ブラフマーユ経

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ブラフマーユ経[1](ブラフマーユきょう、: Brahmāyu-sutta, ブラフマーユ・スッタ)とは、パーリ仏典経蔵中部に収録されている第91経。『梵摩経』(ぼんまきょう)[2]とも。

類似の伝統漢訳経典としては、『中阿含経』(大正蔵26)の第161経「梵摩経」がある。

優れた婆羅門であるブラフマーユ(梵摩)が仏教に帰依する様を描く。

構成[編集]

登場人物[編集]

場面設定[編集]

ある時、釈迦は、ミティラーに滞在していた。

そこで婆羅門ブラフマーユ(梵摩)は、弟子のウッタラに、評判の高い釈迦が三十二相を持っているかどうか確認に行かせる。7ヶ月後、帰ってきたウッタラは、釈迦が三十二相と、多くの聖人たる振る舞いの特徴を持っていたと報告する。ブラフマーユは釈迦に帰依することを誓う。

ブラフマーユはミティラーのマガデーヴァ園に滞在している釈迦を訪ね、三十二相を確認した上で帰依する旨を述べ、四諦などの仏法を釈迦に説いてもらう。

間もなくしてブラフマーユは亡くなるが、その行き先を尋ねに来た彼の弟子たちに、釈迦はブラフマーユは五下分結を断ったので、不還者になると述べる。

日本語訳[編集]

  • 『南伝大蔵経・経蔵・中部経典3』(第11巻上) 大蔵出版
  • 『パーリ仏典 中部(マッジマニカーヤ)中分五十経篇II』 片山一良訳 大蔵出版
  • 『原始仏典 中部経典3』(第6巻) 中村元監修 春秋社

脚注・出典[編集]

  1. ^ 『パーリ仏典』片山
  2. ^ 『南伝大蔵経』、『原始仏典』中村

関連項目[編集]

外部リンク[編集]