英知と希望の詩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
英知と希望の詩
ティーンエイジ・ファンクラブジャド・フェアースタジオ・アルバム
リリース
録音 グラスゴー
ジャンル オルタナティヴ・ロックインディー・ロック
時間
レーベル イギリスの旗ドミノ・レコーズ/ゲオグラフィック
アメリカ合衆国の旗オルタナティヴ・テンタクルズ
日本の旗エピックレコードジャパン
プロデュース ティーンエイジ・ファンクラブ、ジャド・フェアー
専門評論家によるレビュー
ティーンエイジ・ファンクラブ アルバム 年表
ハウディ!
(2000年)
英知と希望の詩
(2002年)
ヒット大全集
(2002年)
テンプレートを表示

英知と希望の詩』(原題:Words of Wisdom and Hope)は、イギリスオルタナティヴ・ロックバンドティーンエイジ・ファンクラブが、ハーフ・ジャパニーズのメンバーとして知られるジャド・フェアーと連名で2002年に発表したスタジオ・アルバム

背景[編集]

ボーカルはジャド・フェアーとゲストのカトリーナ・ミッチェル(ザ・パステルズ)が担当しており、ティーンエイジ・ファンクラブのメンバーは楽器の演奏に徹している[3]。 ジャケットのイラストはフェアーが描いた[3][4]

本作は日本のエピックレコードジャパンから先行発売された。日本盤ボーナス・トラックのうち「いつも心に」は、イギリスではアナログ盤シングル「Near to You」のB面曲として発表され[5]、アメリカではシングルA面曲となった[6]

アメリカ盤はジェロ・ビアフラの主宰するインディーズ・レーベル、オルタナティヴ・テンタクルズから発売された。なお、メンバーはサンフランシスコでビアフラと対面を果たしており、ノーマン・ブレイクは後に『アンカット』誌のインタビューで「僕は若い頃からデッド・ケネディーズに入れ込んでいたから、本当に素晴らしい体験で、彼(ビアフラ)は聡明な男だったよ。グラスゴーのポップ・バンドがオルタナティヴ・テンタクルズに行き着くなんて、素晴らしいことだと思ったね」と語っている[7]

評価[編集]

ブライアン・オニールはオールミュージックにおいて5点満点中3.5点を付け「ティーンエイジ・ファンクラブは恐らく、ジャド・フェアーに関わってきたミュージシャンの中でも特に純粋なポップ・アクトで、彼(フェアー)の名を冠したアルバムの中でも、恐らく最も率直である。しかし、あまりにも洗練されているわけではないことには留意してほしい。このグラスゴー出身のバンドは、メロディックな技法を取りながらも、ガレージロック的な自然さも伴っている」と評している[8]。また、ジェイソン・フォックスは『NME』誌のレビューにおいて10点中6点を付け「ティーンエイジ・ファンクラブによる、親しみやすい騒音を伴った相変わらず楽しい背景に乗って、ジャドが感傷的に人生を反芻する様は、プロザックを服用したルー・リードを思わせ、根源的な魅力を幾分もたらしている」と評している[9]

収録曲[編集]

全曲とも作詞はジャド・フェアー、作曲はティーンエイジ・ファンクラブによる[4]

  1. 奇跡の君 - "Behold the Miracle" - 3:46
  2. アイ・フィール・ファイン - "I Feel Fine" - 3:28
  3. 君のそばに - "Near to You" - 4:13
  4. 素敵な微笑み - "Smile" - 4:48
  5. ラブ・ソング - "Crush on You" - 7:07
  6. キューピッド - "Cupid"[10] - 6:36
  7. 優しさの力 - "Power of Your Tenderness" - 3:57
  8. 吸血鬼の爪 - "Vampire's Claw" - 3:45
  9. シークレット・ハート - "Secret Heart" - 2:37
  10. 愛あるロック - "You Rock" - 5:36
  11. 愛の征服 - "Love's Taken Over" - 4:01
  12. 素晴らしきこと - "The Good Thing" - 3:27

日本盤ボーナス・トラック[編集]

  1. ロック・ミー・トゥナイト - "Rock Me Tonight" - 2:31
  2. いつも心に - "Always in My Heart" - 2:45

参加ミュージシャン[編集]

  • ジャド・フェアー - ボーカル
  • ノーマン・ブレイク - ギターベースキーボード
  • レイモンド・マッギンリー - ギター、マンドラ
  • ジェラード・ラヴ - ギター、ベース、ドラムス
  • ポール・クイン - ドラムス、ギター
  • フィンレイ・マクドナルド - キーボード、ベース
  • カトリーナ・ミッチェル - ボーカル、ドラムス

脚注[編集]

  1. ^ ティーンエイジ・ファンクラブとジャド・フェアー / 英知と希望の詩”. CDJournal.com. 音楽出版社. 2015年6月18日閲覧。
  2. ^ Words Of Wisdom And Hope: Teenage Fanclub & Jad Fair: Amazon.co.uk: MP3 Downloads
  3. ^ a b Teenage Fanclub & Jad Fair* - Words Of Wisdom And Hope (CD, Album) at Discogs
  4. ^ a b CD英文ブックレット内クレジット
  5. ^ Teenage Fanclub And Jad Fair - Near To You (Vinyl) at Discogs
  6. ^ Teenage Fanclub & Jad Fair* - Always In My Mind / Let's Celebrate (Vinyl) at Discogs
  7. ^ Woodhouse, Alan. “Interview: Norman Blake”. Uncut. Time Inc. (UK). 2015年6月18日閲覧。
  8. ^ O'Neill, Brian. “Words of Wisdom and Hope - Teenage Fanclub”. AllMusic. 2015年6月18日閲覧。
  9. ^ Fox, Jason. “NME Reviews – Teenage Fanclub & Jad Fair : Words OF Wisdom And Hope”. NME. 2015年6月18日閲覧。
  10. ^ 日本盤やアメリカ盤では"Cupid"、イギリス盤では"Love Will Conquer"と表記されている