T9

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T9(ティーナイン、Text on 9 keys)は、米国Tegic Communications社(現在はNuance Communicationsに合併)が開発した[1]シングルタップによる文字入力方式である。米国では特許を取得している[2]PDA携帯電話などの限られたキーの中で、効率よく文字入力ができるように開発されている。

日本ではNECカシオ モバイルコミュニケーションズ(旧NEC含む)製NTTドコモソフトバンクモバイル向け携帯電話(スマートフォン含む)に搭載されている。スマートフォンの場合、これらのキャリア向け以外でもauKDDI沖縄セルラー電話連合)向け機種ではG'zOne IS11CA(カシオブランド)やMEDIAS BR IS11NなどがT9入力が可能になっている。以前はパナソニック製FOMA端末にも採用されていた。

概要[編集]

T9は各キーに割り当てられている文字の頭文字を1回ずつ入力するだけで、あとに続く文字を含む単語に変換することができる。例えば「こんにちは」は「かわなたは」(一般的な日本の携帯電話では「20546」)と入力すると候補として表示される。いくつもの単語が予測できる場合、例えば「かあかあ」では「こうかい」、「けいかい」、「かいかい」、「こうこう」、「くうこう」などの候補が表示される。

日本ではデンソー製端末J-DN31に初搭載された。日本語の場合、オリジナルのT9では読み方のみ変換されるので別途漢字変換を行う必要がある。前述の「かあかあ」で「こうかい」を選択した場合は「公開」、「後悔」、「航海」、「公海」などから選ぶことになる。

NECが日本語向けに改良したT9ダイレクトでは入力時にすでに漢字変換されたものが候補に挙がる。ただし同訓異字や同音異義語については従来と同様に変換操作を行わなければならない。T9ダイレクトは同社製NTTドコモ向け携帯電話のmova N506iFOMA N900iS以降の機種に搭載されている。ただし同社開発の日本語入力システムMogic Engineが搭載されるようになってからは操作自体に変更は無いものの「T9ダイレクト」という表現は消えている。

本方式はトグル入力よりも少ないキーストローク数で文字入力が可能なことが長所である一方、日本語の場合習得までに少々困難を伴うこと、入力ミスを起こしやすいこと[3][4]、注意深く使用しないと全く意味の異なる文章が作成される可能性があること(英語では"textonyms"や"T9onyms"と呼ばれる)[5][6]が短所として挙げられる。ただし入力ミスについてはXT9では自動補正機能が搭載されている。

脚注[編集]

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  1. ^ Nuance Communications press release(英語)
  2. ^ Reduced keyboard disambiguating computer.(1998)
  3. ^ 連文節から予測変換へ - 携帯入力の次は?” (日本語). ITmedia +mobile (2003年4月28日). 2011年5月28日閲覧。
  4. ^ 最新のT9ダイレクト搭載 - 「N901iC」の文字入力を試す” (日本語). ITmedia +mobile (2005年3月28日). 2011年5月28日閲覧。
  5. ^ Slang early-warning alert: `Book' is the new `cat's pajamas' | Change of Subject” (英語). Blogs.chicagotribune.com (2007年1月19日). 2009年7月8日閲覧。
  6. ^ By David Pogue (2006年9月7日). “In a Sea of Cellphones, a Pearl - New York Times”. Nytimes.com. 2009年7月8日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]