アクロレイン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索
アクロレイン
アクロレイン
識別情報
CAS登録番号 107-02-8
KEGG C01471
特性
化学式 C3H4O
モル質量 56.06
外観 無色または淡黄色液体
密度 0.8389 (20 ℃)
融点

−87

沸点

53

屈折率 (nD) 1.4022 (19 ℃)
特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。

アクロレイン (acrolein) はアルデヒドの一種で、不飽和アルデヒドの中で最も単純なもの。IUPAC命名法では 2-プロペナール (2-propenal) と表されるほか、アクリルアルデヒド (acrylic aldehyde) 、プロペンアルデヒド (propenaldehyde) とも呼ばれる。CAS登録番号は [107-02-8]。分子式は C3H4O、示性式は CH2=CHCHO、分子量は 56.07 である。

[編集] 性質、合成、反応

融点 −87 ℃、沸点 53 ℃ で、刺激臭を持つ無色から黄色の液体である。

グリセリン硫酸水素カリウムなどの脱水剤を用いて脱水すると生成する[1]。 工業的には、グリセリンの高温の蒸気を硫酸マグネシウムに通じてアクロレインを得る。

HOCH2CH(OH)CH2OH → CH2=CHCHO + 2H2O

還元するとプロピオンアルデヒドを経てプロピルアルコールを生成する。

ラットによる経口毒性LD50が82mg/kg、ウサギによる経皮毒性LD50が250mg/kgと、毒性が強い他、可燃性も強く、取り扱いには十分注意する必要がある。日本では毒物及び劇物取締法により原体が劇物に、消防法により第1石油類に指定されている。また重合を起こしやすいため、市販の物には重合停止剤としてヒドロキノンが含まれていることが多い。純粋なものが必要なときには、蒸留などで精製してすぐ用いるべきである。

食用油を使って揚げ物等の調理作業を長時間行ったために気分が悪くなる現象を「油酔い」と呼ぶ。「油酔い」は加熱分解された油脂から発生するアクロレインが引き起こすものとされている。

また、ガソリンエンジンディーゼルエンジン及びタバコ不完全燃焼でも発生し、自動車・船舶等からの排出量は年間1,765トン(製品評価技術基盤機構 2005年調べ)、タバコから年間97トン排出されている。(環境省 2004年調べ[2])なお、タバコ1本あたりからの発生量は主流煙で9.93~116µg、副流煙で288~348µgと分析されている。(厚生労働省 2002年調べ[3]

[編集] 用途

主にメチオニングルタルアルデヒドピリジンの合成原料として用いられる。他に冷凍機探知剤、アルコール変性剤、殺菌剤などにも用いられる。

[編集] 参考文献

  1. ^ Adkins, H.; Hartung, W. H. Org. Synth., Coll. Vol. 1, p.15 (1941); Vol. 6, p.1 (1926). オンライン版
  2. ^ 製品評価技術基盤機構_化学物質の初期リスク評価書Ver.1.0_No66アクロレイン発生源情報
  3. ^ 製品評価技術基盤機構_化学物質の初期リスク評価書Ver.1.0_No66アクロレイン暴露評価
個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス
他の言語