ヒメナンダ

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ヒメナンダ
ヒメナンダ
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 有鱗目 Squamata
亜目 : ヘビ亜目 Serpentes
: ナミヘビ科 Colubridae
: ナンダ属 Ptyas
: ヒメナンダ P. korros
学名
Ptyas korros
(Schlegel, 1837)
和名
ヒメナンダ
英名
Indo-Chinese Rat Snake

ヒメナンダ(姫南蛇、Ptyas korros)は、爬虫綱有鱗目ナミヘビ科ナンダ属に分類されるヘビ。無毒。

分布[編集]

ナンダとは、南の蛇という意味で、中国から見て南の方に生息している蛇である。インド東南アジア中国南部、台湾に分布する。

形態[編集]

全長は1-2mで、最大は230cmほどになる。ヒメと名がつくが、かなり大きくなる種。全長の25%ほどが尾である。体型は細長く、その全長ほどには大きくは見えない。体色は灰褐色で、派手な模様はなく、地味な印象を受ける。目は大きい。

生態[編集]

水辺に生息する。昼行性。

食性は動物食で、カエルを主食にしている。ネズミも食べる。

繁殖形態は卵生で、4月から5月にかけて交尾を行い、7月ごろに20個ほどの卵を産む。

飼育[編集]

本種は動きが素早いが、丈夫であるため飼育も比較的容易である。カエル食であるが、マウスに餌付く個体も多い。餌付かない場合はカエルを与える。

人間との関係[編集]

利用[編集]

本種は生息地ではきわめて一般的なヘビで、肉が美味であるため、広東料理では三蛇のひとつとされ、蛇スープなどの食材として利用されている。中国語では「灰鼠蛇」または「過樹榕」と称され、分布地域では養殖もされている。

ベトナムでは、「rắn ráo」(ザンザオ)または「rắn lải」(ザンライ)と称され、生薬や他のヘビとともに蒸留酒に漬け込んで、蛇酒として飲むことがよく行われている。

関連項目[編集]