大木トオル

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大木トオル(おおきとおる)は日本のミュージシャン

人物[編集]

●全米ツアー成功、ミシシッピ・デルタ・ブルース・フェスティバルの出演、ミュージシャンとして米国永住権の獲得、これら東洋人初の快挙を達成。

1976年に渡米し、自らのトオル・オオキ・ブルースバンドを率い、東洋人として初の全米ツアーを成功させた。その後3度、ミシシッピ・デルタ・ブルース・フェスティバルに参加し、日米の懸け橋としての功績が認められ、ミュージシャンとして永住権を取得。これらはいずれも東洋人として初の快挙である。

ブルースの本場・米国でのツアーやコンサートライブでの大木トオルの活躍ぶりは、日本には紹介される機会が少なかったものの、特筆すべきものである。マディー・ウォーターズを筆頭にジョン・リー・フッカー、アルバート・キング、B.Bキング、ベン・E・キング、マイク・ブルームフィールドなど、共演者は伝説の人物たちでありビッグネームばかりだ。

特に「スタンド・バイ・ミー」のヒットで知られるベン・E・キングとは、「マンハッタン・ブラザース」というデュオを組み、国際的に活動。無二の親友である天才ブルースマン・マイク・ブルームフィールドとは、曲づくり、ライブ、レコーディングでのコラボを予定しながら、マイクの突然の死によって直前で頓挫してしまった。これらの数々のドラマは、大木トオルの著書「伝説のイエロー・ブルース」(文芸春秋・講談社/絶版)で詳説。

大木トオルの代表曲は1979年の 「Everynight woman」であり、長く愛され親しまれてきた曲である。このようにデビュー以来45年間、歌い続けてきたブルースマン・大木トオルだからこそ、歌の原点、人と動物の理想の関係、人の世のもっとも大切なものを、魂の叫びであるイエロー・ブルースに乗せて歌うことができる。

大木トオルはブルースマンとしての活動とともに、現在、36年にわたり、国際セラピードッグ協会の代表として、捨て犬と被災犬の救出とセラピードッグ育成を行い、広くセラピー活動を続けている。

●動物の真っ直ぐな心は人の心に素直に届く。

ガンや難病と闘う患者には勇気を、引き籠りや生きる意味を見いだせない若者には意欲を、アルツハイマーや認知症の高齢者には治癒と笑顔を、セラピードッグは与えてきた。 幼少時に愛犬と別れざるを得なくなった苦い経験と、米国での音楽活動中に目覚めた動物愛護の精神、そして動物愛護センターで殺処分の直前に救出した名犬チロリとの運命的な出逢い。これらの経験によって、大木トオルは全身全霊を賭けて、捨て犬・捨て猫の殺処分ゼロを目指す活動に取り組んでいる。その活動は日本国内にとどまらず、アジアから世界へと広がっている。これらの活動は彼の著書「名犬チロリ」(岩崎書店)に詳しく述べられている。 虐げられた黒人たちの魂の叫びであるブルースによる傷ついた精神の回復と、殺される直前に救出された捨て犬たちによって行われるセラピー。大木トオルは「ブルース」と「捨て犬」によって、魂の救済に取り組むことをライフワークとしている。

音楽[編集]

●「イエロー・ブルースマン」としての大木トオル

大木トオルは東洋人(日本人)として初めてブルースの本場米国で成功を収めたブルースシンガーだ。彼の歌うイエロー・ブルースは、米国人の魂を揺さぶった。

しかし、大木トオルはその後、ブルースの道をさらに一歩踏み出した。人の心を揺さぶるブルースを自らの生き方とし始めたのだ。人種の壁に挑戦し、人と動物の間に橋を架け、そしていま、人と人との心をイエロー・ブルースで結びつけようとしている。 大木トオルはアメリカで音楽関係の記者からのインタビューのなかで、「あなたはブルースをどのような音楽だと考えますか?」と訊かれ、 「私は『Blues is people’s music』と答えました。 あらゆる人種が差別なく、同じ人間の心の叫びがブルースなのです。 人の本当の感情に裏付けられた歌がブルースなのです。 出発は黒人の音楽だったブルースが広く認知され、人々の音楽になるに従い、 音楽としての普遍性を持つようになってきたのです。 人々の音楽だからこそ、Black だけでなく、White やYellowにもできる、 そして聴く人の心を打つ、それが本来のブルースの姿ではないでしょうか。」 この答えのなかに大木トオルがブルースに込めた想いが示されている。

大木トオルはシンガーとしてだけでなく、プロデューサーとしてダウン・タウン・ブギウギ・バンド、クールス、シャ・ナ・ナ(U.S.A.)などをてがけ、スリーピー・ジョン・エステスの「スリーピー・ジョン・エステスの伝説(The Legend of Sleepy John Estes)」はオリコン・チャートに食い込む大ヒットとなった。 その他に大木トオルがプロデュースしたのはアルバート・キング、ベン・E・キング、パティ・キム、原田芳雄、西田敏行等々である。

作詞・作曲・編曲担当。歌・演奏はクールス

エピソード[編集]

  • マイク・ブルームフィールドと親交があり、一緒にアルバムを制作する予定だったが、マイクが急逝したため、実現はしなかった。しかし後に大木はアルバート・キングとアルバムを制作することになり、マイクの在籍したポール・バターフィールド・ブルース・バンドのヒット曲である「絶望の人生」をアルバートと共に録音し、旧友マイクに捧げている。
  • ニューヨークで「あなたの知っている日本人音楽家は?」と街ゆく人に質問すると、秋吉敏子と並び大木の名前が挙がることが多かった。それは彼の音楽が、そこに暮らすアメリカ人の生活に寄り添っていたからである。

ディスコグラフィ

●アルバム

1979年MANHATTAN MIDNIGHT 史上最強のブルースバンドといわれ、センセーショナルに登場した「TORU OKI BLUES BAND」。 その伝説のバンドがニューヨークのエレクトリック・レディランド・スタジオで収録した、名曲「EVERYNIGHT WOMAN」、「TEN DOLLAR ENGEL」などを収めた名盤。

1980年BROADWAY SHUFFLE 「CROSS-COUNTRY BOOGIE」「HIP SHAKE MAMA」「GOING BACK TO CHICAGO」など、今もコンサートライブで歌われるオリジナル・ブルース・ナンバーを収録したアルバム。

1981年TORU OKI BLUES BAND featuring ALBERT KING ブルースの「ビッグボス」アルバート・キングと「ミスター・イエロー・ブルース」大木トオルによるスーパーセッション・ブルース・アルバム。ブルースファン必聴の奇跡のセッション・アルバム。

1983年ミシシッピブルースフェスティバル ライブ・アルバム 東洋人ブルースシンガーとして初めて聖地ミシシッピ・デルタ・ブルースフェスティバルに出演した記念すべきライブ・アルバム。

1984年BAD BOY-LIVE 白人のブルースバンドとしては最強と称されたナイトホークスをバックに歌う、大木トオル白熱の日本公演のライブ・アルバム。

1985年KEEP ON RUNNING 大木トオルの全米ロードツアーを歌った「KEEP ON RUNNING」をはじめ「MIDNIGHT TRAIN」などの名曲を収録した、ブルースフィーリングたっぷりの1985年の名盤。

1985年EAST BAY SIDE STORY 戦艦三笠の艦上で行ったヨコスカ・ベイサイド・ストーリーを歌ったアルバム。「EAST BAY SIDE WOMAN CALL THE BLUES」や「DOG OF THE BAY」などを収録したライブ・アルバム。

1987年I’LL BE ALRIGHT 大木トオルがニューヨーク・オールスターズやベン・E・キングと共作したアルバム。「I’LL BE ALRIGHT」やソウルの名曲「SHOUT」などを収録。

1991年The MANHATTAN Brothers 「ミスター・イエロー・ブルース」大木トオルと「スイート・ソウルの王様」ベン・E・キングとのスーパーセッション・アルバム。二人の共作によるオリジナルナンバーとソウルの名曲を収録。

1993年BEST OF TORU OKI 「ミスター・イエロー・ブルース」大木トオルのベストアルバム。 大木トオルのブルースマン・ライフのすべてがこの一枚に凝縮された愛蔵盤。

1999年BEST OF TORU OKI SPECIAL 「ミスター・イエロー・ブルース」大木トオルの30周年を記念してリリースされたメモリアル・アルバム「Best Of Toru Oki Special」。

2002年SWEETHOME TOWN 故郷日本橋人形町への望郷の想いを歌った「SWEETHOME TOWN」。 2002年、水天宮の凱旋公演を果たし、絶賛を浴びたアルバム。

2002年Soulful 大木トオルのあふれる魂(Soulful)が詰まったアルバム。 「SWEET SOUL MUSIC」などのオリジナルナンバーや「SWEET LITTLE DARLING」などのブルースの名曲を収録。

2008年Singin’ the America デビュー40周年を記念してリリースされたアメリカの名曲を歌ったアルバム。 映画「ゴッドファーザー」のテーマやナット・キングコールの「LOVE LETTER」などを収録した愛聴盤。

●シングル盤

1979年のビッグヒット「EVERYNIGHT WOMAN」のシングルカット盤。 B面には初めて日本語の詞で歌った「EVERYNIGHT WOMAN」をカップリング。

1980年にヒットした大木トオルのオリジナルナンバー「GOING BACK TO CHICAGO」。 軽快なリズムにのって歌う大木トオルのスマッシュ・ヒット。

1980年のシングルカット「SAYONARA DARLING」。 コンサートのアンコール曲としても人気のスイート・ソウルのメロディアスなナンバー。

1984年のシングルカット「MIDNIGHT TRAIN」。 アップテンポのリズムにのって歌うごきげんなダンスナンバー。

1992年のシングルカット「悲しい歌」。せつせつと歌い上げる日本語ナンバー。 英語バージョンは大木トオルとベン・E・キングのデュエットで「MANHATTAN SAD SONG」としてレコーディングされています。

1992年のシングルカット「SWEET SOUL MUSIC」。 オリジナルナンバー「SWEET SOUL MUSIC」と「CALL THE BROWN SUGER WOMAN」のダブル・ヒットナンバーを収録。

2006年「EYE CONTACT」。 いまは亡きセラピードッグの名犬チロリに捧げたバラード。日本のカラオケにも入っているバラードの名曲。

著書[編集]

大木トオルの音楽CD/出版物 大木トオルの音楽CDや出版物などの著作物の売上の一部は、殺処分寸前の捨て犬や被災犬の救助とセラピードッグ育成を行う国際セラピードッグ協会に寄付されている。

・「名犬チロリ」岩崎書店 捨て犬でありながら日本で初めてセラピードッグの世界を切り開いた名犬チロリの物語 ・「いのちをつなぐ」岩崎書店 東日本大震災で被災し、遺棄された犬たちの救助と訓練に励むドキュメンタリー(子供向け) ・「風になった名犬チロリ」岩崎書店 大木トオルと名犬チロリの心の交流と命の大切さを描いた闘病記 ・「わがこころの犬たち」三一書房 東日本大震災で被災し、遺棄された犬たちの救助と訓練に励むドキュメンタリー(大人向け) ・「セラピードッグの世界」日本経済新聞社 国際セラピードッグ協会代表大木トオルが日本で初めて出版したセラピードック育成の教本 ・「アイ・コンタクト」バットコーポレーション  最強のセラピードッグとして多くの人の命を救った名犬チロリの写真集 ・「キラ星たちのレクイエム(鎮魂歌)」成文堂新光社/絶版 人間に無償の愛と忠誠を誓いながら痛恨の死を遂げた伝説の名犬たちへの鎮魂歌 ・「伝説のイエロー・ブルース」文芸春秋・講談社/絶版 ブルースの本場に単身渡米し、ミスター・イエロー・ブルースの称号を勝ち取った男の光と影

大木トオルのCD&DVD 1979 アルバム「MANHATTAN MIDNIGHT」、シングル「Everynight woman」をリリース。1980 アルバム「BROADWAY SHUFFLE」、シングル「GOING BACK TO CHICAGO」、「SAYONARA DARLING」をリリース。 1981 アルバート・キングとの奇跡のスーパーセッション・アルバム「TORU OKI BLUES BAND featuring ALBERT KING」をリリース。シングル「HEY BROTHER, SHE’S MY BABY」をリリース。 1984 ザ・ナイト・ホークスとのライブ・アルバム「BAD BOY-LIVE」、シングル「MIDNIGHT TRAIN」をリリース。 1985 アルバム「KEEP ON RUNNING」、「EAST BAY SIDE STORY」をリリース。 1987 ベン・E・キングとのジョイント・アルバム「I’LL BE ALRIGHT」をリリース。 1990 CDアルバム「MANHATTAN MIDNIGHT」をリリース。 1991 ベン・E・キングとのスーパーデュオ・アルバム「The MANHATTAN Brothers」をリリース。 1992 初めて日本語でのシングルCD「悲しい歌」をリリース。アルバム「BEST OF TORU OKI」をリリース。 1993 CD「BEST OF TORU OKI」をリリース。 1996 CD「BEST OF TORU OKI」を再リリース。 1999 30周年アニバーサリーベストアルバム発売。シングル「スイートソウルミュージック」リリース。幻の名盤「大木トオル&アルバート・キング」をCDで再リリースする。2002 3月、アルバムCD「SWEETHOME TOWN」リリース。2003 アルバムCD「Soulful」をリリース。映画「犬と歩けば チロリとタムラ」の主題歌「Sweet Little Darling」を収録。 2006 惜しまれながらこの世を去った名犬チロリに捧げるシングルCD「アイ・コンタクト」をリリース。 2008 音楽生活40周年アニバーサリー・メモリアル・ニューヨーク・レコーディング。11月、ニューCD「Singin' The America」をリリース。

外部リンク[編集]

公式サイト   http://toru-oki.com/