FRONT MISSION5 Scars of the War

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FRONT MISSION5
~Scars of the War~
ジャンル ドラマティックシミュレーションRPG
対応機種 PlayStation 2
開発元 スクウェア・エニックス
発売元 スクウェア・エニックス
人数 1人
メディア DVD-ROM1枚
発売日 通常版:2005年12月28日
アルティメットヒッツ:2006年10月5日
対象年齢 CERO B(12歳以上対象)
売上本数 203,060本[1]
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FRONT MISSION5〜Scars of the War〜』 (フロントミッションフィフス スカーズオブザウォー)は、2005年12月28日スクウェア・エニックスより発売されたPlayStation 2ゲームソフト。ジャンルはシミュレーションRPG

概要

2003年に再開されたフロントミッションプロジェクトの第5弾としてリリースされ、フロントミッションシリーズのナンバリングタイトルとしては第5作となる(リメイクを除けばシリーズ通算9作目)。U.S.N.に属する一兵士の2070年から2112年までの半生を綴っている。なお、『1st』『3rd』のストーリーとの関連性の強い作品でもある。

キャッチコピーは「これは、戦いの歴史を駆け抜けた一人の兵士の物語――」。

2006年に廉価版「アルティメットヒッツ」として再発売。通常版に存在した不具合が一部修正されている。

シリーズでは唯一、海外でのリリースがなされていないタイトルである。

ストーリーは大別するとUSN陸軍編、ストライクワイバーンズ編、バーゲスト編の3つに分けられる。

あらすじ

これは、戦いの歴史を駆け抜けた一人の兵士の物語――

西暦2070年、ウォルター・フェングレン・デュバルランディ・オニールの3人は第1次ハフマン紛争に巻き込まれる。そこでウォルターは顔に火傷、グレンは手の甲に大きな傷跡を残したまま、ウォルターとランディはU.S.N.の施設に、グレンはO.C.U.の施設に送られていった。

西暦2086年、U.S.N.の一兵卒となった2人はある暴動を鎮圧するための任務でヴァンツァーに乗ったグレンと再会する。その3年後、二人はヴァンツァーパイロットになるための訓練を終え、晴れてヴァンツァーに乗ることを許される。

西暦2090年、ラーカス事件を引き金にして起こった第2次ハフマン紛争にて、ウォルターとランディはグレンと交戦、その結果グレンはU.S.N.軍に捕虜として連行されたはずだった……。

西暦2091年8月9日 フォートモーナスにて再会したグレンは、何のためらいもなくランディを殺す。この直後に停戦の連絡が伝えられ、後もう少し早ければ……と、ウォルターに深い傷跡を残した。3日後、ランディの遺品を整理していたウォルター、彼の部屋にあったとある部隊への編入志願書を見つけ、意志を継ぐ意味で申請する。地獄の編入訓練を経てU.S.N.海軍第11特殊機甲強襲連隊"ストライク・ワイバーンズ"に入隊したウォルター。そこの本隊長は、かつてウォルターとランディと同じ施設で育っていたリン・ウェンライトであった……。

キャラクター

ゲームシステム

本作は、基本的にアドベンチャーパート→バトルステージの繰り返しでゲームが進行する。アドベンチャーパートでは基地や空母エクリプス内で情報収集を行ったり、兵士をスカウトすることが可能である。機体のセットアップ、パイロットの編成、シミュレーター、アリーナといったバトルステージへの準備もアドベンチャーパートおよびブリーフィングで行うことになる。バトルは基本的に従来のシリーズと同様にターン制のシミュレーションバトルで展開していく。

以下、本作で採用されたシステムについて解説する。

スカウト
本作では主人公と同行するメカニック以外は固定メンバーがいないためプレイヤーが事前に兵士をスカウトして自分の小隊に加えることが出来る。パイロットをスカウトする際に重要になってくるのが適正ジョブと性格である。性格には「攻撃型」「味方重視型」「目標重視型」「慎重型」の4種類が設定されており、これによってバトル中の誤射の確率も変動するためスカウトする際には性格選びも重要になってくる。なおキャラクターの中にはS型と呼ばれる特殊なステータスを持ったものも存在する。適正ジョブについてはジョブの項目を参照。
スキル
スキルにはバトル中にランダムで発動する「バトルスキル」、セットするだけで効果を発動する「オートスキル」、リンクが可能となる「リンクスキル」、バトル中にコマンドとして選択できるようになる「コマンドスキル」、適正ジョブのみが覚えられる「スペシャルスキル」、小隊のメンバー全員に効果を及ぼす「リーダースキル」の6種があり、それぞれジョブレベルを上げることで覚えることが可能である。
ジョブ
各パイロットには適正ジョブとジョブレベルが設定されており、バトル中の行動によってジョブレベルが上がる。ジョブレベルを上げるとスキルを修得できる。各ジョブには適正ジョブでのみ習得可能な「スペシャルスキル」が設定されている。ジョブには、格闘特化の「ストライカー」、近距離武器特化の「アサルト」、狙撃特化の「ガンナー」、遠距離特化の「ランチャー」、回復特化の「メカニック」、電子戦特化の「ジャマー」の6種類がある。
バックパック
『4th』と同様に様々な効果を持つバックパックが登場する。
『4th』からの変更点として「リペア+EMP」など複数機能を持つバックパックの追加、レーダーがEMPへ統合、ラジオとジェットバックの削除(ジェットパックは敵専用装備に)、等がある。
リンク
前作『4th』から引き続き採用された、味方のユニットのサポートを受けられるシステム。前作ではあらかじめパイロットごとに誰とリンクさせておくかを設定しておくなど細かい操作を必要としたが、今作では「リンクスキル」のセットだけでリンクの発動が可能になっている。
改造システム
3rd』にもあったヴァンツァーを強化するシステムの一つの発展型で、今作ではランクアップ制。シナリオの進行に伴い、「RP」と呼ばれるリソースを消費することによって、パーツの性能を上げることが出来る。パーツレベルは全12段階で、一機種のパーツは基本的にレベル1から複数のバリエーション(HP重視型、出力特化型等)に概ね分化する。このように一つの能力を特化させるか、バランスを取るかといった個々のプレイスタイルが求められるようになった。
今作は武器も改造できるが、軽量化してしまうと以後改造不可になるものも存在する。
流れ弾
本作では射線(攻撃ユニットと被攻撃ユニットを結ぶ線)上にいるユニットにも流れ弾があたるようになった。そのため今まで以上に各ユニットの位置取りが重要になっており、敵同士の流れ弾を誘い耐久力を削ぐといった戦術も有効であるなど、攻略の幅も広がっている。また、本作では高低差等による命中率補正が存在しないなどシステム面で簡素化されており、流れ弾を防ぐ場合は射線の判定のみに気を配れば良い。
アリーナ
いわゆる『1ST』、『2nd』の闘技場。最大3vs3のバトルが可能であり、CP(本作におけるお金のようなもの)を賭けて敵に勝てばそれぞれの対戦相手のオッズによって儲けることができる。また本作がシリーズ10周年記念作品ということもあってか、対戦相手のチームには過去のシリーズに登場したキャラクターたちが多数登場する。ただし、『4th』と『5th』以外のキャラクターは本作用にデザインが変更されている。
故人キャラクターに関してはシステムでエミュレートしたものという設定となっている。
サバイバルシミュレーター
本作オリジナルのシミュレーター。本編とは異なりパイロット1名での参加となり、指定された初期装備で出撃し、様々なパーツや武器を回収して強化し最大100層のステージをクリアする。
いわゆるローグライクゲームであるが、シミュレーター内で取得した武器やパーツの一部は持ち帰ることが可能であり、またここでしか取れないレアな武器やパーツが多数ありやりこみ性も充実している。なお持ち帰れるパーツはクリアボーナスとして得られるRPとの選択となる。
シアター
既に見たムービーを視聴することが出来る要素。シナリオの名場面が揃っており、概略を見返す上でも有用となっている。また、本作の迷彩やカラーは『2nd』以上に多彩なため、笑いを誘うセットアップで視聴することが出来る。

制作スタッフ

脚注

  1. ^ 『ファミ通ゲーム白書2007』エンターブレイン、2007年、389頁。ISBN 978-4-7577-3577-4 

外部リンク