzels at Byrd Stadium”. 2014年8月31日閲覧。

外部リンク[編集]

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