金子静夫

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金子 静夫(かねこ しずお)は静岡県掛川市在住の日本アマチュア天文家。複数の新星矮新星の発見者。

人物[編集]

埼玉県加須市出身で浦和市で育つ。幼少期から星に興味を持ち、高校の地学部・大学・就職後も天文の趣味を続けていた。同じく新星を発見しているアマチュア天文家の坂庭和夫は高校時代の先輩にあたる。1998年に引っ越してきた掛川市に住むコメットハンターで多数の新星を発見している西村栄男の存在を知り、親交を深めるとともに2005年頃からは自身でも新天体の捜索を始めるようになった。 ベランダから200mmf2.8望遠レンズとキャノンのセンサーサイズの小さいデジタルカメラでの捜索となり苦戦するも、画像処理の半自動化などの工夫を重ね2010年5月8日に初めて矮新星を独立発見、2012年7月7日には初めて新星を発見した。

2010年の矮新星発見の功績で日本天文学会より天文功労賞(短期部門)を受賞した[1]ほか、何度も天体発見功労賞を受賞している[2]

発見した天体[編集]

発見した新星(独立発見含む) 4個[3][4]
名前  発見日 発見等級 出典
いて座V5592星 2012年7月7日 7.7 [5][1]
へびつかい座V3663星 2017年11月11日 9.4 [6][1]
たて座V659星 2019年10月29日 9.8 [7][1]
いて座V6594星 2021年3月25日 11.2 [8][1]
  • [1] 独立発見
発見した新星以外の変光星 2個
名前 発見日 発見等級 発見星座 天体種別 出典
OT J213806.6+261957 2010年5月8日 9 ペガスス座 や座WZ型 [9][1]
PNV J06270375+3952504 2013年4月3日 12.0 ぎょしゃ座 や座WZ型 [10]
  • [1] 独立発見

参考文献[編集]

  • 金子静夫 (2013). “〈2012年度日本天文学会天体発見功労賞受賞〉2010年天文功労賞,2012年天体発見功労賞をいただいて”. 天文月報 (日本天文学会) 106 (12): 805-809.  Full

脚注[編集]

  1. ^ 日本天文学会天文功労賞 受賞者”. 日本天文学会. 2021年7月26日閲覧。
  2. ^ 日本天文学会天体発見功労賞 受賞者”. 日本天文学会. 2021年7月26日閲覧。
  3. ^ 日本人が発見した天の川銀河の中の新星一覧”. 国立天文台. 2021年7月26日閲覧。
  4. ^ CBAT List of Novae in the Milky Way”. CBAT. 2021年7月26日閲覧。
  5. ^ 七夕の夜、西山さんと椛島さんがいて座に新星を発見”. アストロアーツ. 2021年7月26日閲覧。
  6. ^ 中村さんと金子さん、へびつかい座に新星を発見”. アストロアーツ. 2021年7月26日閲覧。
  7. ^ 西山さん椛島さんたち4人がたて座に新星を発見”. アストロアーツ. 2021年7月26日閲覧。
  8. ^ 西村さん・中村さん・金子さん、いて座に新星を発見”. アストロアーツ. 2021年7月26日閲覧。
  9. ^ ぺガスス座で明るい新矮新星が増光”. アストロアーツ. 2021年7月26日閲覧。
  10. ^ 金子さんがぎょしゃ座に新しい矮新星を発見”. アストロアーツ. 2021年7月26日閲覧。