キンレステゴピス

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キンレステゴピス
地質時代
三畳紀後期, 221–206 Ma
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 両生綱 Amphibia
: 分椎目 Temnospondyl
亜目 : ステレオスポンディリ亜目 Stereospondyli
上科 : メトポサウルス上科 Metoposauroidea?
: キンレステゴピス属 Chinlestegophis
  • Chinlestegophis jenkinsi
    Pardo et al., 2017

キンレステゴピス(学名 : Chinlestegophis) は、メトポサウルス上科と関連があると推定されている、三畳紀後期の分椎目ステレオスポンディリ亜目(全椎類)に属する絶滅両生類の属。現生両生類のアシナシイモリ目と多くの特徴を共有し、地中生であったと考えられている。もし本属がアシナシイモリ目と類縁関係があるなら、全椎類が現代まで生き延びていることになり、またアシナシイモリ目は有尾目無尾目よりもゲロトラックスクーラスクスのような中生代の両生類に近い系統であるということになる[1]

キンレステゴピス・ジェンキンシィChinlestegophis jenkinsi)は本属の模式種かつ唯一の種であり、コロラドの Chinle Formation から発見されている。学名は「キンレ(地層名)の覆いのある蛇」ほどの意味。種小名はエオカエキリアを記載した古生物学者の名前にちなんでいる。

特徴[編集]

  • 頭長は3cmほどで、現在のアシナシイモリのほとんどより大きいが、同時代の両生類よりはずっと小型である。
  • アシナシイモリでは感覚器官である触手を収めている鼻涙管が特殊化し、分椎類とエオカエキリアの中間的な形態になっている。触手があったのかどうかはよくわからない。
  • 眼窩は小さく、地中生に適応して目が縮小していたと思われる。
  • アシナシイモリ同様に下顎と上顎の接合部は耳のずっと後部に位置している。狭い場所で顎を開けるための適応と考えられる。
  • 分椎類、アシナシイモリ双方と同様に歯列は2列になっていた。
  • エオカエキリアと異なり完全に機能する耳があり、また松果体が骨で覆われていなかった。
  • 断片的な胸帯、肢骨、椎骨、肋骨が残されているが、典型的な三畳紀の分椎類の物である[1]

脚注[編集]

  1. ^ a b Pardo, Jason D.; Small, Bryan J.; Huttenlocker, Adam K. (2017-07-03). “Stem caecilian from the Triassic of Colorado sheds light on the origins of Lissamphibia” (英語). Proceedings of the National Academy of Sciences 114 (27): E5389–E5395. doi:10.1073/pnas.1706752114. ISSN 0027-8424. PMID 28630337. http://www.pnas.org/content/114/27/E5389. 

関連項目[編集]