バスマティ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
バースマティー種の玄米

バスマティあるいはバースマティーとも呼ばれるもの(英語: Basmati, ヒンディー語: बासमती, ウルドゥー語: ﺑﺎﺳﻤﺘﻰ‎)は、イネの品種の1つ。長粒種に属し、繊細で優れた芳香で有名な香り米である。バースマティーという名称は、「香りの女王」というヒンディー語に由来する。

バースマティーは、インドパキスタンで何百年にも亘って栽培されてきた品種である。ヒマラヤ山麓で生産されるものが最高の品質であるとされている。なかでも、パキスタンから北インドヒマラヤ山間部のデヘラードゥーン地方にかけて栽培されるスーパー・バースマティーと呼ばれる優良品種は、バスマティの中でも最も優れた品種である。パトナー米という品種はバースマティーと近縁であり、ビハール州パトナー近辺で栽培される。バースマティーから収穫された米で最も良いとされるのは、精米し販売されるまでに数年間の熟成期間を経たものとされる。米を長期保存するのは、一般に含有水分の少ない米の方が調理し易いとされるためである。

バースマティーの米粒は極めて細長く、調理工程においてさらに細長くなる。米粒はしっかりとしており、調理しても粘り気が出ない。バースマティーは、白米として、あるいは玄米としても利用され、この調理に要する時間はおよそ20分程度である。含まれている澱粉(でんぷん)の比率が他の品種に比べて多いため、一般に調理前に澱粉を洗い落とす。調理前に30分から2時間程度水につけておくと、米粒が砕けにくくなる。北インドでは、ビリヤニなど米を用いたご馳走料理にはバースマティーが特に喜ばれる。

バースマティーを用いたビリヤニ(左)

2000年、アメリカのライステック社(リヒテンシュタインに本拠を置く RiceTec AG の子会社)は、バースマティーと半矮性長粒品種から作り出されたハイブリッド3品種の特許を獲得しようとした。当時のインド政府がそれに反対したため、その特許は認可されなかった。一方、欧州委員会では、原産地保護名称法の下にバースマティーをその地域の特産物として保護することで合意に達した。

バースマティーには、多数の品種が存在する。バースマティー-370やバースマティー-385、バースマティー・ラーナービールプラ(Basmati-Ranabirpura)といった伝統的な品種以外に、プーサー・バースマティー 1(Pusa Basamti 1)というハイブリッド品種が存在する。この品種の花には芒(のぎ)があるため、トーダル(Todal)とも呼ばれる。芳香のある品種はバースマティー系統から作出されたものであるが、PB2(sugandh-2)やPB3、RH-10という品種は純粋なバースマティーの系統ではないとされている。

バースマティー本来の特徴として、茎が長く細く、強風で倒伏しやすい。総じて収量が低いが、米の品質が優れているため、インド国内だけでなく世界的にも高額で取り引きされる。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

参考文献[編集]