アカザ (植物)

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アカザ
Chenopodium album
Chenopodium album
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
: ナデシコ目 Caryophyllales
: ヒユ科 Amaranthaceae
亜科 : Chenopodioideae
: Chenopodieae
: アカザ属 Chenopodium
: シロザ Chenopodium album
変種 : アカザ C. a. var. centrorubrum
学名
Chenopodium album
L.
var. centrorubrum
Makino[1]
シノニム

Chenopodium centrorubrum
(Makino) Nakai

和名
アカザ(藜)
英名
Fat Hen

アカザ(藜、学名: Chenopodium album var. centrorubrum)は、アカザ科APG植物分類体系ではヒユ科アカザ属一年草空地などに多い雑草

英語では、ニワトリのえさにするため Fat Henhen雌鶏の意)などと呼ばれる。

特徴

生長が早く、高さ1m程度に達し[2]、特に窒素分の多い土地にはよく育つ。

風媒花であるため花粉が飛散しやすく、アレルギーの原因になる。

アカザの葉を食草とする昆虫カメノコハムシハムシ科)がおり、食痕のある葉を裏返してみると、扁平な成虫や、三葉虫を髣髴とさせる形態の幼虫がよく見られる。

亜種・変種、雑種

アカザの若葉は赤い状の微細なに覆われ、未熟な細胞を、遺伝子を傷つける紫外線や、光合成に使い切れず、葉緑素から活性酸素を発生させて組織を損傷する原因となる過剰な光のエネルギーから防御しているが、この粒が白いものをシロザ(白藜、Chenopodium album)といい、こちらの方が多く見られる。としてのシロザは世界的に広く分布し、分類学上は普通、アカザをシロザの1変種としているが、様々な亜種変種があって、学名(亜種、変種または同種異名)としては、C. centrorubrumC. album var. microphyllumC. album var. missourienseC. album var. stevensiiC. album subsp. striatumC. acerifoliumC. giganteumC. jenissejenseC. lanceolatumC. pedunculareC. probstii などが用いられる。

また、同属の他種(C. berlandieriC. ficifoliumコアカザ)、C. opulifoliumヒロハアカザ)、C. strictumシロザモドキ)、C. suecicum)と容易に交雑する。

分布・生育地

中国原産で、古くは野菜として栽培され、現在雑草としてみられるものも野生化起源といわれる。

利用

葉はゆでて食べることができ、同じアカザ科のホウレンソウによく似た味がする。シュウ酸を多く含むため生食には適しない。種子も食用にできる(同属のキノア C. quinoa は種子を食用にする穀物である)。「藜の羹(あつもの)」は粗末な食事の形容に使われる。

また、は太く硬くなるため、の材料にもされた。

薬効

茎葉を乾燥してその煎じた汁を口の中に含めば虫歯の痛みを治し、また生葉の搾り汁は毒虫などに刺された時塗ると痛みが止まるとされる[2]

アカザ属

アカザ属(アカザぞく、学名: Chenopodium)は、アカザ科APG植物分類体系ではヒユ科)のの一つ。

脚注

  1. ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)”. 2012年2月14日閲覧。
  2. ^ a b 本山荻舟『飲食事典』平凡社、1958年、4頁。OCLC 10032783全国書誌番号:59001337 

参考文献

関連項目

外部リンク