水上速度記録
水上速度記録(すいじょうそくどきろく)。現在の水上平均速度記録はオーストラリアのケン・ウォービー(Ken Warby)が1978年10月8日に出した平均時速317.60マイル(511.11km/h)。致死率が非常に高い危険な記録であり、ジェットエンジンが記録更新に使用されるようになった1950年代以降では最終的に生還したチャレンジャーはほとんどいない。水上記録は相反方向の2回の走行における平均速度が記録として認定される。
イギリスのレーサー、ジョン・コッブ(John Cobb)は1952年9月29日にネス湖でジェットエンジンを使用した「クルセイダー」により記録を狙ったが、推定240マイル(約386km/h)付近で先端が崩壊し機体が水面に叩きつけられて分解し、死亡した[1]。イタリアのマリオ・ヴェルガ(Mario Verga)も1954年10月8日にイゼーオ湖でピストンエンジン付きの「ラウラⅢ」により挑戦したが、機体がひっくり返り死亡[2]。
イギリスのレーサー、ドナルド・キャンベル(Donald Campbell)は1955年7月23日に「ブルーバードK7」で史上初の平均速度200マイル(約320km/h)突破を達成。その後も幾度となく世界記録を更新した。しかしアメリカ合衆国のリー・テイラー(Lee Taylor)というチャレンジャーが現れた際、1967年1月4日に湖水地方のコニストン湖で「K7」により300マイル(約480km/h)越えを狙った際、推定320マイル(約512km/h)付近で機体がひっくり返り、水面に叩きつけられて死亡した[3]。K7の残骸及び彼の遺体は2001年になってようやく引き上げられた。
そのリーは「ハスラー」により459.02km/hを1967年6月30日に出し世界記録を更新したが、その記録もケン・ウォービーの「スピリット・オブ・オーストラリア」によって1977年11月20日に塗り替えられ(464.46km/h)、その翌年に同じく「スピリット・オブ・オーストラリア」によりニューサウスウェールズ州ブロワリングダムで出した511.11km/hが現在の世界記録。2012年現在、平均速度で300マイルを超えるスピードを出しながら生還することに成功したのは彼のみである。
リーは1980年11月13日にタホ湖で史上初のロケットエンジンを搭載した「ディスカバリー2」により記録更新を狙ったが、テスト走行時に約432km/hに達した時、フロートが波に衝突して破損したのが元でバランスを失い、水面に叩きつけられて死亡した[4]。クレイグ・アーフォンス(Craig Arfons)も1989年7月9日にフロリダのジャクソン湖でケブラー複合材製の「Rain X Challenger」により記録更新を狙ったが、推定301マイル(約483km/h)付近で機体が空中に放り出され死亡した[5]。
ケンはその後もチャレンジを続けたが記録更新には至らず、2007年に記録更新のチャレンジから引退している。
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