マーシャル・マクルーハン

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ハーバート・マーシャル・マクルーハンHerbert Marshall McLuhan, 1911年7月21日 - 1980年12月31日)はカナダ出身の英文学者文明批評家。メディアに関する理論で知られる。
もともと英文学教授であったが、メディアに関する理論の方が彼を著名にした。現在、メディア研究において重要位置を占める存在のうちの一人とされる。


略歴[編集]

業績[編集]

  • あらゆる視点からの斬新なメディア論を展開。
  • 「メディアはメッセージである」という主張。普通、メディアとは「媒体」を表すが、その時私たちはメディアによる情報伝達の内容に注目する。しかし、彼はメディアそれ自体がある種のメッセージ(情報命令のような)を既に含んでいると主張した。
  • テクノロジーやメディアは人間の身体の「拡張」であるとの主張。自動車や自転車は足の拡張、ラジオは耳の拡張であるというように、あるテクノロジーやメディア(媒体)は身体の特定の部分を「拡張」する。しかし、単純に拡張だけが行われるのではなく、「拡張」された必然的帰結として衰退し「切断」を伴う。
  • 他にも、「ホット」と「クール」なメディアという分類や、「メディアはメッセージである」というテレビメディア論、グローバルヴィレッジ地球村)のような分析・視点など、実に様々な理論を展開している。
  • 生前に、大衆雑誌や映画にも出演したため、「ポップカルチャーの大司祭」というような形容で言い表された。しかし、学者の間では賛否両論に分かれ、陶酔的に耳を傾ける者もいる一方で、実証的な検討なしの思いつきでしかないというような批判もされた。

著作[編集]

単著[編集]

  • The Mechanical Bride: Folklore of Industrial Man, (Vanguard Press, 1951).
井坂学訳『機械の花嫁』(竹内書店, 1968年/新装版, 1991年)
  • The Gutenberg Galaxy: the Making of Typographic Man, (Routledge & Kegan Paul, 1962).
高儀進訳『グーテンベルクの銀河系』(竹内書店, 1968年)
森常治訳『グーテンベルクの銀河系――活字人間の形成』(みすず書房, 1986年)
  • Understanding Media: the Extensions of Man, (McGraw-Hill, 1964).
後藤和彦・高儀進訳『人間拡張の原理――メディアの理解』(竹内書店, 1967年)
栗原裕河本仲聖訳『メディア論――人間の拡張の諸相』(みすず書房, 1987年)
  • The Meaning of Commercial Television: the Texas-Stanford Seminar, 1966, (University of Texas Press, 1967).
  • Counter Blast, (Harcourt, Brace & World, 1969).
  • Culture is Our Business, (McGraw-Hill, 1970).
  • Essential McLuhan, edited by Eric McLuhan and Frank Zingrone, (Basic Books, 1995).
有馬哲夫訳『エッセンシャル・マクルーハン――メディア論の古典を読む』(NTT出版, 2007年)

共著[編集]

南博訳『メディアはマッサージである』(河出書房新社, 1995年)ISBN 4-309241700 ISBN 978-4-309241708
  • Through the Vanishing Point: Space in Poetry and Painting, with Harley Parker, (Harper & Row, 1968).
  • War and Peace in the Global Village: An Inventory of Some of the Current Spastic Situations that Could be Eliminated by More Feedforward, with Quentin Fiore, (McGraw-Hill, 1968).
広瀬英彦訳『地球村の戦争と平和』(番町書房, 1972年)
  • From Cliché to Archetype, with Wilfred Watson, (Viking Press, 1970).
  • Take Today: the Executive as Dropout, with Barrington Nevit, (Harcourt Brace Jovanovich, 1972).
  • City as Classroom: Understanding Language and Media, with Kathryn Hutchon and Eric McLuhan, (Book Society of Canada, 1977).
  • Media, Messages & Language: the World as Your Classroom, with Kathryn Hutchon and Eric McLuhan, (National Textbook, 1980).
  • Laws of Media: the New Science, with Eric McLuhan, (University of Toronto Press, 1988).
中澤豊訳『メディアの法則』(NTT出版, 2002年)
  • The Global Village: Transformations in World Life and Media in the 21st Century, with Bruce R. Powers, (Oxford University Press, 1989).
浅見克彦訳『グローバル・ヴィレッジ――21世紀の生とメディアの転換』(青弓社, 2003年)

共編著[編集]

  • Explorations in Communication: An Anthology, co-edited with Edmund Carpenter, (Beacon, 1960).
大前正臣・後藤和彦訳『マクルーハン入門――コミュニケーションの新しい探求』(サイマル出版会, 1967年/新装版, 1981年/平凡社[平凡社ライブラリー], 2003年)

関連項目[編集]