ミドリフグ

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ミドリフグ
ミドリフグ
ミドリフグ Tetraodon nigroviridis
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: フグ目 Tetraodontiformes
: フグ科 Tetraodontidae
: テトラオドン属 Tetraodon
: ミドリフグ T. nigroviridis
学名
Tetraodon nigroviridis
Marion de Procé, 1822
和名
ミドリフグ(緑河豚)
英名
Green spotted puffer
Spotted green puffer

ミドリフグ(緑河豚、 学名:Tetraodon nigroviridis 英: Green spotted pufferfish)は、フグ科に属する魚類

分布・生息域[編集]

インドインドネシアスリランカタイ等に生息する汽水熱帯魚である[1]

形態・生態[編集]

最大で全長17 cm[2]。英名はGreen spotted pufferまたはSpotted green pufferで、その名が示すように背部及び体側部は黄緑色で黒い斑紋がある。腹部は白色である。

人との関わり[編集]

観賞魚としてポピュラーであり、2-3 cm程度の幼魚が多くの熱帯魚店等で売られている。同種または他の温和な魚と同一水槽で飼育可能な場合もあるが、攻撃性が強く、鰭や鱗をかじることも多いので、一般には単独飼育が勧められている[2]。飼育下では10 cmを超えない場合が多い。

雑食性であり、野生の本種は小型の無脊椎動物を主要な食餌とするが、藻類あるいは他の植物質も食する[2]。飼育下では生餌あるいはアカムシ(ユスリカの幼虫)等の冷凍餌を好むが、ごく初期の頃から固形配合飼料に慣れさせれば人工飼料でも食べる場合もある。硬い餌を噛み砕く摂餌行動に適応して歯が伸び続け、伸び過ぎると摂餌が困難となるため、歯の先端を切る必要が生じる。水槽にサンゴの小片を入れておくとそれを齧り、歯の伸び過ぎを防止できる場合がある。

自然状態では淡水域に遡上することも多く、短期的には淡水での飼育も可能だが、長期飼育には塩分が必要である。幼魚時は海水の1/4程度の塩濃度が適する。成魚は主に海で活動すると考えられているので、成長にともなって飼育水の塩濃度を増やし、成魚では半海水以上とするのがよいとされている。海水濃度とした方が長生きするという意見もある[要出典]。適温は24-28℃、海水に近いpH8程度のアルカリ性が好適である[2]

ゲノムプロジェクト[編集]

ゲノムサイズが既知の脊椎動物中、最小のゲノムを有することから、遺伝学におけるモデル生物として選択されている。2004年には本種ゲノムのドラフト配列が発表された[3]

毒性[編集]

本種もトラフグなどと同様にフグ毒(テトロドトキシン)を持つ。毒量は皮膚に多く、消化管・筋肉には少ない。肝臓には毒を持たない[4]。飼育個体が毒化するかどうかは不明である。

脚注[編集]

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  1. ^ The Tropical Tank - Green Spotted Puffer
  2. ^ a b c d Froese, Rainer, and Daniel Pauly, eds. (2006). "Tetraodon nigroviridis" in FishBase. April 2006 version.
  3. ^ Jaillon O, Aury J, Brunet F, Petit J, Stange-Thomann N, Mauceli E, Bouneau L, Fischer C, Ozouf-Costaz C, Bernot A, Nicaud S, Jaffe D, Fisher S, Lutfalla G, Dossat C, Segurens B, Dasilva C, Salanoubat M, Levy M, Boudet N, Castellano S, Anthouard V, Jubin C, Castelli V, Katinka M, Vacherie B, Biémont C, Skalli Z, Cattolico L, Poulain J, De Berardinis V, Cruaud C, Duprat S, Brottier P, Coutanceau J, Gouzy J, Parra G, Lardier G, Chapple C, McKernan K, McEwan P, Bosak S, Kellis M, Volff J, Guigó R, Zody M, Mesirov J, Lindblad-Toh K, Birren B, Nusbaum C, Kahn D, Robinson-Rechavi M, Laudet V, Schachter V, Quétier F, Saurin W, Scarpelli C, Wincker P, Lander E, Weissenbach J, Roest Crollius H (2004). “Genome duplication in the teleost fish Tetraodon nigroviridis reveals the early vertebrate proto-karyotype”. Nature 431 (7011): 946-57. PMID 15496914. 
  4. ^ Tamao Noguchi and Osamu Arakawa (2008). “Tetrodotoxin – Distribution and Accumulation in Aquatic Organisms, and Cases of Human Intoxication”. Mar. Drugs (6): 220-242. doi:10.3390/md20080011.