ミッシングリンク

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ミッシングリンク(Missing-link)とは連続性が期待されている事象に対して、非連続性が観察される場合、その比較的顕著な間隙を指す。

概要[編集]

生物の進化を例にした場合、それを乱暴に要約すると、「種族A」→「種族B」→「種族C」の順に進化する過程があったとする。その過程で、この種族の形は次第に変化するが、Bを飛ばしてAとCを見比べると、その間に劇的な変化が発生しているようにみえる。

このとき、その劇的な変化の中間に位置すると推測できる「種族B」がどのような存在であったか、また、そもそも種族Bという存在があったのかどうかすらまったく不明な状態において、そこから仮定されるBがミッシングリンクである。別パターンとして、「種族C」という存在は確認されているが、それ以前の始祖がどのような形態であったのかが不明なケースもある。

古生物学におけるミッシングリンク[編集]

中間型化石が発見され、ミッシングリンクが埋められていく様子

古生物を扱う分野において、ミッシングリンク(失われた環/鎖)とは、進化の途上に位置する、発見されていない中間形の化石のことを指す。ただし学術用語ではない。学術的には「未発見の中間型化石」などと呼ぶ。

通常、古生物の化石は進化過程のうちの一部分しか発見されず、ゾウウマのように各進化段階で多くの化石が発見され、進化の様子がはっきりしているものは例外的である。生息した時代が古い種は化石が発見されにくく、ミッシングリンクになりやすい。一方クジラコウモリのように、比較的時代が新しい種でも、その属する(この場合は哺乳綱)の基本型から大きく外れた形態のものは、両者をつなぐ中間的な形の化石がほとんど出ず、ミッシングリンクを生じる例が多い。

これは往々にして進化論の疑問点ないし急所として反進化論者の攻撃対象になる。それに対する一つの反論は、「陸棲生物が水棲生活や飛翔生活に適応するなどの大きな進化は、地理的条件などによって隔離された比較的小さな集団内で起こり、新しい適応的遺伝形質も短期間で集団全体に広がる。そのため、変化した系統と元になった系統の接点となる種の化石は個体数・生息した地域・時期が限定されるので発見されにくい」というものである。

ある生物の中間型化石が見つかっていないから、またある生物の断片的な中間型化石がいくつか見つかったからという理由で、進化論全体の妥当性を判断することはできない。進化論の証拠物件の一つである中間型化石も、他の分野の科学の証拠物件と同様、科学的方法で(この場合は統計的な有意性という観点で)扱われるべきである。


人類は類人猿の中から500〜600万年前に分岐して直立二足歩行するように進化したと考えられている系統であるが、分岐の直後については化石証拠が乏しくミッシングリンクとされている。また、どのような環境に適応して進化の途についたのかも諸説あり結論を得るには至っていない。 ダーウィン進化論を発表した1859年当時は、進化の過程を裏付けるサルと人類の間の中間種の化石が発見されていなかった。ダーウィンは、1871年に発表した著書の中で「将来、必ずヒトとサルを結ぶミッシングリンクが発見されるに違いない」と述べており、その後の発掘調査によって猿人アウストラロピテクス)、ジャワ原人北京原人ホモ・エレクトス)、ネアンデルタール人クロマニヨン人などの化石人類が発見されている。 20世紀末には分子生物学の進歩により、人類は500 - 600万年前頃にチンパンジーの祖先と分岐した可能性が示唆されており、またこの時期に近い時代のものと推定されるオロリンサヘラントロプスなどの化石も発掘されている。

古生物学におけるミッシングリンクの関連項目[編集]

  • 断続平衡説 アメリカの古生物学者 S.J.グールドN.エルドリッジが提唱した、生物は適応放散などで(地質時間から見れば)ごく短期間のうちに進化が進み、そして安定状態になるという説。つまり中間種は絶対数が少なく化石にのこりにくいと考える。

犯罪におけるミッシングリンク[編集]

一見、互いに無関係に見える複数の事件・被害者の間にあると仮定される共通点のこと。

関連記事[編集]