ヒュンダイ・マイティ
マイティ(Mighty、朝: 현대 마이티)は韓国の現代自動車が1986年から製造・販売している小型および中型トラックである。
歴史[編集]
初代(1986年-1998年)[編集]
1986年に韓国市場に導入された。マイティは三菱ふそう・キャンターのリバッジ車であり、ベース車との相違点はブランドのエンブレムのみであった。当時起亜自動車から同クラスのトラックが販売されていたが、マイティはそれよりも全幅や室内空間が広かった。1987年にはアジアへの輸出が開始され、数年のうちに他の市場にも輸出された。ヨーロッパでは東欧と南欧で販売された。
シングルまたはデュアルキャブがラインナップされ、117 PSを発揮する三菱製ターボディーゼルが搭載された。当初は積載量2.5トンの車両が販売され、後に3.5トン車も加わった。1994年11月にフェイスリフトが行われ、ヘッドライトが丸型から角型に変更された。また、ABSがオプションで設定された。1998年10月にフルモデルチェンジをしたマイティIIが発売され、生産終了した。
2代目(1998年-2015年)[編集]
海外ではヒュンダイ・HDシリーズの一部となり、HD45、HD65、HD72などの車名で販売されている。この車名の数字は車両総重量を示している(例えば45は4.5トン)。
前期型(マイティⅡ、1998年-2004年)[編集]
1998年、2代目モデルが「マイティⅡ」として登場する。マイティⅡは自主開発車であるが、プラットフォームは先代のマイティをベースにしている。ともあれ、乗り心地は改善され、乗用車級のものになった。外観もより現代的に改められた。キャブチルト可能なシングルまたはデュアルキャブという特徴はそのままであるが、3.5トンの積載量が可能となった。エンジンはヒュンダイ自身の3.3Lターボディーゼルが搭載され、120 PSを発揮した。
2000年、ヒュンダイの傘下に入った起亜自動車が、マツダ・タイタンベースの「トレード」 (Trade) に代わる車種として「パマックス」(Pamax) を発売した。パマックスはマイティⅡの姉妹車であるが、大幅に異なるデザインのフロントマスクが与えられた。
これと同時期に、マイティⅡはABSが標準で設定され、運転席エアバッグがオプションで用意された。
北米では、短期間であるが、マイティⅡはベーリング・トラック (Bering Truck) によって、デトロイトディーゼル製のエンジンおよびアリソン・トランスミッション製のオートマチックトランスミッションが搭載され、ベーリング・LDの車名で製造・販売された。
マレーシアではイノコムが2007年3月からイノコム・HD5000として製造・販売している[1](後にAD3に改名)。
後期型(eマイティ、2004年-2015年)[編集]
2004年9月、大幅改良されて「eマイティ」として発売された。外観は姉妹車のキア・パマックスをベースにエンブレムなど小規模な変更を加えたものとなった。一方、パマックスの販売は打ち切られ、キアのトラックはボンゴのみとなった。また、内装もダッシュボードが変更を受けた。
なお、全幅の狭いナローボディ版は外観の変更を受けず、マイティQTと改名して継続販売された。
より厳格化された排ガス規制に対応するべく、エンジンはD4GA型3.9Lターボディーゼルに換装された。当初は147 PSを発揮し、後に150 PSに引き上げられた。また、さらなる軽量化が行われて最大積載量が3.8トンの積載量を可能とした。
2012年、車名を再び「マイティ」に戻した。
3代目(WQ型、2015年-)[編集]
2015年4月2日、17年ぶりにモデルチェンジされたマイティがソウルモーターショーにて世界初公開され、韓国国内で販売を開始した[2][3]。当初はカーゴのみだったが、のちに特装車、ダブルキャブ仕様が追加された。2017年にオプションで運転席のエアバッグが追加されたが、翌年には標準装備となった。
海外ではヒュンダイ・EXシリーズとして販売されている(一部地域ではマイティの車名で販売)。
脚注[編集]
- ^ “All-new Inokom HD5000 Truck Launched” (2007年4月4日). 2014年3月7日閲覧。
- ^ “Hyundai Motor at the 2015 Seoul Motor Show”. 現代自動車 (2015年4月2日). 2015年6月20日閲覧。
- ^ “[뉴스중형트럭, ‘올 뉴 마이티’ 출시]” (朝鮮語). 現代自動車 (2015年4月2日). 2015年6月20日閲覧。
外部リンク[編集]
- ヒュンダイ・マイティ (朝鮮語)
- ヒュンダイ・EXシリーズ