百匹目の猿現象

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

百匹目のサル から転送)

百匹目の猿現象(ひゃっぴきめのさる げんしょう、: Hundredth Monkey)は、ライアル・ワトソンが創作した生物学現象である。

宮崎県串間市幸島に棲息するの一頭がイモを洗って食べるようになり、同行動を取る猿の数が閾値(ワトソンは仮に100匹としている)を超えたときその行動が群れ全体に広がり、さらに場所を隔てた大分県高崎山の猿の群れでも突然この行動が見られるようになったという。このように「ある行動、考えなどが、ある一定数を超えると、これが接触のない同類の仲間にも伝播する」という現象を指す。

目次

[編集] 経緯

ライアル・ワトソンが1979年の著書『生命潮流』 で述べ、1981年に出版されたケン・キース・ジュニア(1921年-1995年)の著書『百番目のサル』によって世界中に広まった。これが日本では船井幸雄著『百匹目の猿―思いが世界を変える』で紹介され、人間にも同様の現象が存在するのではないかということでニューエイジ関係で有名になった。

だが実際には、初めに報告されていたニホンザルの逸話は創作されたもので、高崎山はもちろん群全体に伝播したという事実も観測されていない。ライアル・ワトソンは河合雅雄の論文[1]によるものとしていたが、その論文に反する内容であり、全くの創作であることをライアル・ワトソン自身も認めている。元になった河合の論文では、高崎山でニホンザルの行動観察を行なっていたら、芋を海水で洗って食べる事を覚えた個体が出現し、長期間おこなっていたために、群れでそれを真似するものが数頭現れた。という程度である。


[編集] 参考文献

[編集] 脚注

  1. ^ KAWAI, M 'Newly acquired precultual behaviour of the natural troop of Japanese monkeys on Koshima Islet,'Primates 6: 1-30, 1965.

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク