おおいぬ座ガンマ星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
おおいぬ座ガンマ星
データ
元期 2000年初分点(J2000.0
星座 おおいぬ座
赤経 07h 03m 45.5s
赤緯 -15° 38′ 00″
視等級 (V) 4.11等
特徴
スペクトル分類 B8 II
アストロメトリー
固有運動 (μ) 赤経: -0.81 ミリ秒/
赤緯: -11.20 ミリ秒/年
年周視差 (π) 8.11 ± 0.63 ミリ秒
距離 402 ± 31 光年
(123 ± 10 パーセク
他の名称
ムリフェイン, おおいぬ座23番星 (23 CMa), HR 2657, HD 53244, BD-15°1625, HIP 34045, SAO 152303, GC 9320, FK5 271
Template (ノート 解説) 天体PJ

おおいぬ座γ星(おおいぬざガンマせい、γ CMa)はおおいぬ座の4等。青白いB型輝巨星で、距離は約400光年

この星は、おおいぬ座でもそれほど明るいとはいえないのに、バイエル符号の「γ」が与えられているのが謎とされている。[要出典]一時期、変光星ではないかと考えられたこともあり、ボーデの大判星図ウラノグラフィア』(1801年)やアメリカの『バリット星図』(1835年[1])などでは、この星に変光星の表示がなされていた。

固有名[編集]

この星は、固有名ムリフェイン[2] (Muliphein) またはムリフェン (Muliphen) という。「ムリプヘイン」と表記されることもある[3]ケンタウルス座ガンマ星の固有名ムリファインと同じアラビア語を語源としているが、両者を混同してはならない。

イタリアの天文学者でシチリア島にあるパレルモ天文台の台長を務めたジュゼッペ・ピアッツィの『パレルモ星表』(1814年)から見られるようになったことから、ピアッツィによる命名と考えられている。アラビア固有の al-Muhlifān [アル=ムフリファーン]という星座があるが、この星とは全く関係ない。

al-Muhlifān は、アラビア語で「誓い」を意味する語根 h-l-f- の受動分詞双数形で、「互いに誓い合う二つのもの(=一組の星)」というような意味合いがある。双数形を取っていることから、ペアとなっているもの(この場合は星)を指しているものと考えられる。しかしながら、実際にどの星のペアを指しているのかよくわかっていない。「ケンタウルス座α星β星説」と「はと座α星β星説」がある。

日本でも、この名の意味はかなり錯綜している。「両人の偽誓への誘惑者」[2]というのは、al-Muhlifān ではなくその別名 al-Muhnithān ([アル=ムフニサーン]、「偽りの宣言をすることを唆す」という意味)の語根 h-n-th- の受動分詞・双数形で「偽誓を誘発させる二つのもの(=一組の星)」という意味合い)と取り違えたものである。また、「犬の頭」としているものもある[3]


脚注[編集]

  1. ^ 同書の初版は1833年だが、復刻も含め1835年版が広く流布しているので、ここでは出版年を1835年とした。
  2. ^ a b 小平桂一 監修 『カラー天文百科』 平凡社、1976年、[要ページ番号]
  3. ^ a b 藤井旭『星座ガイドブック秋冬編 - 小型カメラと小望遠鏡による星座めぐり』誠文堂新光社、1974年、[要ページ番号]

参考文献[編集]

  • Allen, R. H., Star Names: Their Lore and Meanings, (rep.), New York, Dover Publications., 1963 (1st:1899), p. 130.
  • Kunitzsch, P., Arabische Sternnamen in Europa. Wiesbaden, Otto Harrassowitz, 1959, pp. 187-188.