エリコンKA 20 mm 機関砲

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エリコンKA 20 mm 機関砲
M139(エリコンKAD)搭載のM114A2装甲偵察車
種類 機関砲
原開発国 スイスの旗 スイス
運用史
配備期間 1960年代–現在
開発史
開発者 エリコン
諸元
重量 92kg(自重)
182kg(200発装填時)
銃身 1,400mm

弾丸 20x128mm
口径 20mm
銃砲身 1
作動方式 APIブローバック
発射速度 1,000発/分
初速 1,050m/s
最大射程 6,800m
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エリコン KAシリーズ英語: Oerlikon KA series)は、スイスエリコン社の20mm口径機関砲シリーズ。

概要

エリコン KAシリーズの最初の製品がエリコン KAAである。これは、当初タイプ204-GKと呼ばれていたもので、第二次世界大戦中に使用されていたエリコンFF 20 mm 機関砲をもとに設計を改良し、また、新開発の20x128mm弾を使用するように変更されたものである。作動機構はエリコンFFと同じAPIブローバック、ベルト給弾式で、発射速度は1,000発/分、初速は1,050m/秒であった。

次に開発されたのがエリコン KABで、これは、当初エリコン 5TGと呼ばれていた。KAAと同じく20x128mm弾を使用する一方、作動機構はガス圧作動式となっている。8発、20発、50発の箱型弾倉またはドラム型弾倉によって給弾され、発射速度は1,000発/分、初速は1,100-1,200m/秒であった。

1970年エリコン社はイスパノ・スイザ社の銃砲部門を吸収した。イスパノ・スイザ社は、独自規格の20x139mm弾を使用するHS.820機関砲を開発しており、これは非常に優れた設計であったことから、エリコン KADとして販売は継続されることとなった。作動機構はガス圧作動式、発射速度は1,000発/分、初速は1,100m/sで、有効射程は1,500mであった。GAI-CO1(HS社時代のHS.639-B3)は、75発のドラム型弾倉1つによって給弾される単装マウントGAI-CO3(HS社時代のHS.639-B4)は、50発のドラム型弾倉、GAI-CO6(HS社時代のHS.639-B5)は、75発のドラム型弾倉2つによって給弾される。また、 1970年代中盤に開発されたGAI-DO1(HS.666A)は、120発の箱型弾倉を2つずつ使用する油圧駆動の連装マウントで、レーダー射撃管制装置で統制される。

また、アメリカは、HS.820に小改正を加えたうえでM139として採用し、M114装甲偵察車の一部などに搭載した。また、次期歩兵戦闘車MICV-65)やXM800装甲偵察車の主武装としても予定されていたが、20mm口径弾では榴弾威力が不足であることから、量産型のM2ブラッドレー歩兵戦闘車では25mm口径M242 ブッシュマスターが採用された。

参考文献

  • ワールドフォトプレス『世界の重火器 - ミリタリー・イラストレイテッド』光文社、1986年6月。ISBN 978-4334703738 
  • navweaps.com (2008年6月21日). “Britain 20 mm/85 (0.79") GAM-BO1” (HTML) (英語). 2010年2月3日閲覧。

関連項目