アリルイソチオシアネート
アリルイソチオシアネート | |
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IUPAC名 | 3-イソチオシアナート-1-プロペン |
別名 | アリルイソチオシアナート マスタードオイル |
分子式 | C4H5NS |
分子量 | 99.15 |
CAS登録番号 | 57-06-7 |
形状 | 黄色液体 |
密度と相 | 1.013-1.020 g/cm3, 液体 |
沸点 | 148-154 °C |
SMILES | C=CCN=C=S |
アリルイソチオシアネート(allyl isothiocyanate; アリルイソチオシアナートあるいはイソチオシアン酸アリル)は、ワサビ、カラシ、大根などアブラナ科の植物に含まれる辛味成分である。カラシ油から得られる精油成分であり、これ自体を「カラシ油」と呼ぶこともある。
植物に直接は含まれず配糖体(シニグリン)として存在し、すりおろすなどして酸素に触れると酵素ミロシナーゼの影響で生成する。植物の老化を早めるエチレンガスを抑制する効果がある。
適量の摂取は、抗癌作用、抗菌作用などの効果を示すが、大量に摂取すると有害で、1996年には兵庫県で牛が中毒を起こした。
人工的にはチオシアン酸カリウムとヨウ化アリルから合成する。水にはほとんど溶けず、有機溶媒に溶ける。
- KSCN + H2C=CHCH2-I → H2C=CHCH2-N=C=S + KI
受容体活性化チャネルのひとつであるTRPA1を活性化する。
聴覚障害者用の火災警報器に使用されている([1])。この臭いをかぐと深い眠りからでも確実に起きるという。