北海道アイヌ協会

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北海道アイヌ協会
設立年 1930年
種類 公益社団法人
目的 アイヌ民族の尊厳を確立するため、その社会的地位の向上と文化の保存・伝承及び発展を図ること。
本部 日本の旗 日本北海道札幌市中央区北2条西7丁目かでる2・7ビル7階 
メンバー 3234人
公用語 日本語
重要人物 加藤忠(理事長) 、野村義一山本多助
関連組織 公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構
北海道立アイヌ民族文化研究センター
北海道大学農学部アイヌ資料館
ウェブサイト 北海道アイヌ協会公式サイト
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公益社団法人北海道アイヌ協会(ほっかいどうアイヌきょうかい)は、北海道居住のアイヌの組織。1930年に設立され、1946年社団法人となった。1961年北海道ウタリ協会(ほっかいどうウタリきょうかい)に改称し、2009年4月1日に再度、北海道アイヌ協会に改称した。

2009年、釧路支部の一部会員が分離独立し、千島・道東アイヌ協会の設立に至った。この新組織は、北方領土出身者、北千島、中部千島、釧路、根室、十勝、網走のアイヌ民族の結束を固めることが目的である。

設立の目的[編集]

アイヌ民族の尊厳を確立するため、その社会的地位の向上と文化の保存・伝承及び発展を図ること」と、北海道アイヌ協会の公式サイトに明記されている[1]

『北海道アイヌ協会』であり、「北海道に居住しているアイヌ民族で組織し」[1]とあるが、「アイヌ民族の尊厳を確立する」という点で、本州やその他の地域に居住しているアイヌの人々も含め、また北海道アイヌ協会の会員でないアイヌの人々も含め、アイヌ民族全体の利益を、事実上代表している。

北海道アイヌ協会の様々な事業により、その目的の達成をはかるものとなる。

事業内容[編集]

北海道アイヌ協会の公式サイトからの転載である[1]

  • 社会的地位の向上に関する事業
  • 各種貸付金の貸付け
  • 職業の確立及び教育の振興に関する事業
  • 民族文化の保存・伝承及び発展に関する事業
  • 諸民族との交流及び情報交換
  • 北海道立アイヌ総合センターの管理
  • 調査研究及び情報収集
  • その他目的を達成するために必要な事業

組織[編集]

総会[編集]

毎年5月に定例総会がある。前年度の事業実績報告と収支決算報告の承認、今年度の事業計画案と収支予算案が採決され、役員の改選がなされる。

その他、重要議題が、総会で採決されている。「北海道アイヌ協会」への改名は、2008年5月16日の総会で決定された[2]。1984年5月27日の総会では、「アイヌ民族に関する法律(案)」が採択されている[3]

理事会[編集]

理事会があり、2009年4月1日現在、理事が24名、副理事長が3名、理事長は1名いて、事務局6名、監事3名となっている[4]

2011年1月現在、加藤忠が理事長である。32年間、北海道ウタリ協会の理事長をつとめてきた野村義一が有名である。社団法人化された「北海道アイヌ協会」の初代理事長は、山本多助である[5]。 理事長が、北海道ウタリ協会の代表とみなされることも多いが、2001年8月6日に、当時の北海道ウタリ協会理事長笹村二朗が、自民党代議士の問題発言に対しての抗議に消極的であるという理由で、理事会において、27人中18人の賛成で解任されている[6]

副理事長経験者では、秋辺得平が有名でありテレビに比較的多く登場するが、2009年9月26日に、副理事長を辞任し[7]、2010年2月1日に理事を解任されている[8]

支部連合会・支部[編集]

2012年4月現在、支部連合会は、6支部連合会あり、胆振・十勝・網走・釧路・根室・日高の支部連合会がある。

支部は、市町村単位で49支部あり、支部会員総数は、3234人いる[1]。支部長会議が年1回開催される。

支部は次の通り[9]

札幌支部・江別支部・千歳支部・恵庭支部
長万部支部・八雲支部
旭川支部・上川支部
豊富支部
網走支部・紋別支部・美幌支部
室蘭支部・苫小牧支部・登別支部・伊達支部・洞爺湖支部・壮瞥支部・白老支部・追分支部・むかわ支部
平取支部・新冠支部・新ひだか支部・三石支部・浦河支部・様似支部
帯広支部・上士幌支部・芽室支部・幕別支部・本別支部・浦幌支部
釧路支部・釧路町支部・厚岸支部・弟子屈支部・阿寒支部・鶴居支部
根室支部・別海支部・中標津支部・標津支部・羅臼支部

概要[編集]

アイヌに関する各種政策に対しアイヌの立場から批判・提言し、アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律の制定には中心的な役割を担った。また明治時代以来の同化政策に対抗しアイヌ本来の文化・風習を守るための活動に取り組んでいる。

アイヌ語保存事業に取り組み、アイヌ語テキスト『アコロ・イタク』の発行を行っている。北海道アイヌ協会の支部の関係者が、アイヌ文化総合講座助成金で、2009年現在で14ヶ所でアイヌ語教室を運営している。

アイヌの伝統的儀式を、各支部やその他の関連団体の主催の元に実施している。9月に行われる「アシリチェップノミ」(新しい鮭を迎える儀式)を、北海道アイヌ協会千歳支部や札幌アイヌ文化協会で実施している。9月に根室市で行われる「ノッカマップ・イチャルパ」(慰霊祭)は北海道アイヌ協会根室支部が主催する[10]

アイヌ文化の伝承・振興及び理解を図るために必要な領域として「イオル」の復活を提案し、北海道との話し合いで構想段階となっているが、白老町で実現の運びとなっている[11]

差別・無理解表現への抗議活動[編集]

アイヌへの無理解に基づく侮辱的・差別的な内容であると判断した番組に対して、マスコミへの抗議運動を行っている。北海道放送へのアイヌ民族無理解放送糾弾運動では、『水戸黄門』や『お荷物小荷物・カムイ編』が該当回のみ放送中止になっている。また、日本テレビが『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』でアイヌ民族を侮辱する宴会芸を放送したことへの抗議行動がある。

他にも、鈴木宗男の発言「(日本は)一国家、一言語、一民族と言っていい。北海道にはアイヌ民族がおりますが、今はまったく同化されておりますから」に対しても抗議行動を行っている。

ただし、アイヌ人個人の抗議とは区別される。動員をかけるような表立った抗議活動はない。

北海道アイヌ協会への批判[編集]

北海道議会議員小野寺秀札幌市議会議員の金子快之は、アイヌ民族であることを法的に証明する手段が現状存在しないため、「アイヌ民族であることを『証明』している北海道アイヌ協会が、”アイヌの血を受け継いでいる『と思われる』人”という曖昧な基準で認定しており、出自がアイヌ民族でなくとも養子や婚姻といった手段で認定してもらえればアイヌ民族としての優遇措置を受けられる」[12]と主張しており、また、芸術家の砂澤陣は「優遇措置に関して北海道アイヌ協会が不正行為を年間30~40件ほど行っており、北海道アイヌ協会にアイヌではない在日韓国・朝鮮人同和団体関係者が幹部になっていて、一般のアイヌを代表していない」など主張し批判している[13][14]

沿革[編集]

  • 1930年 - 北海道アイヌ協会設立
  • 1946年2月24日 - 社団法人北海道アイヌ協会設立総会
  • 1946年3月13日 - 社団法人北海道アイヌ協会として認可
  • 1961年4月13日 - 北海道ウタリ協会に名称変更
  • 2009年4月1日 - 北海道アイヌ協会に名称変更
  • 2009年9月13日 - 北海道アイヌ協会釧路支部の多くの会員が脱退し、新組織である「千島・道東アイヌ協会」(本部:釧路市)を新たに設置した。

脚注[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]