カナリアス (重巡洋艦)

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アルメリア港の重巡洋艦「カナリアス」
艦歴
起工 1928年8月15日
進水 1931年5月28日
就役 1936年9月
退役 1975年12月17日
その後 1977年解体。
性能諸元
排水量 基準:10,670トン
常備:-トン
満載:13,700トン
全長 193.8m
全幅 19.5m
吃水 5.3m~6.5m 
機関 ヤーロー重油専焼缶8基
+パーソンズギヤードタービン4基2軸推進
最大主力 90,000hp
最大速力 33.0ノット
航続距離 15ノット/8,000海里
乗員 1,042名
兵装 1924年型 20.3cm(50口径)連装砲4基
1935年型 12cm(45口径)単装高角砲8基
40mm(60口径)機関砲12門
20mm機銃3丁
53.3cm三連装水上魚雷発射管4基12門
装甲 舷側:51mm
甲板:38mm
主砲塔:25mm(前盾)、25mm(側盾)、-mm(後盾)、70mm(天蓋)
火薬庫:114mm
司令塔:-mm

カナリアス(Canarias)は、スペイン海軍カナリアス級重巡洋艦イギリスヴィッカース・アームストロング社の子会社であるスペイン海軍建設協会 (SECN)によってスペインで建造された。

艦歴[編集]

「カナリアス」はナショナリスト派海軍の旗艦としてスペイン内戦に従事。1936年後半のエスパルテル岬沖海戦ではスペイン共和国海軍の駆逐艦アルミランテ・フェランデス」を[1]オラン沖ではソ連商船「コムソモール」を沈めるなど、計34隻の艦船を沈めた。カナリアスは1937年3月5日のマチチャコ岬の戦いで主役となり、バスク補助海軍の海軍トロール船「ナバラ」を破壊した[2]。 また1938年8月29日には駆逐艦「ホセ・ルイス・ディアス」を損傷させ、ジブラルタルに避難させた。「カナリアス」は共和国の定期船「マル・カンタブリコ」を拿捕したが、これは後に補助巡洋艦に改造された。第二次世界大戦中には、1941年5月にドイツ戦艦ビスマルク」の生存者捜索に参加した[3]

この巡洋艦は、(何度かの修理・改装期間を経て)生涯を通じて艦隊旗艦として任務を遂行した。1973年頃、「カナリアス」の寿命を延ばすために大規模な改装が計画されたが、米海軍関係者の協力を得て行われた船の状態調査では、工事を行うには老朽化しすぎているという結論に達した。博物館船にするための努力もなされたが、そのための資金はほとんど集まらなかった。1975年に廃船となり、1977年にはスクラップとして売却されたが、解体場所までは自力で航行した。

脚注[編集]

  1. ^ Beevor 2000, p. 118.
  2. ^ Los bacaladeros vascos y el combate del Cabo Machichaco” (スペイン語). grijalvo.com. 2015年6月24日閲覧。
  3. ^ Sánchez, Gonzalo López (2014年6月11日). “El día que España intentó rescatar al acorazado nazi "Bismarck"” (スペイン語). ABC.es. 2015年6月24日閲覧。

参考文献[編集]

  • Beevor, Antony (2000). The Spanish Civil War. London: Cassell. ISBN 0-304-35281-0 
  • Gardiner, Robert; Chesneau, Roger (1980). Conway's All The World's Fighting Ships 1922–1946. London: Conway Maritime Press. ISBN 0-85177-146-7 
  • Gardiner, Robert; Chumbley, Stephen (1995). Conway's All The World's Fighting Ships 1947–1995. Annapolis, Maryland. ISBN 1-55750-132-7 
  • Whitley, M. J. (1995). Cruisers of World War Two: An International Encyclopedia. London: Cassell. ISBN 1-86019-874-0 

外部リンク[編集]