スベリ

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スベリは、囲碁の用語。盤面の辺で打たれる手のひとつを指す。

概要[編集]

「スベリ」とは、盤面の辺において、高い位置にある相手の石に対し、自分の石を低く(第一線あるいは第二線へ)滑り込ませるように打つ手のことを指す。また、「走る」という表現を使うこともある(「二線へ走る」など)。通常既にある第三線の石から第二線へ、あるいは第二線の石から第一線へ、ケイマ大ゲイマの位置に打つことになる。二線へのスベリは相手の地を荒らす手として、また自らの根拠を確保する手として大きな価値を持つことが多い。

スベリの例[編集]

スベリを含む定石[編集]

定石に現れるスベリの例。上左図白1、上右図白1,3がスベリ。


黒1のスベリで、隅の一団の生きを確保する。

連絡手段としてのスベリ[編集]

黒1のスベリで確実に左右が連絡する。

サルスベリ[編集]

一線へのスベリは多くヨセの手として打たれ、サルスベリと呼ばれる[1]。一般に、大ゲイマにスベるのを「大ザル」、ケイマスベリを「小ザル」と称する。下図は「大ザル」の例。

網走スベリ[編集]

第69期本因坊戦第三局、井山裕太本因坊対伊田篤史八段戦。右上は白からスベる場合通常はaに打つところを、白番の伊田が1と一路遠い大ケイマの位置へスベって話題となった。対局が北海道網走市で行われていたため、この手はその後「網走スベリ」と呼ばれるようになった。

出典[編集]

  1. ^ "囲碁用語「スベリ」". 日本囲碁連盟. 2020年9月21日閲覧

参考図書[編集]