ジャパンウィンターリーグ

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ジャパンウィンターリーグJapan Winter League)は、株式会社ジャパンリーグが主催し沖縄県で開催する野球トライアウトリーグ[1]。第1回は2022年11月24日(木)から12月25日(日)沖縄県を会場として開催。

第2回は2023年11月23日(木・祝)~12月24日(日)に目的別(トライアウトリーグ・アドバンスリーグ)に2会場で開催された。

第3回は2024年11月23日(土)~12月19日(木)に目的別(トライアウトリーグ・アドバンスリーグ)の2リーグでコザしんきんスタジアムにて開催予定。なお今回よりNPB球団初参加として埼玉西武ライオンズから選手参加が発表[2]された。

概要[編集]

株式会社ジャパンリーグが主催、企画、運営する日本初の本格的な野球のウィンターリーグ[注 1]

野球界にプロともアマとも異なる第3のコミュニティを沖縄に作り「陽の目を浴びていない選手に光を」というコンセプトで運営を行っている。

2022年6月14日に行われた記者会見[5]鷲崎一誠代表は「不運なけがやちょっとしたタイミングでチャンスを潰して、野球で活躍するきっかけをなくしたという選手は数多くいると思っています。そういった選手に真剣勝負で野球をする場所を提供したい」とコメントしている。

同ウィンターリーグでは、ゼネラルマネージャーに大野倫、アンバサダーとして斉藤和巳が就任。発足記者会見では、沖縄県出身でプロ野球福岡ソフトバンクホークス又吉克樹投手からメッセージ動画も送られた。

特徴[編集]

21試合分の選手の評価を定量化・数値化し、現地のみならずオンライン上でスカウティングができる新しいトライアウトの形として「リモートスカウティング」を行う。その為、MLBNPB独立リーグ、海外独立リーグなどの各チームの編成担当者・スカウト担当者の負担を減らすことにもつながり、参加選手の進路を広げることができるとされている[6]

約1カ月間21試合のリーグ戦を行うことにより、参加選手の出場機会の提供・実践をすることが出来るため、選手本来の実力を発揮できる場所を提供。普段、試合に出ていない選手が実践をすることでレベルアップにも繋がる。

レベルアッププログラムとして、参加選手のパフォーマンス向上のためにメディカル面、心理学面セルフマネジメント、データ分析などのコンテンツも用意された。

詳細[編集]

第1回[編集]

主催:株式会社ジャパンリーグ

後援:宜野湾市浦添市読谷村沖縄市スポーツコミッション、一財沖縄観光コンベンションビューロー

日程:2022年11月24日(木)~12月25日(日)

開催球場:アトムホームスタジアム宜野湾コザしんきんスタジアムANA BALL PARK 浦添オキハム読谷平和の森球場

詳細[編集]

参加者は、高校生・大学生・社会人独立リーグから66名が参加し[注 2]、海外選手も7名参加[7]。1日目に体力測定、2日目に練習を行い参加者のデータ収集とチーム分けを行う。その後、4チーム(読谷ThreeString /琉球 Blaze/宜野湾Wings/浦添Suns)に分かれて全21試合(19試合リーグ戦・2試合プレーオフ)が行われた。優勝チームは読谷Three Strings。

試合はYouTubeにてライブ配信された。

スカウティングとしては、MLBNPB球団を含む国内外、プロアマ問わず31チームが参加。36名の選手がスカウティングされ、そのうち10名が欧州プロ野球や国内独立リーグなどと契約に至った[8][9]

期間中には、野球に携わるトレーナー・アナリスト・アナウンスの実践の場としても提供され、計測機器メーカーにインターン派遣が決まったアナリストも存在する[10]

期間中のイベントとして、12月8日にももいろクローバーZ高城れにがゲストとして参加し、始球式などを務めた[11]。他にも中学生を対象とし、データ計測会や興南高校によるチアリーディング披露、日本プロ野球選手会主催のキャッチボールクラシックや野球教室、音楽ライブやキッチンカーなど、様々なイベントが開催された[10]

観客動員こそ延べ1500人と低調に終わったものの、スポンサー料や県からの補助金により、運営自体は黒字だった[10]

第2回[編集]

主催:株式会社ジャパンリーグ

トライアウトを目的とした、「JAPAN WINTER LEAGUE TRYOUT」とプロや社会人の実践練習を目的とした「JAPAN WINTER LEAGUE ADVANCE」の二つに分けられて開催される予定[10]

JAPAN WINTER LEAGUE TRYOUT[編集]

日程:11月25日(土)~12月24日(日)

会場:コザしんきんスタジアム

対象:プロを目指す、15歳以上の野球経験者

JAPAN WINTER LEAGUE ADVANCE[編集]

日程:11月23日(木・祝)~12月17日(日)

会場:宜野湾市立野球場、ANABALLPARK浦添

対象:NPB育成選手CPBL所属選手、海外のプロリーグ所属選手、日本国内の独立リーグ所属選手、JABA所属チーム・企業の選手

第3回[編集]

主催:株式会社ジャパンリーグ

トライアウトを目的とした、「JAPAN WINTER LEAGUE TRYOUT」とプロや社会人の実践練習を目的とした「JAPAN WINTER LEAGUE ADVANCE」の二つに分けられて開催される予定[10]

JAPAN WINTER LEAGUE TRYOUT[編集]

対象:プロを目指す、15歳以上の野球経験者

JAPAN WINTER LEAGUE ADVANCE[編集]

日程:11月23日(土)~12月19日(木)

対象:NPB育成選手CPBL所属選手、海外のプロリーグ所属選手、日本国内の独立リーグ所属選手、JABA所属チーム・企業の選手

会場:今年度はコザしんきんスタジアムのみで開催。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ なおジャパンウィンターリーグとは別に、独立系野球チームの琉球ブルーオーシャンズが、2022年10月に「アジアウィンターリーグ2022 in沖縄」[3]という大会を企画したが、運営上の諸問題のため開催には至らなかった[4]。ジャパンリーグと琉球ブルーオーシャンズは資本も含めて関連はない。
  2. ^ うち46名がトライアウト目的・20名が企業チームから参加

出典[編集]

  1. ^ “国内初の12月開催「沖縄ウインターリーグ」決定 慶大で試合出場なく海外へ…仕掛け人の思いは”. ヨテミラ!. (2022年6月8日). https://yotemira.tnc.co.jp/sports/articles/SID2022060800441 
  2. ^ NPB球団初、ジャパンウィンターリーグへ埼玉西武ライオンズ選手を派遣”. 埼玉西武ライオンズ. 2024年4月26日閲覧。
  3. ^ アジアウィンターリーグ2022 in 沖縄
  4. ^ 「アジアウィンターリーグ 2022 in 沖縄」 開催中止のお知らせ
  5. ^ “日本初のウインターリーグ開催へ! “沖縄ドリーム”に又吉克樹や斉藤和巳も期待を寄せる「後世の野球人のためにも」”. THE DIGEST. (2022年6月16日). https://thedigestweb.com/baseball/detail/id=57219=r 
  6. ^ 2年目を迎えるジャパンウィンターリーグ、成果と課題 | スポチュニティコラム” (2023年6月5日). 2023年6月12日閲覧。
  7. ^ 10人契約で「新しい文化を創出」国内初の"ウィンターリーグ" 沖縄から野球界に一石 前編”. SPREAD (2023年4月25日). 2023年6月12日閲覧。
  8. ^ 10人契約で「新しい文化を創出」国内初の"ウィンターリーグ" 沖縄から野球界に一石 前編”. SPREAD (2023年4月25日). 2023年6月12日閲覧。
  9. ^ 2年目を迎えるジャパンウィンターリーグ、成果と課題 | スポチュニティコラム” (2023年6月5日). 2023年6月12日閲覧。
  10. ^ a b c d e 2年目を迎えるジャパンウィンターリーグ、成果と課題 | スポチュニティコラム” (2023年6月5日). 2023年6月12日閲覧。
  11. ^ スペシャルゲスト来場のご案内 - Japan Winter League”. www.japanleague.co.jp. 2023年6月12日閲覧。

外部リンク[編集]