死んだ女の子

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死んだ女の子』(しんだおんなのこ、原題:Kız Çocuğu)は、トルコの詩人ナーズム・ヒクメットが1956年に発表した詩である[1]広島市への原子爆弾投下により死亡した7歳の少女を題材とした本作は各国で訳され、1970年代には世界中で歌われるようになった[1]。日本では中本信幸など、複数の翻訳者によるバージョンが存在している[2]。原題の Kız Çocuğu は、トルコ語で単に「少女」を指す言葉である。

本項ではいくつかのバージョン、およびそのカバーについても解説する。

カバー[編集]

高石友也は1967年に発売された『想い出の赤いヤッケ 高石友也フォーク・アルバム』の中で、外山雄三が作曲したバージョンをカバーしている[2]

元ちとせも同じ作曲者によるバージョンをカバーしており、坂本龍一プロデュースの元、本楽曲は2006年に期間限定でデジタル配信され、収益金はユニセフへ送られた[2]。2006年にリリースされたアルバム『ハナダイロ』の初回限定版にボーナストラックとして収録されている。また、映画『キャタピラー』の主題歌にもなった[2]。2007年8月5日には、NHKの特別番組『夏うた2007』の一環として、広島市の原爆ドーム前で歌った[2]。のちに本楽曲は単独でiTunes上に配信され、2015年に発売されたコンセプト・カバーアルバム『平和元年』にも収録されている。

ピート・シーガーが英語に翻訳しスコットランドの古謡 "The Great Silkie of Sule Skerry" に載せたバージョンは「I Come and Stand at Every Door」として知られており、バーズが1966年に発表したアルバム『霧の5次元』にて「死んだ少女」という邦題で、ディス・モータル・コイルが1991年に発表したアルバム『ブラッド (Blood)』でそれぞれカバーした[2]

その他[編集]

1976年に発表された山岸凉子作の短編漫画「夏の寓話」は、戦後の広島平和記念日直前の広島を舞台に、原爆で死んだ少女の霊と青年の交流を描いた幻想譚で、ラストシーンにこの詩の日本語訳を全文引用している。

脚注[編集]

  1. ^ a b “死んだ女の子”. 佐賀新聞. (2015年8月6日). http://www.saga-s.co.jp/column/ariakesyou/215949 2015年8月14日閲覧。 
  2. ^ a b c d e f 常木 晴亮 (2006年8月10日). “8月,広島を想う。元ちとせ「死んだ女の子」”. All About. 2015年8月14日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]