ユーザーエクスペリエンスデザイン

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ユーザーエクスペリエンスデザインは、ユーザーエクスペリエンス(en:User experience)についてのエクスペリエンスデザインである。デジタル機器/システムに対するユーザーの見方に影響を与えるようなアーキテクチャやインタラクションモデルの生成に関する手法である。「製品とユーザーのインタラクションのあらゆる面、すなわちどのように気づかれ、学ばれ、使われるのか」をその適用範囲とする。[1]

概要[編集]

ユーザーエクスペリエンス(UXと略記されることが多い)とは、ユーザーがある製品やシステムを使ったときに得られる経験や満足など全体を指す用語である。ウェブ上での商品販売などソフトウェアやビジネスに関連して使われることが多いが、インタラクションデザイン全般に適用される概念である。例えば自動音声応答装置は貧しいユーザーエクスペリエンスをもたらすデザインとしてよく引き合いに出される。

ちなみに、略記の「UX」を「User eXperience」と開いて書かれることがあるが、一般にこのようなXExの発音を表している[2]

関連するデザイン分野[編集]

基盤としてユーザー中心デザインという原則があり、以下のような分野と関連して構築された:

これらと同様、ユーザーエクスペリエンスデザインは非常に様々な要素が絡み合った分野であり、心理学人類学計算機科学グラフィックデザインインダストリアルデザインなどの影響を受けている。製品の目的によっては、コミュニケーションデザインインストラクショナルデザインゲームデザインといったコンテンツ設計手法も関係する。また、ユーザーエクスペリエンスデザインにおいては、コンテンツに関する専門家の協力も必要とされるだろう。

デザイン[編集]

ユーザーエクスペリエンスデザインは、本質的には上述の様々な分野の知識を総動員して特定のシステム/機器についてのユーザーエクスペリエンスに良い影響を与えることを目的としている。ユーザーエクスペリエンスデザインでは画面表示/ユーザインタフェース/システムの反応を定義し、ユーザーの満足とビジネス要求を同時に満たそうとする。

典型的な出力としては次のものがある:

  • ワイヤフレーム(画面の設計図または絵コンテ
  • プロトタイプ
  • デザインを文書で説明したもの

利点[編集]

ユーザーエクスペリエンスデザインはソフトウェア開発などの一部として組み込まれ、機能要求仕様やユーザーの目的を達成するための設計に利用される。このような組み込みには次のような利点がある:

  • ユーザーのニーズからかけ離れた機能を排除する
  • システムの全体としてのユーザビリティ向上
  • 詳細かつ適切なガイドラインに沿った設計と開発の促進
  • ユーザーに満足を与えると同時にビジネスとマーケティングの目標を達成する

ユーザーエクスペリエンスデザインの実例[編集]

コンピュータ分野[編集]

Microsoft Windows[編集]

マイクロソフト社は、ビル・バクストンが提唱した理論の大部分を「Windows ユーザ・エクスペリエンス・ガイドライン」として採用、Windows 95における同OS向けアプリケーション開発の最低要件として、それに従ったアプリケーションでなければパッケージ等にWindowsのロゴマークを掲げてはならないという認証制度となり一躍注目を集めることとなった。その後、ユーザエクスペリエンスの提唱者であるビル・バクストン氏は、リチャード・ラシッド氏率いるマイクロソフトリサーチに移籍し、その内容は今なお更新され続けている。2009年8月25日には日本語訳が公式に公開された[3]

GNOME[編集]

GNOMEプロジェクトにおいても同様のユーザビリティの原則を定めたガイドライン、GNOME Human Interface Guidelinesを掲げている。

脚注[編集]

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  1. ^ Donald Norman: Invisible Computer: Why Good Products Can Fail, the Personal Computer Is So Complex and Information Appliances Are the Solution. MIT Press. 1999, ISBN 978-0262640411
  2. ^ "XML stands for Extensible Markup Language. The X is for the first syllable of Extensible. eXtensible is a spelling error."
  3. ^ Windows ユーザー エクスペリエンス ガイドライン” (2009年7月15日). 2010年9月1日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]