カーペットニシキヘビ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Luckas-bot (会話 | 投稿記録) による 2012年3月26日 (月) 12:58個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (r2.7.1) (ロボットによる 追加: uk:Пітон строкатий)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

カーペットニシキヘビ
ダイヤモンドニシキヘビ
ダイヤモンドニシキヘビ
Morelia spilota spilota
保全状況評価[a 1][a 2]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
ワシントン条約附属書II類
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 有鱗目 Squamata
亜目 : ヘビ亜目 Serpentes
: ニシキヘビ科 Pythonidae
: オマキニシキヘビ属 Morelia
: カーペットニシキヘビ M. spilota
学名
Morelia spilota (Lacépède, 1804)
和名
カーペットニシキヘビ
英名
Carpet python

カーペットニシキヘビMorelia spilota)は、動物界脊索動物門爬虫綱有鱗目ニシキヘビ科(ボア科とする説もあり)オマキニシキヘビ属に分類されるヘビ。

分布

  • M. s. spilota ダイヤモンドニシキヘビ

オーストラリア(ニューサウスウェールズ州東部)[1]

  • M. s. cheynei ジャングルカーペットニシキヘビ

オーストラリアクイーンズランド州のアサートン高原周辺)[1]

  • M. s. imbricata セイナンカーペットニシキヘビ

オーストラリア(西オーストラリア州南西部)[1]

  • M. s. mcdowelli トウホクカーペットニシキヘビ

インドネシアパプア州南東部)、オーストラリア(クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州北東部)、パプアニューギニア(ニューギニア島南部)[1]

  • M. s. spilota キタカーペットニシキヘビ

オーストラリア(クイーンズランド州北西部、西オーストラリア州北東部、ノーザンテリトリー北部)[1]

形態

  • M. s. spilota ダイヤモンドニシキヘビ

最大全長312センチメートル[1]。胴体中央部の斜めに列になった背面の鱗の数(体列鱗数)は49[1]。総排出口までの腹面にある幅の広い鱗の数(腹板数)は261-280[1]。総排出口から後部の鱗の数(尾下板数)は71-85[1]。前額板は左右に2枚ずつある[1]。体色は暗色で、黄白色の斑紋(菱形になる個体もあり)と斑点が入る[1]

  • M. s. cheynei ジャングルカーペットニシキヘビ

最大全長約250センチメートル[1]。体色は黄色で、黒や暗褐色の明瞭な斑紋が入る[1]

  • M. s. imbricata セイナンカーペットニシキヘビ

最大全長240センチメートル[1]。体列鱗数は41-49[1]。腹板数は239-276[1]。尾下板数は63-82[1]。前額板は左右に2枚ずつあり、後部の前額板は小型[1]。鼻孔の開口する鱗(鼻板)に窪みや切れこみが入らない[1]。斑紋が不明瞭で、胴体前方の体側面に縦縞が入る[1]

  • M. s. mcdowelli トウホクカーペットニシキヘビ

最大全長427センチメートルと最大亜種[1]。体列鱗数は40-60[1]。腹板数は254-300[1]。尾下板数は71-90[1]。前額板は左右に1枚ずつで、その後方に細かい鱗が並ぶ個体もいる[1]。鼻板には鼻孔から後方に窪みや切れこみが入る[1]

  • M. s. metcalfei ナイリクカーペットニシキヘビ

全長180センチメートル[1]。前額板は小型で左右に1-2枚ずつある[1]。鼻板上部に鼻孔が開口し、鼻孔から鼻間板へ窪みがあるが切れ込は入らない[1]。暗色の細い横縞が入るが、斜めになったり網目模様になる個体もいる[1]。体側面には縦縞が入る[1]

  • M. s. variegata キタカーペットニシキヘビ

最大全長200センチメートル[1]。体列鱗数は46-49[1]。腹板数は259-294[1]。尾下板数は81-91[1]。前額板は左右に1枚ずつ大型鱗があり、その後方に細かい鱗が並ぶ[1]。鼻板には鼻孔から後方に窪みや切れこみが入る[1]。体色は黄色や褐色で、暗色の横縞が60-70本入る[1]

分類

セントラルニシキヘビを本種の亜種とする説もある[1]

分類は混沌としており最大6亜種に分かれるとされるが、詳細な記述も無く記載された亜種が含まれるなどの問題が多い[1]。また後述する害獣駆除のための移入により遺伝子撹乱が引き起こされている[1]

  • Morelia spilota spilota (Lacépède, 1804) ダイヤモンドニシキヘビ Diamond python
  • Morelia spilota cheynei Well & Wellington, 1984 ジャングルカーペットニシキヘビ Jungle carpet python(キタカーペットニシキヘビのシノニムとする説もあり[1]
  • Morelia spilota imbricata (L. A. Smith, 1981) セイナンカーペットニシキヘビ Southwestern carpet python
  • Morelia spilota mcdowelli Well & Wellington, 1984 トウホクカーペットニシキヘビ Costal carpet python(キタカーペットニシキヘビのシノニムとする説もあり[1]
  • Morelia spilota metcalfei Well & Wellington, 1985 ナイリクカーペットニシキヘビ Inland carpet python(キタカーペットニシキヘビのシノニムとする説もあり[1]
  • Morelia spilota variegata Gray, 1842 キタカーペットニシキヘビ Northwestern carpet python

生態

森林草原などの様々な環境に生息する。半樹上性で樹上にも登る。

食性は動物食で、爬虫類、鳥類、小型哺乳類などを食べる。

繁殖形態は卵生。

人間との関係

農場で害獣駆除に用いられることもあった[1]

ペットととして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。インドネシアから野生個体が流通する。主な生息地であるオーストラリアは国内に生息する野生動物の輸出を禁止しているため、禁止される以前に輸出された個体に由来する飼育下繁殖個体も流通する。亜種間雑種と思われる個体も多く流通している。床材としてメンテナンス性を重視し新聞紙やキッチンペーパーなどを敷く。ケージ内にはとぐろを巻いた状態で全身が漬かれる水容器を設置する。餌としては大きさにあわせたマウスを与える。

  • M. s. imbricata セイナンカーペットニシキヘビ

LOWER RISK - Near Threatened (IUCN Red List Ver. 2.3 (1994))[a 2]

画像

参考文献

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as 鳥羽通久 「ペットとしてのヘビ(第9回) スジオナメラの分類」『クリーパー』第17号、クリーパー社、2003年、56-57、84-91頁。
  • 千石正一監修 長坂拓也編著 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、92頁。
  • 冨水明 「麗しきモレリアの世界 ~カーペット&ベーレン~」『ビバリウムガイド』No.40、マリン企画、2008年、6-19、33-38頁。
  • 山田和久 『爬虫・両生類ビジュアルガイド ヘビ』、誠文堂新光社2005年、67-68頁。

関連項目

外部リンク

  1. ^ CITES homepage
  2. ^ a b The IUCN Red List of Threatened Species
    • Shine R.A. & Allison, A. 2009. Morelia spilota. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.
      • Australasian Reptile & Amphibian Specialist Group 1996. Morelia spilota imbricata. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.