サバキ

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サバキ

  • 空手のテクニックの一つ。
  • 囲碁用語の一つ。下記に記載。

囲碁のサバキ[編集]

打ち込みや模様の消しの際に、石の強弱を適切に判断して「弱い石や孤立した石の始末をうまくつけること」(大辞泉)。全てを助けようとするのではなく、捨て石手筋を活用してを整えるなどが代表的なサバキの手筋で、高度なテクニックに属する。敵の重包囲網下でなんとか二眼を作り、生きを求めるような打ち方は「シノギ」と呼ばれ、サバキと区別される。

「サバキはツケから」と言われる通り、敵の石にツケることからサバキの調子を求めることは多い。また「石数が少ないときはナナメライン」(苑田勇一)という格言もある。

サバキの実例[編集]

例1[編集]

黒1のキリに対し、下方の2子をなんとか助け出そうと白2,4のようにアテ押すと、△の1子が自然に呑み込まれ、黒に大きなを与えてしまう。


白2のツケが手筋。黒3と立って抵抗するならば、白4から6・8と突き出して10とマガれば、右方の黒2子を制しながら頭を出し、白好調と判断される。


白2のトビツケに対しては黒3とノビるくらい。以下6までが定石とされる。白のサバキが成功した図。

例2[編集]

中国流の布石から、白が右下の黒模様に侵入した場面。白1とまともにツグと、黒2・4・6と攻めを受け、下辺が黒地として固まってしまう上、白は眼型を作るあてもない。


白1が手筋。もし黒が2のキリなら、白5から7と突き抜き、▲の石を腐らせて好調。このように、敵の勢力圏内のサバキでは全ての石を助けようとするのではなく、捨て石を効果的に使ってを整える手段が有効なことが多い。


黒も無理に切って取りに行かず、2から6と打つくらい。以下白7まで、眼型も豊富で攻められにくい形を得て、白のサバキ成功と見られる。

参考図書[編集]

  • 依田紀基のサバキの急所と手筋 (NHK囲碁シリーズ) 』日本放送出版協会 1994年
  • 片岡聡 サバキのテクニック (NHK囲碁シリーズ)』日本放送出版協会 2002年
  • 依田紀基『サバキの最強手筋』成美堂出版 2003年