夜這い
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夜這い(よばい)とは、夜中に性交を目的に他人の寝ている場所を訪れること(ほとんどの場合、男性が女性のもとへ通う)。一般に昭和初期まで西日本の農村地帯でおもに見られた習俗。
婚、嫁、結婚などの字を古くは「よばふ」「よばひ」と呼んだ。これは「呼ぶ」の再活用形で「つまどい」「つままぎ」などの語と共に求婚の為に男が女のもとに通う事を意味した。昔の婚姻は結婚後も男が女のもとに通うのが普通であり、この事も「よばい」と言われた。「夜這い」という字が当てられるようになると、この行為は親や相手の承認なしに異性の寝所に忍び込む行為を指す様になるが、この中には当然、強姦・婦女暴行という強行犯罪にあたるものが多数ある。
[編集] 概要
- 語源は、男性が女性に呼びかけ、求婚すること(呼ばう)であると言われる。
- 古来日本の夫婦関係は妻問い婚であり、男女はそれぞれに住んでいて妻の元へ夫が通ってゆく形態であった。
- かつての農村では「村の娘と後家は若衆のもの」という村落内の娘の共有意識を示す言葉が聞かれることがあった。近代化以前の農村には若者組があり村落内における婚姻の規制や承認を行い、夜這いに関しても一定のルールを設けていた。ルールには未通女の取り扱いなどがあり未通女(「おぼこ」)の場合は農村の年長者、或いは若者組の年長者が優先された。また、ルールを無視して他村の者が夜這いに来ると、若者組が見つけ撃退し、時には制裁を行うこともあった。
- 一部地方では女が男の元へ通う民俗も見られた。
- 夜這いが、相手の意思を無視した強姦まがいのものであったのか、相手も薄々察して了解していたのか。また、相手は不特定で構わなかったのか、一定のパートナー関係が成立していたのか、これらは中々難しい問題である。様々な状況があったと考えられ、一概には言えないであろう。
[編集] 民俗学の研究
赤松啓介の『夜這いの民俗学』によると、夜這いについては、時代や地域、各社会層により多様な状況であり、共同体ごとの掟に従う必要はあったが、夜這い相手の選択や、または女性側からの拒絶など、性的には自由であったという。
しかしこれは、ミードのサモアに関する研究同様、文化人類学・進化心理学の成果に基づく、オスの雌に対する独占欲・嫉妬心や、オス優位の性秩序の存在の普遍性に真っ向からそむく見解であり、過度な文化決定論に基づき、『日本の自由でおおらかな性文化』を強調する目的で使用された経緯がある。
小谷野敦は、自著『江戸幻想批判』で、夜這い文化の美化を批判し、夜這い文化は、純潔文化とは違った形であれ、オスのメスに対する一方的・支配的な性行為が組み込まれた文化であり、夜這いも、その中に強姦や半強姦(デートレイプ)が多く含まれていたことを指摘している。決して、『男女平等のフリーセックス』ではなかったことを述べている。


