エバーハルト・ウェーバー

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エバーハルト・ウェーバー
スイス、ルツェルンにて
基本情報
生誕 (1940-01-22) 1940年1月22日（84歳）
出身地 ナチス・ドイツの旗 ドイツ国 シュトゥットガルト
ジャンル ジャズ
職業 ベーシスト、作曲家
担当楽器 エレクトリック・アップライト・ベース
ダブル・ベース、チェロ
レーベル ECM
共同作業者 ヤン・ガルバレク, ケイト・ブッシュ
パット・メセニー, ラルフ・タウナー
ゲイリー・バートン
公式サイト Eberhard Weber on ECM
著名使用楽器
カスタム・メイドの5弦エレクトリック・アップライト・ベース

エバーハルト・ウェーバー（Eberhard Weber, 1940年1月22日 - ）は、ドイツ、シュトゥットガルトの生まれ。ドイツ人のダブル・ベーシスト、作曲家。ウェーバーは、極めて個性的な音色とフレーズの作り方をするベーシストとして有名である。[1]ウェーバーの作る曲は、アコースティック・ジャズ、ヨーロッパのクラシック音楽、環境音楽などをミックスしたものであり、それは、典型的な「ECMレコードの音」の一つだと考えられている。

経歴

エバーハルトの活動は、1960年代初期から始まる。彼の最初のアルバムは、「The Colours of Chloe」(ECM1042)で、彼自身がリーダーとなって録音したものが1973年に発表された。ミュージシャンとしてのキャリアに加えて、エバーハルトはテレビや劇場のディレクターとしても業績を残してきた。また、彼は、最高弦をCにチューニングした5弦のエレクトリック・アコースティック・ベースをデザインしている。

彼の音楽は、陰鬱な音色で表現されることが多いのだが、その中でしばしば「オスティナート（固執反復）」が使用される。しかしそれでもなお、細部の色づけと印象的な表現は、非常に緻密に構成されている。

エバーハルトはソリッド・ボディのエレクトリック・ダブル・ベースの使用をずいぶん早くから提唱したことで知られている。彼自身はこのエレクトリック・ダブル・ベースを使った演奏を、1970年代の初頭から定期的に行っている。

1960年代初期から1970年代初期にかけての彼の最も親しい共演者は、ウォルフガング・ダウナーである。この二人の共同プロジェクトは、非常に多様なスタイルに渡るもので、オーソドックスなジャズからジャズ・ロック・フュージョン、さらにはアヴァンギャルドな実験音楽に至るものまで様々である。また、彼は同時期に、ピアニストのハンプトン・ホーズやマル・ウォルドロン、ギタリストのバーデン・パウエル・デ・アキノやジョー・パス、マイク・ギブズ・オーケストラ、ヴァイオリニストのステファン・グラッペリなどとも共演し、録音を残している。

The Colours of Chloe から始まって、彼は自分名義でさらに10枚のアルバムを発表している。これらはすべてECMレーベルから発表されているが、ECMとのつながりは、ECMで録音している他のアーティスト達との共同製作へと発展していく。ゲイリー・バートン（Ring, 1974; Passengers, 1976）、ラルフ・タウナー（Solstice, 1975; Solstice/Sound and Shadows, 1977）、パット・メセニー(Watercolors, 1977), そしてヤン・ガルバレクといったアーティストである。

1970年代中期には、彼は自分のグループ「カラーズ」を結成する。メンバーは、チャーリー・マリアーノ（ソプラノ・サックス、フルート）、レイナー・ブルーニングハウス（ピアノ、シンセサイザー）、ジョン・クリスチャンセン（ドラムズ）。まずこのメンバーで録音しアルバム「イエロー・フィールズ（Yellow Fields）」（1975年）を発表した後、クリスチャンセンが抜け、ジョン・マーシャルに交替した。ドラマーが新しくなったこのグループは大変な回数のツアーをこなし、2枚のアルバム「サイレント・フィート（Silent Feet）」（1977）と「リトル・ムーヴメンツ（Little Movements）」（1980）を録音した後、解散した。

1980年代初期以降は、エバーハルトは定期的に、イギリス人シンガーソングライターのケイト・ブッシュと共同製作を行っており、彼女のアルバムの内4枚に参加している(『ドリーミング』, 1982; 『愛のかたち』, 1985; 『センシュアル・ワールド』, 1989; 『エアリアル』, 2005)。

1980年代には、エバーハルトは、バーバラ・トンプソンのジャズ・アンサンブルであるパラフェルナリアとのツアーにも参加している。

1990年代初期以降は、彼は演奏の機会と録音の量をかなり減らしている。1990年以降は、自分名義のアルバムはたった2枚しか製作していない。にもかかわらず、2001年には、自分名義のアルバム「エンドレス・デイズ（Endless Days）」発表し、おそらく現在考え得る限り、最も原始的なジャズとクラシックの融合を試みている。まさにアコースティック・ジャズの典型例である。この当時、彼はヤン・ガルバレク・グループでツアー活動に参加していた。2008年には、「ステージ・オヴ・ア・ロング・ジャーニー（Stages of a Long Journey）」を発表する。これは、2005年3月の彼の65歳の誕生日に、シュトゥットガルト・ラジオ・交響楽団と共演した際のライブ録音である。ゲイリー・バートン、ウォルフガング・ダウナー、ヤン・ガルバレクらとの共作曲が演奏されている。2009年にはECMからカラーズ時代の3枚のアルバムが3枚組のCDとして再発されている。

2007年6月に発表された時と同じく、現在エバーハルトは卒中を患っており、演奏できない状態である。[2]2010年のダイエ・ウェルトとのインタヴューでは、彼が自分の健康状態と将来のプロジェクトについて語っている。[3]

ウェーバーは、名高いアルベルト・マンゲルスドルフ賞を2009年11月に受賞している。この同じ11月には、カラーズ時代の1970年代の作品がECMから発表されている。

ディスコグラフィ

リーダー作

コンピレーション
  • Works (1985)
  • Selected Recordings (2004)
  • Colours (2010) (reissue of 'Yellow Fields', 'Silent Feet' and 'Little Movements')

参加アルバム

ゲイリー・バートン
  • リング Ring (ECM, 1974)
  • パッセンジャーズ Passengers (ECM, 1976)
ケイト・ブッシュ
ヤン・ガルバレク
パット・メセニー
ラルフ・タウナー
マル・ウォルドロン
その他

文学との結びつき　

エバーハルトが作曲した作品とアルバムが、リチャード・アダムズの児童文学「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」の文中に少なくとも5回、引用されている。例としては、アルバム「サイレント・フィート」から「サイレント・フィート」と「暗闇でも見える眼」が、また、アルバム「レイター・ザット・イヴニング」から「オーフン・イン・ジ・オープン」が、そして「フルーイド・ラスル」から「クワイエット・ディパーチャーズ」とタイトル曲が取り上げられている。

　参照　

註

  1. ^ Endless Days - PopMatters Music Review
  2. ^ Eberhard Weber's medical condition
  3. ^ January 2010 ECM Interview

外部リンク

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