大木トオル

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大木トオル(おおきとおる)は日本のミュージシャン

人物[編集]

1976年に渡米し、自らのトオル・オオキ・ブルースバンドを率い、東洋人として初の全米ツアーを成功させた。その後3度、ミシシッピ・デルタ・ブルース・フェスティバルに参加し、日米の懸け橋としての功績が認められ、ミュージシャンとして永住権を取得。これらはいずれも東洋人として初である。

マディー・ウォーターズを筆頭にジョン・リー・フッカー、アルバート・キング、B.Bキング、ベン・E・キング、マイク・ブルームフィールドなどと共演し、特に「スタンド・バイ・ミー」のヒットで知られるベン・E・キングとは、「マンハッタン・ブラザース」というデュオを組み、国際的に活動。無二の親友である天才ブルースマン・マイク・ブルームフィールドとは、曲づくり、ライブ、レコーディングでのコラボを予定しながら、マイクの突然の死によって直前で頓挫してしまった。これらの数々のドラマは、大木トオルの著書「伝説のイエロー・ブルース」(文芸春秋・講談社/絶版)で詳説。

大木トオルはブルースマンとしての活動とともに、現在、36年にわたり、国際セラピードッグ協会の代表として、捨て犬と被災犬の救出とセラピードッグ育成を行い、広くセラピー活動を続けている。 幼少時に愛犬と別れざるを得なくなった苦い経験と、米国での音楽活動中に目覚めた動物愛護の精神、そして動物愛護センターで殺処分の直前に救出した名犬チロリとの運命的な出逢い。これらの経験によって、大木トオルは全身全霊を賭けて、捨て犬・捨て猫の殺処分ゼロを目指す活動に取り組んでいる。その活動は日本国内にとどまらず、アジアから世界へと広がっている。これらの活動は彼の著書「名犬チロリ」(岩崎書店)に詳しく述べられている。 虐げられた黒人たちの魂の叫びであるブルースによる傷ついた精神の回復と、殺される直前に救出された捨て犬たちによって行われるセラピー。大木トオルは「ブルース」と「捨て犬」によって、魂の救済に取り組むことをライフワークとしている。

音楽[編集]

作詞・作曲・編曲担当。歌・演奏はクールス

エピソード[編集]

  • マイク・ブルームフィールドと親交があり、一緒にアルバムを制作する予定だったが、マイクが急逝したため、実現はしなかった。しかし後に大木はアルバート・キングとアルバムを制作することになり、マイクの在籍したポール・バターフィールド・ブルース・バンドのヒット曲である「絶望の人生」をアルバートと共に録音し、旧友マイクに捧げている。
  • ニューヨークで「あなたの知っている日本人音楽家は?」と街ゆく人に質問すると、秋吉敏子と並び大木の名前が挙がることが多かった。それは彼の音楽が、そこに暮らすアメリカ人の生活に寄り添っていたからである。

ディスコグラフィ[編集]

アルバム

  • MANHATTAN MIDNIGHT(1979年)
「TORU OKI BLUES BAND」がニューヨークのエレクトリック・レディランド・スタジオで収録。「EVERYNIGHT WOMAN」「TEN DOLLAR ENGEL」などを収録。
  • BROADWAY SHUFFLE(1980年)
「CROSS-COUNTRY BOOGIE」「HIP SHAKE MAMA」「GOING BACK TO CHICAGO」など、今もコンサートライブで歌われるオリジナル・ブルース・ナンバーを収録したアルバム。
  • TORU OKI BLUES BAND featuring ALBERT KING(1981年)
ブルースの「ビッグボス」アルバート・キングと「ミスター・イエロー・ブルース」大木トオルによるスーパーセッション・ブルース・アルバム。
  • ミシシッピブルースフェスティバル ライブ・アルバム(1983年)
東洋人ブルースシンガーとして初めて聖地ミシシッピ・デルタ・ブルースフェスティバルに出演した記念すべきライブ・アルバム。
  • BAD BOY-LIVE(1984年)
白人のブルースバンド、ナイトホークスをバックに歌う、日本公演のライブ・アルバム。
  • KEEP ON RUNNING(1985年)
大木トオルの全米ロードツアーを歌った「KEEP ON RUNNING」をはじめ「MIDNIGHT TRAIN」などの曲を収録。
  • EAST BAY SIDE STORY(1985年)
戦艦三笠の艦上で行ったヨコスカ・ベイサイド・ストーリーを歌ったライブアルバム。「EAST BAY SIDE WOMAN CALL THE BLUES」や「DOG OF THE BAY」などを収録。
  • I'LL BE ALRIGHT(1987年)
大木トオルがニューヨーク・オールスターズやベン・E・キングと共作したアルバム。「I'LL BE ALRIGHT」やソウルクラシックの「SHOUT」などを収録。
  • The MANHATTAN Brothers(1991年)
「ミスター・イエロー・ブルース」大木トオルと「スイート・ソウルの王様」ベン・E・キングとのスーパーセッション・アルバム。二人の共作によるオリジナルナンバーとソウルの名曲を収録。
  • BEST OF TORU OKI(1993年)
  • BEST OF TORU OKI SPECIAL(1999年)
30周年を記念してリリースされたメモリアル・アルバム。
  • SWEETHOME TOWN(2002年)
故郷日本橋人形町への望郷の想いを歌った。2002年、水天宮の凱旋公演を果たした。
  • Soulful(2002年)
「SWEET SOUL MUSIC」などのオリジナルナンバーや「SWEET LITTLE DARLING」などのブルースの曲を収録。
  • Singin’ the America(2008年)
デビュー40周年を記念してリリースされたアメリカの名曲を歌ったアルバム。

映画「ゴッドファーザー」のテーマやナット・キングコールの「LOVE LETTER」などを収録。

シングル

  • EVERYNIGHT WOMAN(1979年)
B面には初めて日本語の詞で歌った「EVERYNIGHT WOMAN」をカップリング。
  • GOING BACK TO CHICAGO(1980年)
  • SAYONARA DARLING(1980年)
  • MIDNIGHT TRAIN(1984年)
  • 悲しい歌(1992年)
日本語ナンバー。英語バージョンは大木トオルとベン・E・キングのデュエットで「MANHATTAN SAD SONG」としてレコーディングされている。
  • SWEET SOUL MUSIC(1992年)
オリジナルナンバー「SWEET SOUL MUSIC」と「CALL THE BROWN SUGAR WOMAN」を収録。
  • EYE CONTACT(2006年)
いまは亡きセラピードッグの名犬チロリに捧げたバラード。

著書[編集]

大木トオルの音楽CD/出版物 大木トオルの音楽CDや出版物などの著作物の売上の一部は、殺処分寸前の捨て犬や被災犬の救助とセラピードッグ育成を行う国際セラピードッグ協会に寄付されている。

  • 「名犬チロリ」岩崎書店
捨て犬でありながら日本で初めてセラピードッグの世界を切り開いた名犬チロリの物語
  • 「いのちをつなぐ」岩崎書店
東日本大震災で被災し、遺棄された犬たちの救助と訓練に励むドキュメンタリー(子供向け)
  • 「風になった名犬チロリ」岩崎書店
大木トオルと名犬チロリの心の交流と命の大切さを描いた闘病記
  • 「わがこころの犬たち」三一書房
東日本大震災で被災し、遺棄された犬たちの救助と訓練に励むドキュメンタリー(大人向け)
  • 「セラピードッグの世界」日本経済新聞社
国際セラピードッグ協会代表大木トオルが日本で初めて出版したセラピードック育成の教本
  • 「アイ・コンタクト」バットコーポレーション
セラピードッグとして多くの人の命を救った名犬チロリの写真集
  • 「キラ星たちのレクイエム(鎮魂歌)」成文堂新光社/絶版
  • 「伝説のイエロー・ブルース」文芸春秋・講談社/絶版
ブルースの本場に単身渡米し、ミスター・イエロー・ブルースの称号を勝ち取った男の光と影

外部リンク[編集]