ピアノソナタ第1番 (ショパン)

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フレデリック・ショパンピアノソナタ第1番ハ短調Op.4は彼のワルシャワ音楽院在籍時の1828年に書かれた。

目次

[編集] 作曲と出版の経緯

この作品は、ショパンがソナタ形式の学習のため、師のヨゼフ・エルスナーに指示されて書いたものであり、自主的に書かれたものではない。習作ゆえに、形式を意識しすぎるあまりぎこちない点があるとも、後年のソナタのような、幻想的な独創性にも乏しいとも評される[要出典]

曲は完成後、作品番号3として出版の準備がされたが、交渉先であったウィーンの出版業者ハスリンガーは乗り気でなく、出版されなかった。このため「チェロとピアノのための序奏と華麗なるポロネーズ」が1833年に作品番号3として出版され、このソナタは作品番号4にまわされることになった。ずっと後年にハスリンガーは出版の意向を示し、ショパンに校正の依頼を申し出たが、今度はショパンが返事しなかった。結局正規に出版されたのは、ショパン死後の1851年であった。今日では滅多に演奏されることがなく、ソナタ全集にも組み入れられないのが一般的である。「ショパンがソナタ形式を習得できなかったのではなく、ソナタ形式がショパンを征服できなかった」という言葉の通りである[要出典]

[編集] 曲の構造

[編集] 第1楽章 Allegro maestoso

ヨハン・セバスティアン・バッハを意識したようなモティーフが提示され、それが対位法的に展開され、半音階を多用し複雑な転調を繰り返すが、曲はそれだけに終始するため、主題の対比は薄い。ただし、主題再現は一全音低い変ロ短調で始まり、最後になってやっとハ短調になるという、凝った展開を見せる。中間部は変イ長調の緩やかな転調主題。

後年の作品では再現部に第一主題を再登場させない。ショパンの本作も冗長未熟の謗りはあるが作曲技法が発展する上での通過儀式であり、後年のソナタ形式を超越した様式への成長記録である。

[編集] 第2楽章 Menuetto,Allegretto

古典的な形式で書かれ、サロン的な雰囲気を持つが、リズムはマズルカ的。トリオは変ホ短調となる。対位法的で簡明な展開をしており、組曲中で冗長さを指摘される第1楽章、第4楽章に比べると成功した楽章である。

[編集] 第3楽章 Larghetto

5/4拍子という、珍しい拍子 (スラヴ民謡などで使われる) で書かれている。曲中ではショパンらしい装飾などが見られ、第2楽章とともにこのソナタにおいて成功している部分とされる。5/4拍子は土着の緩いワルツで、後にチャイコフスキーが交響曲の中で用いている。ポーランドの民俗舞踊を作中に取り入れる姿勢は、後の作品に明らかである。左手部に見える音階は後の作によく引用されている。

[編集] 第4楽章 Finale,Presto

ベートーヴェン的な、力強い楽章。強烈な和音連打、半音階の走句や転調が休みなく繰り広げられ、演奏には大変な技術を要する。エキサイティングではあるが、ロンド形式でありながらその中に2度の展開部が盛り込まれるなど、冗長なきらいがある。